コミック版の1巻を読み、原作のほうがどんなもんなのかと思って買って読んだがこりゃ酷え。
神待ちJKと家で同居することになった主人公は彼女の放浪生活が男による性的搾取を代償にしていたことに激しく憤るが、自分が彼女の居候を認めてあげる条件として「家事全般を勤めろ」と指示を出すのである。…搾取が性的でなければ問題ないとでも思ってんのか。
小説の終盤で主人公がJKを褒める。「女子高生にしては肉付きがいいし、スタイルもいいし、顔も良くて、家事もできて、最高だ」…見た目と”家事が出来る”しか褒めてねえよ。
そして、”お前”と出会ってから生活が変わった、という。「家に帰ると美味い飯が用意されているし、風呂も汲まれている。しかも…紗優がいる」「紗優が家にいてくれるだけで、俺の生活はかなり楽しいものになったよ」
…この主人公は「何故JKがこんなふうに男に搾取されなければならないのか」と憤るけどね、それは君みたいに女性に容姿と”家に居て男の生活を支えろ”という事しか求めない男尊女卑思想の男が居るからなんだ。
そして自分を性的搾取しないことをもってJKは主人公を「優しい男」と認識し、彼に惚れるのである。無償家事労働というかたちで搾取されていることは気にもとめずに。
職場の後輩は主人公に厳しくされると”普通の人は出来ない部下を見放すのにこの人は諦めずに厳しく接し続けてくれる”という理由でもってパワハラを受けることで相手に恋愛感情を抱くようになる。
仕事ができないと思われていた彼女は彼にかまって貰うためにわざと”出来ない女”を演じており、それをみぬけなかった主人公は”彼女が採用されたのは可愛いからだろう。職場のオッサンにとっても可愛いのがひとりくらいいるのが目の保養になるのだろう”と言うが、その発想自体に問題があるとは思っていない模様。
部下や同居JKは”お前”呼ばわりする主人公は上司の女性にだけ”さん”付けで敬語を使い、彼をフッた筈の上司はなんだかんだで彼の男らしさに惚れていたが「歳上なんて嫌だろうと思った」と遠慮していただけだったと判明。尚、本作では再三に渡って、この上司の魅力として胸のサイズが語られる。どれだけ仕事が有能なのかとか殆ど無しでね。
そんでその3人で主人公を取り合うハーレム構造が出来上がる訳だね。
つまり、この小説の根幹には男尊女卑の思想があり、それこそが少女を性的搾取する構造を生んでいるのだが、作者がそれに全く気付いていないのである。少女を性的搾取する構造を”少女への性欲を否定”しさえすればそれでいいと勘違いしてるんだ。主人公は格上の上司には大きいおっぱいの魅力ばかりを語り、格下の後輩やJKには時折見せる女性の色気に揺らぐが、つまるところ”性的なもの”だけを女性の魅力と思っているのである。あとは家に入って内助の功を求めるだけだしね。そんな男をJKは「優しい」と言い、部下は彼のために無能を演じ、上司は歳上の女には価値がないと思い身を引くつもりだったという、どうしようもねえ話である。
主人公は最後に己の情けなさを吐露するが、それだけじゃ本作に蔓延するマチズモは解体出来ねえよ。これで作者が、なんらかの問題提起をしているつもりなので頭が痛いですな。女性からのジェンダーへの問題提起を全面に押し出したエンタメを見つつ、「もう少しバランスを取ってもいいのでは」と思ったりしてたが、本作のような作品がナチュラルに書かれている現実を見ると、バランスを取るために敢えて偏らせてんのかなあと思いました。そんくらい、どうしようもねえ小説である。
![[しめさば, ぶーた]のひげを剃る。そして女子高生を拾う。【電子特別版】 (角川スニーカー文庫)](https://m.media-amazon.com/images/I/514EULjiVPL._SY346_.jpg)
ひげを剃る。そして女子高生を拾う。【電子特別版】 (角川スニーカー文庫) Kindle版
しめさば
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文庫
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言語日本語
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出版社KADOKAWA
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発売日2018/2/1
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ファイルサイズ7748 KB
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商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
5年片想いした相手にバッサリ振られたサラリーマンの吉田。ヤケ酒の帰り道、路上に蹲る女子高生を見つけて―「ヤらせてあげるから泊めて」「そういうことを冗談でも言うんじゃねえ」「じゃあ、タダで泊めて」なし崩し的に始まった、少女・沙優との同居生活。『おはよう』『味噌汁美味しい?』『遅ぉいぃぃぃぃぃ』『元気出た?』『一緒に寝よ』『…早く帰って来て』家出JKと26歳サラリーマン。微妙な距離の2人が紡ぐ、日常ラブコメディ。
--このテキストは、paperback_bunko版に関連付けられています。
登録情報
- ASIN : B079FG1TTC
- 出版社 : KADOKAWA (2018/2/1)
- 発売日 : 2018/2/1
- 言語 : 日本語
- ファイルサイズ : 7748 KB
- Text-to-Speech(テキスト読み上げ機能) : 有効
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- 本の長さ : 293ページ
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2020年8月9日に日本でレビュー済み
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109人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2019年7月28日に日本でレビュー済み
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セールにてkindle版を購入。小額とはいえ、使うものは使ったので我慢して最後まで読んだ。
主人公の行動原理が意味不明すぎて気持ち悪かった。
強いて推測するなら、「同居の家出少女に誘惑されても絶対に手を出さない俺SUGEEEEE」か?
