前回ラストで、織原さんの姉の妃さんに実年齢や関係がばれ、より複雑な関係になることが予想された巻。
そして妃さんは二人の恋愛に反対することに。
運命の恋愛を否定され、二人の選択や行動、考えが地に足がついており良かったです。
極端に特別な人間たちでないから共感しやすかったです。
前巻終わりで泥沼展開になるかと思っていましたが、意外にさっぱりとした展開でした。
内容は恋愛や選択の話、恋愛にばかりかまけて狭い視野になることの否定など、良くできていました。
またこの巻では大きくとられていませんが、文化祭が始まるということで、少し触れられています。
こちらは、ウラや指宿が中心になりそうで、次回以降の伏線ということでしょうか。
学祭に昔の知り合いが訪ねてくる展開とかかかな?
年齢差があるカップルの話で、トラブルが続くので、恋愛だけのイチャイチャにならないラブコメとしていつも楽しめる作品で、さらなる続きが待ち遠しいです。
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ちょっぴり年上でも彼女にしてくれますか?5 ~いくつになってもお姫様~ (GA文庫) Kindle版
望 公太
(著)
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言語日本語
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出版社SBクリエイティブ
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発売日2020/2/13
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ファイルサイズ10496 KB
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商品の説明
著者について
●著者=望公太
福島県在住。大学在学中に作家デビュー。
第3回GA文庫大賞・優秀賞、および第5回ノベルジャパン大賞・金賞受賞。
代表作に、テレビアニメ化された『異能バトルは日常系のなかで』(GA文庫)のほか、
『黒き英雄の一撃無双(ワンターンキル! )』(HJ文庫)など。
●イラスト=ななせめるち
サークル「生クリームびより」主催の超人気絵師。
いま最も女子高生を可愛く描けるイラストレーターの1人。 --このテキストは、paperback_bunko版に関連付けられています。
福島県在住。大学在学中に作家デビュー。
第3回GA文庫大賞・優秀賞、および第5回ノベルジャパン大賞・金賞受賞。
代表作に、テレビアニメ化された『異能バトルは日常系のなかで』(GA文庫)のほか、
『黒き英雄の一撃無双(ワンターンキル! )』(HJ文庫)など。
●イラスト=ななせめるち
サークル「生クリームびより」主催の超人気絵師。
いま最も女子高生を可愛く描けるイラストレーターの1人。 --このテキストは、paperback_bunko版に関連付けられています。
内容(「BOOK」データベースより)
年上の彼女・織原さんとの真剣な愛を育む桃田に衝撃の事態が巻き起こる。父の再婚相手が彼女の実の姉―妃さん(34)だったのだ!「今すぐ桃田くんと別れなさい」二人の将来を想い、厳しい決断を迫る妃さん。だが―「俺が好きな相手は、これから先もずっと、織原さん一人です」二人の絆は崩れることはなく、より強固なものとなっていく。さらに桃田たちは初めて「二人きりになれるあの場所」へ…。「やだ…見すぎだよ、桃田くん」愛おしくて愛おしくてたまらない27歳との禁断の恋!純愛甘々ラブコメ、決意の第5弾!!
