1985年の発売当時から聴き込んでいました。
後で知った事ですが、オリジナルとは異なるジャケット写真。
曲順も、A面とB面(LPならではですね 笑)が逆。
そして「そよ風の贈りもの」というタイトル。
今さらですが、その全てに感謝したいです。
米国仕様の写真が悪いとは全く思いません。
しかしながら、あの、白い水着姿で一身に海辺の陽の光を浴びる彼女の佇まい。
日本語題でなければ表すことが出来ないであろう、アルバムタイトルのピュアなニュアンス。
何より、バラードでもミドルやアップテンポでも、その類い希な歌唱力の随所から放たれる初々しい輝き。
それら全てが、当時、予備知識無しにこのデビューアルバムを聴くことの出来た私たちに対する「贈りもの」だったのだと思います。
日本版の曲順も、アルバム全体の「物語」を際立たせる名演出だったと改めて解釈出来ました。
オリジナルでトリを飾る Hold Me が名曲中の名曲であることに何ら異論はありませんが、How Will I Know で華やかに幕があがり、Saving All My Love For You の渾身の歌唱でクライマックス、そしてアンコールの様に Nobody Loves Me Like You Do というノスタルジックなバラードの余韻に浸るという流れが形創られたからです。
ちなみに、何故 Saving All My Love For You がクライマックスに相応しいと考えるかというと、歌詞の内容はさておき(訳を読まないと英語も解りませんし 笑)、旋律といいアレンジといい、この曲が「そよ風の贈りもの」というタイトルやジャケット写真のイメージを最も良く表現していると思えるからなのですが、いかがでしょうか。
(勿論、タイトル曲は You Give Good Love であり、これまた佳曲ですが)
再聴してのマイベストは All At Once でした。
月並みな感想ですが、過ぎ去った日々への追想を切々と歌い上げるバラードの中に、図らずも彼女自身の人生が投影されていると感じられて、心を鷲づかみにされました。
ジャンルは異なりますが、The Carpenters の I Need to Be in Love にも通じる、心の琴線を震わせる名唱だと思います。
それにしても、アルバムタイトルだけでなく「恋は手さぐり」「すべてをあなたに」という訳には敬服しますね。
「明日に架ける橋」「素顔のままで」「愛はかげろうのように」
洋画などでも言われることですが、優れた日本語題によって作品世界を伝える力は確実に増幅する、そう感じます。
永遠の名盤、改めてお勧めします!
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