自意識の肥大化した男を主軸にすえるなら、もっとコミカルにしたほうがよかったのではないだろうか?
倫理的に潔癖でもないし、大人の配慮があるわけでもない。ホモでもないのに性欲との葛藤描写もほぼない。
関係を迫るヒロインへの説教も説得力がなくて胡散臭い。
そのくせ女にはモテる。なにこれ?
主人公の行動原理が意味不明すぎて気持ち悪かった。
強いて推測するなら、「同居の家出少女に誘惑されても絶対に手を出さない俺SUGEEEEE」か?
自意識の肥大化した男を主軸にすえるなら、もっとコミカルにしたほうがよかったのではないだろうか?
倫理的に潔癖でもないし、大人の配慮があるわけでもない。ホモでもないのに性欲との葛藤描写もほぼない。
関係を迫るヒロインへの説教も説得力がなくて胡散臭い。
そのくせ女にはモテる。なにこれ?
2019年1月9日に日本でレビュー済み
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ドロップアウト中の神待ちJK。体目当てで拾う男。ここまではよく聞く話である。(よく聞くのがそもそもおかしい話なのです。)でもさ。その娘を拾って全身全霊で正しいレールに導く男。無論、体の要求はしない。真っ直ぐすぎる男。
なんてのは聴いたことない話でしょ?なんだそのお人好しって話でしょ?なんだそいつ見てみたい。
じゃあこれを見よう。
ストーリーは間違いなくラノベの範疇を大幅に逸脱している。だってこんな設定だったら家出娘が処女だと違和感丸出しじゃんね?でもラノベで非処女とかありえます?ありえたんだなぁこれが。てか先生が率先してやってくれたんだよ。
「非処女とか無理。売れ線考えろ。」で済ませちゃうピュアなオタク達。この作品はそういう意図で作られたんじゃないんだよ。(きっと)
社畜と神待ちって社会問題なわけ。
問題と問題をかけ合わせて問題解決...なんて単純な話ではないけども、社会問題を抱えた大人と子供がお互い何かを埋め合いながら共同生活ってめっちゃ歪だけどさ、めっちゃ胸熱じゃない?
この作品はさ、社会問題と読者に対してIFの可能性の提示をしてるんだと思う。
これラノベだよ。(二回目)
こういう歪だけど心が温まる話が本当にあるといいなぁ。
なんてのは聴いたことない話でしょ?なんだそのお人好しって話でしょ?なんだそいつ見てみたい。
じゃあこれを見よう。
ストーリーは間違いなくラノベの範疇を大幅に逸脱している。だってこんな設定だったら家出娘が処女だと違和感丸出しじゃんね?でもラノベで非処女とかありえます?ありえたんだなぁこれが。てか先生が率先してやってくれたんだよ。
「非処女とか無理。売れ線考えろ。」で済ませちゃうピュアなオタク達。この作品はそういう意図で作られたんじゃないんだよ。(きっと)
社畜と神待ちって社会問題なわけ。
問題と問題をかけ合わせて問題解決...なんて単純な話ではないけども、社会問題を抱えた大人と子供がお互い何かを埋め合いながら共同生活ってめっちゃ歪だけどさ、めっちゃ胸熱じゃない?
