鶴見済「
0円で生きる: 小さくても豊かな経済の作り方
」を読んだ後に、この本を読んでみたのだが、この本で参考文献にしていた、作家・ミヒャエル・エンデのドキュメンタリーを記録した、「
エンデの遺言「根源からお金を問うこと」
」の方が圧倒的にラディカルで濃い内容だった(通読しかしていなのだが)。これは本のタイトルで損している上に、内容の根源的追求に関して「甘さ」がある。
彼は物々交換を行うコミュニティを考えて、「
沈黙交易
」の内容が紹介されていたので、「社会に埋め込まれた「経済」」の起源を追求するかと期待して読み続けたが、結局カール・マルクスのいうところの「物々交換」にその突破口を見出そうとした。
残念ながら、もし彼にはカール・ポランニーの様な考え方を論理があれば、互酬システム、再分配システムこそ突破口になり得ると考えたと思われるのだが、残念ながらそこに対する追求が無かった。
そもそも「物々交換」にしてもメルカリの様な「金銭」を介しての「仕組み」によって取り込まれてしまっているではないか。そこに金銭を一切介さない「交換」、「互酬」、「再分配」の仕組みこそ、もっと真剣に取り組まなければいけないと私は考える。
私的にはこの本を読んで収穫もあった。河邑厚徳「
エンデの遺言「根源からお金を問うこと」
」、ケインズやハイエクが密かに支持していた、減価マネー(エイジング(老化する)・マネー)を考案した、シルビオ・ゲゼル「
自由地と自由貨幣による自然的経済秩序
」、マルクス経済学の欠点を突いた、ルドルフ・シュタイナー「
シュタイナー経済学講座 国民経済から世界経済へ
」を購入していたにも関わらずまるで読んでなかったことを反省させられたことだ。
この著者が、河邑厚徳+グループ現代「
エンデの遺言「根源からお金を問うこと」
」を読んでいるならば、ミヒャエル・エンデがシュタイナー学校を出たことを考えて、ルドルフ・シュタイナー「
シュタイナー経済学講座 国民経済から世界経済へ
」を読まねばならず、さらにミヒャエル・エンデがシルビオ・ゲゼルを「
エンデの遺言
」で解説しているなら「
自由地と自由貨幣による自然的経済秩序
」も読むべきではないだろうか?
日本では法規制のせいで、地域通貨のほとんどが「失敗」しているにも関わらず、地域通貨論や電子マネー論だけで片付けて良い内容ではない、のではないだろうか?ゲゼル、ケインズ、シュタイナー、エンデという系譜と、カール・ポランニーらの経済人類学の系譜とあり、もう本気でこの議論を交差させる必要があると思う。この山口氏の参考文献にF・A・ハイエク「
隷属への道
」が上がっている。実はハイエクも、シルビオ・ゲゼルの著書を結構密かに読んでいたと言われている。だからこれらの本を読んでみてさらに、私は研究するべきだと襟を正した次第だ。
Kindle 端末は必要ありません。無料 Kindle アプリのいずれかをダウンロードすると、スマートフォン、タブレットPCで Kindle 本をお読みいただけます。
無料アプリを入手するには、Eメールアドレスを入力してください。

1分以内にKindleで なぜゴッホは貧乏で、ピカソは金持ちだったのか? をお読みいただけます。
Kindle をお持ちでない場合、こちらから購入いただけます。 Kindle 無料アプリのダウンロードはこちら。
Kindle をお持ちでない場合、こちらから購入いただけます。 Kindle 無料アプリのダウンロードはこちら。