技術者が技術本を書く場合、その人がプログラミング言語だけでなく自然言語(日本語や英語など)も得意なら良いのですが、そうでない場合は出版社の担当編集者がサポートを受ける必要があります。技術本には記述内容の整合性を確かめるレビュアーが必要なほかに、他の本でもそうであるように、誤字脱字、文章が不自然ではないかをチェックする編集者、校閲者が必要です。固有名詞の全てにカギカッコは必要か?点やマルの位置は不自然ではないか?僕は文章が不自然だと感じました。どこが、というのではなくて本全体です。読者がこれから全く知らない知識を覚えようとするというのに文章が不自然な為、文章の意味するところを解読する、という余計な負荷が掛かってしまいます。
帯に<「Common Lisp」風の「マクロ」が使える>と書いておきながら本書では8ページ目には「詳しくは別の本に譲ります」とあります。それなら帯に書かなくても良かったのでは?「今話題の関数型言語」的な事を書いたところで、この本で関数型言語を理解できるでしょうか?125ページ程度の本で、関数型プログラミング(というかLisp)を全く知らない人を対象に、一から始めて実用的なアプリケーションを作るところまでを説明できるはずがありません。Clojureの基本文法と必須関数の説明に絞るだけにするのか、それらはWebで調べてもらう事にして実践的なアプリ開発だけに絞るのか、この本の訴求対象を誰に設定するのか?どっちつかずになっています。
日本の技術者は日本語で書かれた技術本に飢えています(英語で読め、という意見は取り敢えず無視)。だからこそ、日本の出版社はその期待に真摯に応える必要があります。紙の本での校閲が間に合わないのなら、この出版社は真剣に電子本への移行を考えるべきです。
日本人著者による日本語の技術本に良い物がないのは、これは日本人技術者のレベルが低いのではなく、出版社の構造的な問題だと私は思います。
Kindle 端末は必要ありません。無料 Kindle アプリのいずれかをダウンロードすると、スマートフォン、タブレットPCで Kindle 本をお読みいただけます。
無料アプリを入手するには、Eメールアドレスを入力してください。

Kindle化リクエスト
このタイトルのKindle化をご希望の場合、こちらをクリックしてください。
Kindle をお持ちでない場合、こちらから購入いただけます。 Kindle 無料アプリのダウンロードはこちら。
このタイトルのKindle化をご希望の場合、こちらをクリックしてください。
Kindle をお持ちでない場合、こちらから購入いただけます。 Kindle 無料アプリのダウンロードはこちら。