--このテキストは、paperback_bunko版に関連付けられています。
出版社より

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シリーズ最大の修羅場!?二人の秘密がついに妃にバレた!? 年の差恋愛、最大の修羅場にどうやって立ち向かうのか。 |
お前どんな数奇な運命たどってるんだよ?二人の関係を知っている姉・楓さんも思わず呆れてしまうほどの大問題発生! 楓さんは弟とどんな気持ちでむきあうのでしょうか。 |
初めての×××……?ついに織原さんと「二人きりになれるあの場所」へ。ずっと伝えたかった本当の気持ちを切り出すのは―― |
登録情報
- ASIN : B083YW1PV5
- 出版社 : SBクリエイティブ (2020/2/13)
- 発売日 : 2020/2/13
- 言語 : 日本語
- ファイルサイズ : 10496 KB
- Text-to-Speech(テキスト読み上げ機能) : 有効
- X-Ray : 有効にされていません
- Word Wise : 有効にされていません
- 本の長さ : 227ページ
-
Amazon 売れ筋ランキング:
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- - 409位GA文庫
- - 11,774位ライトノベル (Kindleストア)
- カスタマーレビュー:
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カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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ベスト500レビュアー
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6人のお客様がこれが役に立ったと考えています
役に立った
2020年2月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ラブコメの、特にハーレム系ラブコメともなれば大まかな流れとして「主人公の選択」は最後の最後に持ってくる物というのが相場。様々なヒロインに言い寄られては鈍感力を発揮したり、時に真面目に悩んだりもするけど誰を選ぶかという選択は物語の最後に示される物というのが相場ではある。
……が、リアルな人生というのを考えたら「王子さまとお姫様は結ばれました。めでたしめでたし」で話は終わらない訳で、その「結ばれました」からの方がずっと長い。というか結ばれたからって幸せになるとは限らん訳でそこからの方が紆余曲折ある事の方が多い。
ちょっとばかり真面目な話になったけれども望公太の「年齢差一回りカップル」を描くラブコメシリーズ5巻はそんな「選択の後先」をテーマとしている。前巻で主人公・薫の彼女である姫の姉・妃が再婚のチャンスに恵まれた事が明かされ「三十路の女性に二度目の春が」と幸せなムードを漂わせた上でその相手が薫の父親・茂だったと明かされる急転直下の展開に。
ストーリーの方は序盤からフルスロットルのド修羅場が連続する。妃には付き合っている彼氏を20代のIT企業勤めであると誤魔化していた姫の嘘が再婚相手の家族との顔合わせという場で一瞬にして崩壊。自分の再婚においても問題だけど妃が問題視したのは当然ながら未成年と付き合っているという妹の行状。社会的に見れば一発でアウトであり、自分の再婚だけでなく妹の人生もパーになる交際に「別れなさい」と迫りまくる。しかも薫と姫に言い逃れをする時間を許さないかのように妃のお腹には「薫の弟か妹」がいるというシャレにならない状況に……
序盤で提示される状況に「これもうライトノベルと違うやろ」と苦笑いさせられる。「未成年相手の交際」に「できちゃった婚」って……この超シリアスな問題をどうクリアするかが、社会的にアウトな交際を続けるかどうかが薫と姫の歳の差カップルに突き付けられる。
こう書くと軟弱なライトノベルファンからは「重い!」と敬遠されそうな話ではあるけど、話の方は徹頭徹尾ドタバタ進行。二人揃って「やらかし体質」な織原姉妹がそうすんなりとシリアス展開に持ち込む事を許さない。再婚後は「いいお義母さん」を演じるつもりだった妃は過去の離婚のトラウマが元で何故か息子となる筈の薫の部屋に突撃してしまうわ、姫は姫で「既成事実」を作れば周りから引き離されまいと薫をラブホへ連れ込んでしまうわとそれこそバレれば社会的に一発アウトな大騒動を起こしてしまうのでこの話はどこまで行ってもコメディなのである。
特に妃のやらかしというか大暴走は凄まじい。将来の息子への夜這いだけでなく、妹から「ヤリマン熟女」呼ばわりされるのも致し方なしといった感じで妊娠の方も危険日を承知で茂相手にアプローチを掛けた事が示されたり、まんまとハメられた茂も含めて(茂はハメた方だけど)「ほんと、何やってんだよ……」と三十路カップルには唖然とさせられる。
でも実際には人間なんて三十になろうが四十になろうが案外ドタバタしている物で、やたらと落ち着いて物分かりの良い大人ばかりを描いているライトノベルの方が逆に不自然なのでは、という気すら起きてくる。割とリアルな三十路を描いているという意味でこの巻なかなかに貴重。四十代のオッサンが言うのだから嘘では無いぞ?
