この本は公務員向けに書かれた本というより、組織・団体の中で身動きが取れない人に向けた本だと思った。
会社に不満のある会社員、学校や部活・サークルに不満のある学生、自治会や商店会やPTAなど地域の集まりに不満のある人など、この本を読んで勇気をもらえたり、次のアクションのヒントを得られたりするはず。
↓とっかかりやすいように、各章の好きな部分を引用します。なにか引っかかる言葉があればぜひご一読を。
■山田崇
「自腹を切るからこそ、まちの課題を一市民として感じられるんです。それを市の施策に活かそうと考えるようになりました。」
「あるとき、こう言われたんです。『5年10年経ったとき、“あのときやらかしたな”という酒は飲める。だけど、“お前は何もやらなかったな”という酒は飲めんぞ』と。」
■井上純子
「ヒラの職員がここまで目立ってしまったときに、誰かにハシゴを外されたらどうしようと常に不安でした。」
「企業に勤めてコスプレをしても、社内の評価は得られるかもしれません。でも、バナナ姫は公務員だから、市民に応援してもらえました。そういう仕事はあまりないと思います。」
■岡元譲史
「お前、夜道に気をつけろよ」「お前にも大事な家族がおるやろ」「顔と名前、覚えているからな」「俺は全部失ったから、怖いものはないからな」「あなたは、子供の未来を潰しました」━━━ 自治体の地方税徴収、滞納整理の仕事はときにこんな言葉をかけられる。
■鈴木浩之
「子どもは親と離れたいわけではなくて、虐待のない世界で生きたいだけですよね。危機介入や一時保護だけではそれを実現できないのではと感じてモヤモヤしていました。」
「児童相談所の仕事は本当に大変な仕事です。だからこそ職員は、世の中で大切な役割を果たせていると思います。」
■山本享平
「このままでは、日本の公会計はうまくいかないと感じていたんです。」
「入庁後のKPIとして、和光市の約50人の職員と気軽に話せるようになることを自らに課していました。それができれば、公会計制度の導入は成功すると考えていたからです。」
■菊池明敏
「修羅場はたくさんあるんです。震災、大規模漏水、重油の流出。水道は、消防と同じ。必ずクライシスがあるんです。でも水道のおっちゃんたちは問題が起きると『なんとかしたるわい』と危険を省みずに向かっていく。『水道人』ってみんなアホ(笑)。それが僕が水道に骨を埋めるきっかけ。」
■大垣弥生
「シティプロモーションという仕事が、『まちを好きになり、まちに関わってもらうスイッチを押す仕事』だと気づきました。」
「これから、地域の持続可能性は行政施策だけで何とかできるものではありません。まちの方々が、地域のことをどれだけ自分事にできるかにかかっているんです。」
■黒瀬啓介
「私たちは『お得』でふるさと納税の制度を運用してはいなかったですし、『お得』でこの制度を盛り上げる危険性も感じていました。」
「地方に行けばいくほど、自治体は地域や市民に対する役割が大きいわけです。だからこそ誇りを持って『とことん真剣に公務員をやろうぜ!』といいたい。」
■酒井直人
「システム導入をすればコスト削減できることなんて、わかりきった話。でも、全国ではまだまだ進んでないところも多いんです。頑張って改善をするだけで年間何百万、何千万という税金の無駄使いがなくなる。三千人の職員が、1日1時間仕事を削減できたら、毎日三千時間の改善になる。」
■脇雅昭
「公務員が今より1%でも力を発揮できると、世の中はもっと良くなる。」
「公務員は世の中にとって本当に大切なことを、仕事を通じて実行することができます。しかも、お金までいただいているんです。そんなことができるって、最高ですよね。」
■加藤年紀(著者)
「今はまだ公務員の世間的評価が高まっているとは言えない。だからこそ、本書を通じて、活躍する公務員が一人でも増えることを願っている。公務員という仕事に誇りを持ち、次世代の公務員像を体現することで、公務員像をアップデートしてほしいのだ。」
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