シンシアリー氏は、日本に住んで2年余りになる。日本のスーパーで、韓国では見たことがない「牛脂」を手に入れ、ブログに「無料だった」と書いたところ、「それは無料ではなく、サービスです」との指摘があったという。その時「サービスと無料は同じ意味じゃないな」と気付いたという。
韓国の姉に話すと、姉は「そんなの韓国で店においたら、一瞬でなくなるよ」と答えたという。韓国人は当たり前のようにたくさん持っていく。日本人が韓国人と知り合いになって、「日本人と(悪い意味で)違うな」と実感するのは、このパターンだという。
シンシアリー氏の母親は、料理の出前や家電製品の修理に来た人にも飲み物を出し、感激された。そして「あの人が来てくれなかったら、私たちが店まで行かないとダメでしょう。有り難いことだと思わないといけない」と言った。これは、「サービスを無料だと思うようになってはいけない(有り難いとする気持ちをなくしてはいけない)」ということだろう。
韓国ではサービスに対し、その「有り難い」が存在しない。韓国社会では「ドム(おまけ)」と「エヌリ(値引き)」をあって当然と考えている。だから、ドムやエヌリが得られなかった場合、「当然もらうべき私の権利がもらえなかった」と考え、店を「加害者」、自分を「被害者」と決めつける。
韓国でフランチャイズ契約の店が急速に増えた理由は、「本社が決めた価格ですので」と言えば済むからだという。フランチャイズ契約できなかった小さな食堂などは、値引きに応じないかわり、「おかずは無料」という路線を取ったが、それにより前の客が残したものを再利用する店が増えた。サービスの概念が崩れると、結局は双方(店も客も)が被害を受けるのである。
「併合時代」に生まれた韓国の作家イ・ギュテ氏は1992年の著書で、物を買うときに気を付けるべきは「Reasonable」で「納得できる」ものであるべきと述べている。物の性能、使用期限、外見が納得でき、価格が必要以上に高くも安くもなく、買う人から見て納得できるだけでなく、売る人の立場からも納得できる、すなわちちゃんとした利益が残せるバランスこそが「納得できる」ものであり、そういうものに最も購買欲が湧くべきだというのである。店と客、両方が勝者になれる関係であり、先の残飯の話と真逆の概念である。
またイ・ギュテ氏は1992年の時点で、「時間」も「知識」もタダだと思ってはならないと指摘しているが、今でも韓国社会はそれをタダだと思っている。シンシアリー氏は、この点、「韓国人の値引き好きは他人との共生の邪魔になる」との考察と部分的に合致している気もすると述べている。サービスの概念を理解する国は、人の平等(=私たちは持ちつ持たれつ)を理解している社会であり、韓国はそれができないのである。
韓国人は「自分」を基準にして、自分側とそれ以外を極端に分けて考える悪い癖がある。自分側に向けるのが「ウリ(私たち、仲間たち)、被害者、権利、情、道徳(正義や配慮なども含む)」であり、それ以外に向けるのが「ナム(他人、ウリ以外の人)、加害者、義務、恨、法律」である。
「恨」は、韓国人特有のいつまでも消えない恨みや憎しみのことで、「私の正当な権利を不当な方法を使った誰かに奪われた」とする考え方で、自分を「被害者」とし、自分の責任を全消しし、そのための明確な「加害者」を作り出す。基本的にウリ以外の人達に向けられる。
「情」は反対に、ウリの中の人達に向けられる。ウリの人はウリの道徳(情)で解決すべきで、法律など二の次。情(ウリの正しい道徳)が法律(外側の不当な規則)より上なのである。韓国の「儒教思想」では、万物には生まれつき貴賤があり、「貴」なるものは正しく、上位の存在。「賎」なるものは不正で、下位の存在で、それらの上下関係に逆らってはいけないとする側面がある。
韓国人にとって「公」とは、ナム(他人)の集まりで、ウリとは無縁の領域、下の領域、法律の領域、加害者の領域である。だから、韓国人は、公から奪おうとする。有り難いとは思わない。公にあるものを「タダで取る」のは、私の正当なる権利である。それが韓国人の道徳的に正しい形である。
韓国人が「サービス」の概念を理解できないのは、公の概念を理解できないのと同じく、世の中を上下関係でしか見ていないからである。サービスが、法律が、公(他人と共に生きること)が、「平等な関係」を必要とするというとても単純な心理が欠けているのである。
「Reasonable」を理解すること、出前をしてくれる人への有り難さを理解すること、サービスは無料ではないと理解すること、それらはすべて上下関係ではなく、人の「平等」を理解することである。「有り難い」を忘れない限り、そこには平等が存在できる。それが公で、サービスで、ウィンウィンなのである。
「韓国の病気が治せる薬」とは、「平等の概念」だと、シンシアリー氏は言う。日本は、「和」という名のもと、人の平等を考える国であり、それは誇るべき日本と日本人の品格だと述べている。
儒教は人を不幸にする教えだと、改めて感じた。まだ第一章しか読んでいないが、十分堪能できた。
追記:このレビューは、投稿してから46時間後にやっと掲載された。昨年の6月にも丸2日たってやっと掲載されたケースがあり、Amazon に問い合わせたが、納得できる返答はなかった。
なぜ韓国人は借りたお金を返さないのか~韓国人による日韓比較論~ (日本語) 単行本(ソフトカバー) – 2019/2/10
シンシアリー
(著)
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本の長さ236ページ
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言語日本語
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出版社扶桑社
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発売日2019/2/10
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ISBN-10459408172X
-
ISBN-13978-4594081720
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商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
人が持っている物を見て、「いくらで買いましたか?」高いか安いかで評価する韓国人。「よいものですね」質や美点で評価する日本人。日本人はお金以上の幸せを見つけるのがうまい!