そんな「やらかし姉妹」に板挟みにされて振り回される薫だけれども彼が終始冷静であるからこそ話はドタバタしながらも着実に前へと進む……というか薫が冷静でいてくれないと話はまるで進まない。冒頭で薫が父親である茂が営む整骨院を継ぐかどうかを話し合う場面が描かれるのだけど重大な選択を示したつもりの薫に対して茂が返したのは「ふうん、そうか」という気の抜けた物。
人生における選択に「絶対の正解」なんて無い。その選択を正解とするかどうかはその後の己の努力次第である……言われてみれば当たり前の事だけど選択する瞬間には「選べば決まる」と思いがちな物。選んだだけで「めでたし、めでたし」というわけではなく、そこが「始まり」なのである。今回未成年である薫が姫との交際をどうするか、という選択が描かれるのだけどその選択は「終わり」ではなく「はじまり」であり、「今後どうするか」という構想を立てる行動に他ならない。
それはまだ若い薫や姫に限った事ではない。今回妃だけでなく薫の父親である茂の出番が結構多いのだけど、三十代である彼らも「選択」をする。終盤で茂が運転する車の中で妃が浮気の末に離婚に至った元夫に電話を架ける場面があるのだが「お互い、これからも頑張りましょうね」で締め括られる点に象徴される様にまさにこれは「始まり」以外の何物でもない。人生はいつまで経っても選択の連続であるし、それはいつまでも「始まり」が続く事を意味しているのである。
ライトノベルというと「若い人たちの人生を切り取った物」というイメージがあるが、この5巻に限って言えば長い人生の中で無限に訪れる「選択」の意味をテーマとしているという点で「老いも若きも」逃れられない運命を描いていたという印象。
ただ、全体の構成を見ると「高校生パート」の挟み方がちょっと中途半端だったというか……薫の高校では文化祭に向けての準備が始まっている様子が描かれるのだけど、捻くれ者のウラが指宿に文化祭のクラス委員に選ばれたりする今後に繋がりそうな展開が入るけど文化祭その物には辿り着かず宙ぶらりんで終わった感が。巻頭のカラーページに姫のメイド姿が描かれるから文化祭本番まで描かれるかと思わされただけに何となく肩透かしを食らった様な気分になった。
ともあれ想いを明確にした主人公の選択が物語の終わりではなく「始まり」であるというラブコメの「常道」を覆す様な話の構成はなかなかに新鮮であったし。「未成年相手の交際」という危なっかしい行動を取っている主役カップルの選んだ道が地に足の着いた物で読んでいて浮ついた感じがしないのも好ましい。何より三十路キャラをリアルな人間として、等身大レベルで描くというかなり珍しい事をやってのけたのも実に楽しかった。望公太が最近やたらと「年上ヒロイン物」を書いているのは知っているが、取りあえずアレコレ手を出す前に完成度の高い本作を読む事をお勧めできるぐらいには満足の行ったシリーズ第五巻であった。
……が、リアルな人生というのを考えたら「王子さまとお姫様は結ばれました。めでたしめでたし」で話は終わらない訳で、その「結ばれました」からの方がずっと長い。というか結ばれたからって幸せになるとは限らん訳でそこからの方が紆余曲折ある事の方が多い。
ちょっとばかり真面目な話になったけれども望公太の「年齢差一回りカップル」を描くラブコメシリーズ5巻はそんな「選択の後先」をテーマとしている。前巻で主人公・薫の彼女である姫の姉・妃が再婚のチャンスに恵まれた事が明かされ「三十路の女性に二度目の春が」と幸せなムードを漂わせた上でその相手が薫の父親・茂だったと明かされる急転直下の展開に。
ストーリーの方は序盤からフルスロットルのド修羅場が連続する。妃には付き合っている彼氏を20代のIT企業勤めであると誤魔化していた姫の嘘が再婚相手の家族との顔合わせという場で一瞬にして崩壊。自分の再婚においても問題だけど妃が問題視したのは当然ながら未成年と付き合っているという妹の行状。社会的に見れば一発でアウトであり、自分の再婚だけでなく妹の人生もパーになる交際に「別れなさい」と迫りまくる。しかも薫と姫に言い逃れをする時間を許さないかのように妃のお腹には「薫の弟か妹」がいるというシャレにならない状況に……
序盤で提示される状況に「これもうライトノベルと違うやろ」と苦笑いさせられる。「未成年相手の交際」に「できちゃった婚」って……この超シリアスな問題をどうクリアするかが、社会的にアウトな交際を続けるかどうかが薫と姫の歳の差カップルに突き付けられる。
