本書の冒頭を飾るのは、星野漫画の初期の代表作『はるかなる朝』。この作品は2部構成となっていて、前半ではジュブナイル物の雰囲気も見せつつ、後半には現代文明批判も色濃く感じられ、そして悲しみを湛えた結末へ・・・堂々たるスケールの手塚賞入選作品です。
クラシックなタッチながらも丁寧に描き込まれた描画は、現在の星野作品とは大きく趣きが異なりますが、表題作以外の収録作も全て1975〜76年の少年ジャンプ(月刊・週刊・増刊)掲載作品なので、統一感が感じられます。
まだヤングジャンプが創刊されていなかった時代だから少年誌掲載となったのでしょうが、ジュブナイルSFの作品集だと思って読むと、いい意味で裏切られる事になるでしょう。
○ どの作品も全て、強力にオチが効いている。
○ プレーンなSF、小気味よい展開。
○ 結末は哀しく、あるいはブラックな時も。
後の星野作品にもしばしば現れたこれらの特徴は、この作品集の時点で既に見て取れます。
この時の星野先生の年齢が21〜22歳、2001夜物語の頃でもまだ30歳そこそこ。敬服するばかりです。
なお、この本は古い物になるとISBNがありません。手元に1985年の8刷がありますが、その収録作品は、『はるかなる朝』『カルネアデス計画』『鋼鉄のクイーン』『四次元の爆撃機』『葬送船団』『荒野への脱出』の6作品であり、新しい物に比べて少ないようですね。カバーデザインも違います。現物を見ずに中古品を購入するような場合、この古い方を掴む事になるかもしれません。
Kindle 端末は必要ありません。無料 Kindle アプリのいずれかをダウンロードすると、スマートフォン、タブレットPCで Kindle 本をお読みいただけます。
無料アプリを入手するには、Eメールアドレスを入力してください。

Kindle化リクエスト
このタイトルのKindle化をご希望の場合、こちらをクリックしてください。
Kindle をお持ちでない場合、こちらから購入いただけます。 Kindle 無料アプリのダウンロードはこちら。
このタイトルのKindle化をご希望の場合、こちらをクリックしてください。
Kindle をお持ちでない場合、こちらから購入いただけます。 Kindle 無料アプリのダウンロードはこちら。