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
シンシアリー
1970年代、韓国生まれ、韓国育ちの生粋の韓国人。歯科医院を休業し、2017年春より日本へ移住。母から日韓併合時代に学んだ日本語を教えられ、子供のころから日本の雑誌やアニメで日本語に親しんできた。また、日本の地上波放送のテレビを録画したビデオなどから日本の姿を知り、日本の雑誌や書籍からも、韓国で敵視している日本はどこにも存在しないことを知る。韓国の反日思想への皮肉を綴った日記「シンシアリーのブログ」は1日10万PVを超え、日本人に愛読されている。著書は59万部超のベストセラーとなる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
1970年代、韓国生まれ、韓国育ちの生粋の韓国人。歯科医院を休業し、2017年春より日本へ移住。母から日韓併合時代に学んだ日本語を教えられ、子供のころから日本の雑誌やアニメで日本語に親しんできた。また、日本の地上波放送のテレビを録画したビデオなどから日本の姿を知り、日本の雑誌や書籍からも、韓国で敵視している日本はどこにも存在しないことを知る。韓国の反日思想への皮肉を綴った日記「シンシアリーのブログ」は1日10万PVを超え、日本人に愛読されている。著書は59万部超のベストセラーとなる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
登録情報
- 出版社 : 扶桑社 (2019/2/10)
- 発売日 : 2019/2/10
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 236ページ
- ISBN-10 : 459408172X
- ISBN-13 : 978-4594081720
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Amazon 売れ筋ランキング:
- 324,969位本 (の売れ筋ランキングを見る本)
- - 101位韓国・北朝鮮の地理・地域研究
- - 13,324位社会学概論
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2019年2月13日に日本でレビュー済み
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今回はお金と品格に関する話と聞き早々に購入しました。
前作《人を楽にしてくれる国》でも感じましたが、日本人が気付いていない様な美徳を発見しては、それを感動的に語って下さるので心が浄化されると同時に反省する事が多く恥じ入る事多しです。
今私は遺産分割の協議が進まず悩んでいます。正に人間関係とお金です。
韓国の親子間での契約に関する話は読んでいて本当に胸が痛くなりました。
自分のお金、人のお金をどう扱うか間違えれば本当に地獄に一直線です。
美しいお金の使い方をしましょう。そう言える生き方が出来れば貴方だけでなく周りの悩みも減ると思います。
前作《人を楽にしてくれる国》でも感じましたが、日本人が気付いていない様な美徳を発見しては、それを感動的に語って下さるので心が浄化されると同時に反省する事が多く恥じ入る事多しです。
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韓国の親子間での契約に関する話は読んでいて本当に胸が痛くなりました。
自分のお金、人のお金をどう扱うか間違えれば本当に地獄に一直線です。
美しいお金の使い方をしましょう。そう言える生き方が出来れば貴方だけでなく周りの悩みも減ると思います。
ベスト500レビュアー
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韓国で“言葉の品格”、“言葉の温度”と共に100万部超えのイ・ギシュ(李起周)著の
ベストセラーはご存じかと思う。
当の著者は“人の品格”を意識して今回の著作に挑んでいます。
“人の品格”を最も知るには、“お金”=“価値のあるもの”であり、何より韓国といえば
儒教思想に基づく”上下関係”の規律を重んじるお国柄である。
そのためか、日本の人々の認識からすると“道徳”、“公正”、“平等”という韓国の人々
の捉え方には驚かされることも。
たとえば、韓国の社会では知人が“情”でお金を貸すことが多い。そのため貸付時は貸
す側が上に立つが返済時には返す側が上に立つということが起きる。“情”=“対価”な
のである。
また、“道徳”性の回復は、“条件”をきちんと整えた状態に戻すこと。
なので、条件がきちんとしていれば“競争”で負けたとしても“公正”との評価を受ける
ことになる。このことを韓国の人々が“正常”と認識していることである。
つまり、突き詰めると、条件≠“平等”であっても“公正”=“平等”は成り立ちうるので
ある。
でも、裏を返せば、日本のように”平和ボケ“はできない勤勉な”競争社会”でもある。
地政学としても大陸続きの半島に位置し、歴史的にもとにかく”平和ボケ”はできない。
そんな状況を“憂い”、著者は日本での暮らしを引き合いにだします。
そう、ある日本旅行中のことだ。車両広告が目にとまり心を打たれたという。
”あなたが好きなことが誰かには嫌いなことかも知れません”。タバコに関するマナー
であろうが、それ以上のものを受け取っている。
著者が心うたれる“普通”=和の境界線、親日か反日かを容易にわけない価値観の尊重、
“有り難い”も尊重の一つだという。
真の尊重は、“自然な共感”をもつことだという。全くの同感である。殊に、“有り難い”
をもって”公”をなす日本。
”有がたい”=和であり、公=”貴い”といえる。”有がたい”が指向できれば、”和”という
名のもとに人の”平等”を考えられる国になって欲しい。
人の”平等”とは、何より”貴い”ものなのだ。
ウィン・ウィンの関係を一人でも多くの韓国の人々のために!!