こう書くと軟弱なライトノベルファンからは「重い!」と敬遠されそうな話ではあるけど、話の方は徹頭徹尾ドタバタ進行。二人揃って「やらかし体質」な織原姉妹がそうすんなりとシリアス展開に持ち込む事を許さない。再婚後は「いいお義母さん」を演じるつもりだった妃は過去の離婚のトラウマが元で何故か息子となる筈の薫の部屋に突撃してしまうわ、姫は姫で「既成事実」を作れば周りから引き離されまいと薫をラブホへ連れ込んでしまうわとそれこそバレれば社会的に一発アウトな大騒動を起こしてしまうのでこの話はどこまで行ってもコメディなのである。
特に妃のやらかしというか大暴走は凄まじい。将来の息子への夜這いだけでなく、妹から「ヤリマン熟女」呼ばわりされるのも致し方なしといった感じで妊娠の方も危険日を承知で茂相手にアプローチを掛けた事が示されたり、まんまとハメられた茂も含めて(茂はハメた方だけど)「ほんと、何やってんだよ……」と三十路カップルには唖然とさせられる。
でも実際には人間なんて三十になろうが四十になろうが案外ドタバタしている物で、やたらと落ち着いて物分かりの良い大人ばかりを描いているライトノベルの方が逆に不自然なのでは、という気すら起きてくる。割とリアルな三十路を描いているという意味でこの巻なかなかに貴重。四十代のオッサンが言うのだから嘘では無いぞ?
そんな「やらかし姉妹」に板挟みにされて振り回される薫だけれども彼が終始冷静であるからこそ話はドタバタしながらも着実に前へと進む……というか薫が冷静でいてくれないと話はまるで進まない。冒頭で薫が父親である茂が営む整骨院を継ぐかどうかを話し合う場面が描かれるのだけど重大な選択を示したつもりの薫に対して茂が返したのは「ふうん、そうか」という気の抜けた物。
人生における選択に「絶対の正解」なんて無い。その選択を正解とするかどうかはその後の己の努力次第である……言われてみれば当たり前の事だけど選択する瞬間には「選べば決まる」と思いがちな物。選んだだけで「めでたし、めでたし」というわけではなく、そこが「始まり」なのである。今回未成年である薫が姫との交際をどうするか、という選択が描かれるのだけどその選択は「終わり」ではなく「はじまり」であり、「今後どうするか」という構想を立てる行動に他ならない。
それはまだ若い薫や姫に限った事ではない。今回妃だけでなく薫の父親である茂の出番が結構多いのだけど、三十代である彼らも「選択」をする。終盤で茂が運転する車の中で妃が浮気の末に離婚に至った元夫に電話を架ける場面があるのだが「お互い、これからも頑張りましょうね」で締め括られる点に象徴される様にまさにこれは「始まり」以外の何物でもない。人生はいつまで経っても選択の連続であるし、それはいつまでも「始まり」が続く事を意味しているのである。
ライトノベルというと「若い人たちの人生を切り取った物」というイメージがあるが、この5巻に限って言えば長い人生の中で無限に訪れる「選択」の意味をテーマとしているという点で「老いも若きも」逃れられない運命を描いていたという印象。
ただ、全体の構成を見ると「高校生パート」の挟み方がちょっと中途半端だったというか……薫の高校では文化祭に向けての準備が始まっている様子が描かれるのだけど、捻くれ者のウラが指宿に文化祭のクラス委員に選ばれたりする今後に繋がりそうな展開が入るけど文化祭その物には辿り着かず宙ぶらりんで終わった感が。巻頭のカラーページに姫のメイド姿が描かれるから文化祭本番まで描かれるかと思わされただけに何となく肩透かしを食らった様な気分になった。
ともあれ想いを明確にした主人公の選択が物語の終わりではなく「始まり」であるというラブコメの「常道」を覆す様な話の構成はなかなかに新鮮であったし。「未成年相手の交際」という危なっかしい行動を取っている主役カップルの選んだ道が地に足の着いた物で読んでいて浮ついた感じがしないのも好ましい。何より三十路キャラをリアルな人間として、等身大レベルで描くというかなり珍しい事をやってのけたのも実に楽しかった。望公太が最近やたらと「年上ヒロイン物」を書いているのは知っているが、取りあえずアレコレ手を出す前に完成度の高い本作を読む事をお勧めできるぐらいには満足の行ったシリーズ第五巻であった。