私は著者のデビュー当時からの愛読者である。女流執筆家としては稀な程、女性(あるいは女性と男性との関係)に関する"常識"を平然と打ち破って、新しい視点を示してくれる頼りになる存在である。本書でもその"常識"破り振りは健在で楽しめた。下ネタも多いが、これは著者の生真面目な性格の反映なのだと思う。文体も個人的興味もデビュー当時から(敢えて)変えていない点も好感が持てる。
本書の中では、特に"すっぴん(化粧)"と"小悪魔"に関する考察が面白かった。女性にとっては励ましになるし、私の様な男性にとっては教訓になる。しかし、上述の通り、文体は変っていないのだが、かつての勢いが何故か感じられないのである。著者の言によると、「ツ、イ、ラ、ク」の様な小説は初老にならないと書けない由だが、エッセイはそんな事はない筈だが......。少し気掛かりである。
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すっぴんは事件か? (ちくま文庫) 文庫 – 2012/9/10
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- 本の長さ203ページ
- 言語日本語
- 出版社筑摩書房
- 発売日2012/9/10
- 寸法10.8 x 0.8 x 15.2 cm
- ISBN-104480429689
- ISBN-13978-4480429681
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商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
「すっぴん」を重視しすぎでは?小悪魔って本当はどんな女?女性用エロ本と男性用エロ本の大きな差は?飲食店ではジャズさえ流しておけばいいの?ファンデが肌を汚く見せてませんか?―ついつい流してしまいがちな、世間にはびこる“常識”。そこに「ちょっと待った」をかける仕分けエッセイ。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
姫野/カオルコ
1958年滋賀県生まれ。小説家。姫野嘉兵衛(ひめの・かおるこ)という別表記も有り。1990年に単行本『ひと呼んでミツコ』でデビュー。1997年『受難』が第117回直木賞候補、2002年『よるねこ』収録の「探偵物語」が日本推理作家協会の『ザ・ベストミステリーズ』、2004年『ツ、イ、ラ、ク』が第130回直木賞候補、2006年『ハルカ・エイティ』が第134回直木賞候補、2010年『リアル・シンデレラ』が第143回直木賞候補になったほか、小説作品、エッセイも多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
1958年滋賀県生まれ。小説家。姫野嘉兵衛(ひめの・かおるこ)という別表記も有り。1990年に単行本『ひと呼んでミツコ』でデビュー。1997年『受難』が第117回直木賞候補、2002年『よるねこ』収録の「探偵物語」が日本推理作家協会の『ザ・ベストミステリーズ』、2004年『ツ、イ、ラ、ク』が第130回直木賞候補、2006年『ハルカ・エイティ』が第134回直木賞候補、2010年『リアル・シンデレラ』が第143回直木賞候補になったほか、小説作品、エッセイも多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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登録情報
- 出版社 : 筑摩書房 (2012/9/10)
- 発売日 : 2012/9/10
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 203ページ
- ISBN-10 : 4480429689
- ISBN-13 : 978-4480429681
- 寸法 : 10.8 x 0.8 x 15.2 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 769,295位本 (の売れ筋ランキングを見る本)
- - 2,768位ちくま文庫
- - 22,918位エッセー・随筆 (本)
- カスタマーレビュー:
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著者について
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姫野/カオルコ