この作品はさ、社会問題と読者に対してIFの可能性の提示をしてるんだと思う。
これラノベだよ。(二回目)
こういう歪だけど心が温まる話が本当にあるといいなぁ。
2019年6月12日に日本でレビュー済み
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【お断り】
私は、フィクション作品については読者の好き好きと考えているので、自腹を切って購入し、読んで詰まらなくても書評で低評価は入れない。 本書については、以下のとおり気になることがあったので敢えて投稿した。
1巻と2巻を同時に購入し、読んだ感想(3巻は購入保留):
1.先行発売されているラブコメコミック 板場広志(著)「社畜と少女の1800日」(2017/10/16~ 第7巻まで既刊・続刊中 芳文社コミックス)と、IT企業で美人上司をもつ独身サラリーマンの主人公が、やさぐれた女子中高生を保護して同居しつつ複数の成人女性と絡む、という基本設定は、偶然にしては余りにもそっくり過ぎる。
もしかすると、原作から別のペンネームでリライトされた作品、あるいは共通の原作からヒントを得て別の作者によって時間差で書かれた作品たちなのかも知れない。
いずれにしても、「社畜と少女の1800日」を先に読んでいると、『どっちかが盗作では?』との疑いを持たざるを得ない。 モヤモヤが残る。
2.本書のストーリーそのものは、とりあえずラブコメファンに読ませるだけの力がある。
しかし、「家出した女子高生が長期間、身体を代償に、独身男たちのもとを転々と放浪中」というストーリーは、実際にありうるとしても、ライトノヴェルとしては気持ちが悪い。
ストーリー展開の自然さ、サブキャラクターたちの言動の整合性、読後感、いずれをとっても「社畜と少女の1800日」と並べて読むと、「社畜」をお勧めしたくなる。
もっとも、「ひげを剃る」もコミック化が始まったばかりだし、「社畜」のノヴェライズも期待されるので、それぞれ全巻揃ったところで同じ土俵(コミック同士、ライトノヴェル同士)で比べるのがフェアというものだろう。
私は、フィクション作品については読者の好き好きと考えているので、自腹を切って購入し、読んで詰まらなくても書評で低評価は入れない。 本書については、以下のとおり気になることがあったので敢えて投稿した。
1巻と2巻を同時に購入し、読んだ感想(3巻は購入保留):
1.先行発売されているラブコメコミック 板場広志(著)「社畜と少女の1800日」(2017/10/16~ 第7巻まで既刊・続刊中 芳文社コミックス)と、IT企業で美人上司をもつ独身サラリーマンの主人公が、やさぐれた女子中高生を保護して同居しつつ複数の成人女性と絡む、という基本設定は、偶然にしては余りにもそっくり過ぎる。
もしかすると、原作から別のペンネームでリライトされた作品、あるいは共通の原作からヒントを得て別の作者によって時間差で書かれた作品たちなのかも知れない。
いずれにしても、「社畜と少女の1800日」を先に読んでいると、『どっちかが盗作では?』との疑いを持たざるを得ない。 モヤモヤが残る。
2.本書のストーリーそのものは、とりあえずラブコメファンに読ませるだけの力がある。
しかし、「家出した女子高生が長期間、身体を代償に、独身男たちのもとを転々と放浪中」というストーリーは、実際にありうるとしても、ライトノヴェルとしては気持ちが悪い。
ストーリー展開の自然さ、サブキャラクターたちの言動の整合性、読後感、いずれをとっても「社畜と少女の1800日」と並べて読むと、「社畜」をお勧めしたくなる。
もっとも、「ひげを剃る」もコミック化が始まったばかりだし、「社畜」のノヴェライズも期待されるので、それぞれ全巻揃ったところで同じ土俵(コミック同士、ライトノヴェル同士)で比べるのがフェアというものだろう。
2019年3月11日に日本でレビュー済み
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社畜吉田と家出JK沙優のホッコリ?する話。
吉田により、沙優の心境は少しずつ変わっていく。だが吉田が沙優を支えてると思いきや、吉田もまた沙優に支えられている。終盤では、本当の意味でお互いのことを向き合い、共同生活をスタートそして2巻へ。
後藤パイセンが急接近してくる理由とは。
そして、これからの2人の共同生活にどんなことが待っているのか2巻が気になります。
最後に、作中で『鼻をスンと鳴らして』っていう表現を連発している点はうーんとなりましたが、面白いのでokです()
吉田により、沙優の心境は少しずつ変わっていく。だが吉田が沙優を支えてると思いきや、吉田もまた沙優に支えられている。終盤では、本当の意味でお互いのことを向き合い、共同生活をスタートそして2巻へ。
後藤パイセンが急接近してくる理由とは。
そして、これからの2人の共同生活にどんなことが待っているのか2巻が気になります。
最後に、作中で『鼻をスンと鳴らして』っていう表現を連発している点はうーんとなりましたが、面白いのでokです()