「金メダルは軽い」
この言葉が読んでいる途中頭を過った。
オリンピックなどでメダルを取った選手が、番組に出ると必ず司会者からかけられる言葉がある。
「そのメダルは重いですね」
と。
それを聞くたびに、「そんなこと絶対にないだろう」といつも思っている。
持ったことはないからわからないが、少なくとも片手じゃ持てないなんてことはないだろう。
「メダルが重い」、この言葉を口にしていいのは、その選手、コーチ、関係者、経験者、体験者などの一部の人だけだ。
これは、メダルだけではない。
私たちの日常に潜んでいるんだ、ということを社史編纂室をはじめとした登場人物たちと本作は教えてくれている。
働いて、人の役に立ち、喜んでもらってもらう時給900円と人を不幸にしてまで稼いだ5000万。
どちらが重いのかを、本作を読み終えた後、考えて見てほしい。
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