日本の人々からの“メッセージ”でもある。
ベストセラーはご存じかと思う。
当の著者は“人の品格”を意識して今回の著作に挑んでいます。
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儒教思想に基づく”上下関係”の規律を重んじるお国柄である。
そのためか、日本の人々の認識からすると“道徳”、“公正”、“平等”という韓国の人々
の捉え方には驚かされることも。
たとえば、韓国の社会では知人が“情”でお金を貸すことが多い。そのため貸付時は貸
す側が上に立つが返済時には返す側が上に立つということが起きる。“情”=“対価”な
のである。
また、“道徳”性の回復は、“条件”をきちんと整えた状態に戻すこと。
なので、条件がきちんとしていれば“競争”で負けたとしても“公正”との評価を受ける
ことになる。このことを韓国の人々が“正常”と認識していることである。
つまり、突き詰めると、条件≠“平等”であっても“公正”=“平等”は成り立ちうるので
ある。
でも、裏を返せば、日本のように”平和ボケ“はできない勤勉な”競争社会”でもある。
地政学としても大陸続きの半島に位置し、歴史的にもとにかく”平和ボケ”はできない。
そんな状況を“憂い”、著者は日本での暮らしを引き合いにだします。
そう、ある日本旅行中のことだ。車両広告が目にとまり心を打たれたという。
”あなたが好きなことが誰かには嫌いなことかも知れません”。タバコに関するマナー
であろうが、それ以上のものを受け取っている。
著者が心うたれる“普通”=和の境界線、親日か反日かを容易にわけない価値観の尊重、
“有り難い”も尊重の一つだという。
真の尊重は、“自然な共感”をもつことだという。全くの同感である。殊に、“有り難い”
をもって”公”をなす日本。
”有がたい”=和であり、公=”貴い”といえる。”有がたい”が指向できれば、”和”という
名のもとに人の”平等”を考えられる国になって欲しい。
人の”平等”とは、何より”貴い”ものなのだ。
ウィン・ウィンの関係を一人でも多くの韓国の人々のために!!
日本の人々からの“メッセージ”でもある。
2020年2月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
偶然手にとって気になっていた一冊です。
シンシアリーを知ったきっかけの本でもあります。沢山、韓国本出されてて、恥韓論から順に読んできました。
近くて遠い国、理解しかねる思想に苛立つ昨今です。
著者シンシアリーさんは、日本に移住され
もうすぐ3年ですかね。日本を愛してくれてありがとう、後れ馳せながらながら、ようこそ…社会的抹殺されなくて良かったと思います。
すごく感銘を受ける文章です。思想が素晴らしい。さらっと読んで、次は、じっくり読み直したいです。嫌いになってしまった国だからこそ、私なりの知りたいに答えを探していました。
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すごく感銘を受ける文章です。思想が素晴らしい。さらっと読んで、次は、じっくり読み直したいです。嫌いになってしまった国だからこそ、私なりの知りたいに答えを探していました。
2019年4月5日に日本でレビュー済み
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約束は反故にする、契約は守らないでは環太平洋パートナーシップなど無理難題。
2019年8月16日に日本でレビュー済み
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以前からシンシアリーさんのことは身近な人から聞いて知っていたものの、著作を買うのは初めてです。仕事のやり方やお金のことでギスギスした悩みに直面していたので、考えの助けにと購入しました。韓国の価値観や感情についても勉強になりましたし、私を含めた日本人の中にも「韓国的な恨みや呪い」が一部あるのかも、と思いました。日本のことや自分自身のことを深く考えるきっかけにもなり感謝しています。
2020年4月7日に日本でレビュー済み
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非常にわかり易く、小中華思想の「超汚染」の反日思想が良く判る非常に良い本です。
シン氏が判り易く解説している。
シン氏が判り易く解説している。