私はアルピニストの本が好きで、ラインホルト・メスナーにはじまり、山野井泰史、最近では石川直樹などを好んで読んでいます。
彼らは大変ストイックな登攀や冒険を続け、ある意味で特殊なヒーローであるからかも知れませんが、田部井さんの本は全編にわたって山を起点にした人と人のつながりに重きを置いている点が非常に好印象でした。
時代背景も少しはあるかもしれませんが、山に挑む姿勢はそのままに人と人を繋いでいる様子は、彼女ならではのものと感じます。
また中盤から闘病記に移るのかと思いきや、闘病のさなかに山がある、ひょっとすると山のさなかに闘病があるような姿勢も印象的です。
エッセーに近い構成ですが、本書は後々まで残るんじゃないでしょうか。
実はすぐ近所に住んでいたのに、私が山好きになってからプログラムに参加できず知己は得られませんでしたが、本書を読んで大変身近に感じられるようになりました。凄まじい功績を残している偉大なクライマーに対して不躾かもしれませんが。
最後になりますが、心よりご冥福をお祈り申し上げます。
それでもわたしは山に登る (文春文庫) (日本語) 文庫 – 2016/4/8
田部井 淳子
(著)
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本の長さ228ページ
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言語日本語
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出版社文藝春秋
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発売日2016/4/8
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ISBN-10416790599X
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ISBN-13978-4167905996
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商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
がんになんて負けられない! 勇気と希望をくれる一冊
――2012年春、突然のがん告知。抗がん剤治療後、手術。そして点滴の合間に副作用でしびれる足で山に登り、講演や執筆をこなした。生きているかぎり前進あるのみ!
世界初の女性エベレスト登頂から40年を迎えた登山家が、つぶさに振り返る「山とともに歩んだ人生」。
文庫化にあたり、病気後の日々を綴った書き下ろし原稿を特別収録。
――2012年春、突然のがん告知。抗がん剤治療後、手術。そして点滴の合間に副作用でしびれる足で山に登り、講演や執筆をこなした。生きているかぎり前進あるのみ!
世界初の女性エベレスト登頂から40年を迎えた登山家が、つぶさに振り返る「山とともに歩んだ人生」。
文庫化にあたり、病気後の日々を綴った書き下ろし原稿を特別収録。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
田部井/淳子
1939年、福島県三春町生まれ。登山家。女子登攀クラブを設立し、1975年世界最高峰エベレストに女性として世界で初めて登頂。1992年七大陸最高峰登頂者となる。現在まで70か国以上の最高峰に登頂(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
1939年、福島県三春町生まれ。登山家。女子登攀クラブを設立し、1975年世界最高峰エベレストに女性として世界で初めて登頂。1992年七大陸最高峰登頂者となる。現在まで70か国以上の最高峰に登頂(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
登録情報
- 出版社 : 文藝春秋 (2016/4/8)
- 発売日 : 2016/4/8
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 228ページ
- ISBN-10 : 416790599X
- ISBN-13 : 978-4167905996
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Amazon 売れ筋ランキング:
- 330,147位本 (の売れ筋ランキングを見る本)
- - 1,155位登山・ハイキング (本)
- - 4,107位文春文庫
- カスタマーレビュー:
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前半は、昔の思い出話クライマックス集です。
どのエピソードでも死にそうになっているのですが、著者の主眼は危険体験の披露というより、コミュニケーションを取ることの難しさ、責任ある立場で毅然と決断を下すことの重要さ等にあります。素人的には単独行の方が大変だと思っていたのですが、大人数パーティーも大変だという事がよくわかりました。
後半は、闘病しながら登山のお話し。すでにお亡くなりになっていることを知りながら読むので、明るい文章が切なくなります。
惜しい人を亡くしました。
どのエピソードでも死にそうになっているのですが、著者の主眼は危険体験の披露というより、コミュニケーションを取ることの難しさ、責任ある立場で毅然と決断を下すことの重要さ等にあります。素人的には単独行の方が大変だと思っていたのですが、大人数パーティーも大変だという事がよくわかりました。
後半は、闘病しながら登山のお話し。すでにお亡くなりになっていることを知りながら読むので、明るい文章が切なくなります。
惜しい人を亡くしました。