姫野嘉兵衛。1958年滋賀県出身。97年『受難』(文春文庫)が第一一七回直木賞候補、04年『ツ、イ、ラ、ク』(角川文庫)が第一三〇回直木賞候補、06年『ハルカ・エイティ』(文春文庫)が第一三四回直木賞候補、10年『リアル・シンデレラ』(光文社文庫)が第一四三回直木賞候補になった(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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カスタマーレビュー
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3人のお客様がこれが役に立ったと考えています
役に立った
2009年1月29日に日本でレビュー済み
姫野ファンにはおなじみの、
独特かつ深い考察が満載で、笑いながら面白く読みました。
「男らしい」「女らしい」の認識統一の要請は、まさに彼女の面目躍如。
ポジティブシンキングを心がけた途端に
恐ろしいほどにナンパされまくったエピソードや
『ツ、イ、ラ、ク』執筆中に、自分の中ですべてのキャラクターが
渦巻いてしまったあげく、高揚のあまり
その過剰なエネルギーを収めるべく
家のテレビを壊した話など、
笑いなしには読めません。
ご本人のサイトで最近ご病気されていることを知りましたが、
一冊でも多く本を出してほしい作家さんなので
これからもずっと応援してます。
独特かつ深い考察が満載で、笑いながら面白く読みました。
「男らしい」「女らしい」の認識統一の要請は、まさに彼女の面目躍如。
ポジティブシンキングを心がけた途端に
恐ろしいほどにナンパされまくったエピソードや
『ツ、イ、ラ、ク』執筆中に、自分の中ですべてのキャラクターが
渦巻いてしまったあげく、高揚のあまり
その過剰なエネルギーを収めるべく
家のテレビを壊した話など、
笑いなしには読めません。
ご本人のサイトで最近ご病気されていることを知りましたが、
一冊でも多く本を出してほしい作家さんなので
これからもずっと応援してます。
2008年12月20日に日本でレビュー済み
WEBちくまに連載されていた人気エッセイをまとめた本です。
僕が「だから、姫野カオルコのエッセイは面白い」とつねづね思っている特徴=ニュートラルな視点で物事を見つめ、自分で判断を下してみる。は、この一冊でも健在です。
愉快に読み終えました。
特に、僕が面白く感じたのは、第1章「いつも危険日」”男と女のウソ ホント”の第三段「エロ本の男女差」です。
これは、例えばサラリーマンのおじさんが、満員電車やエレベーターの中で、ぼぉっとしながら「あぁ、こんなのウハウハだなぁ。」と夢想する事と、それを女性に置き換えたときの男女差を考察したものですが、そこから、男女の社会的立場の差を導き出す著者の鋭い洞察力に膝を打ちました。
恋愛にも応用できそうですし、職場や家庭でも(男女の傾向から応用して)求められて応じるのを好む人と、同意の上それぞれ主体的に取り組むのを好む人とがいることを知っておくと役に立つかも。と思いました。
エロ本からこんな考察が出来るとは、目から鱗が落ちました。
僕が「だから、姫野カオルコのエッセイは面白い」とつねづね思っている特徴=ニュートラルな視点で物事を見つめ、自分で判断を下してみる。は、この一冊でも健在です。
愉快に読み終えました。
特に、僕が面白く感じたのは、第1章「いつも危険日」”男と女のウソ ホント”の第三段「エロ本の男女差」です。
これは、例えばサラリーマンのおじさんが、満員電車やエレベーターの中で、ぼぉっとしながら「あぁ、こんなのウハウハだなぁ。」と夢想する事と、それを女性に置き換えたときの男女差を考察したものですが、そこから、男女の社会的立場の差を導き出す著者の鋭い洞察力に膝を打ちました。
恋愛にも応用できそうですし、職場や家庭でも(男女の傾向から応用して)求められて応じるのを好む人と、同意の上それぞれ主体的に取り組むのを好む人とがいることを知っておくと役に立つかも。と思いました。
エロ本からこんな考察が出来るとは、目から鱗が落ちました。
2009年11月9日に日本でレビュー済み
本書は世の中において「そういうことになっていること」に疑問を呈し、論理的に分析、調査しようというモノ。例えば、「失恋は女の方が立ち直りが早い」とか、とか、「恋をするとキレイになる」とか、巷でお馴染みの噂が取り上げられています。
口調はやや雑な感じで、下ネタも結構あります。さるきち的には、エッセイよりも小説の方が好きかなあ。
口調はやや雑な感じで、下ネタも結構あります。さるきち的には、エッセイよりも小説の方が好きかなあ。
2009年2月17日に日本でレビュー済み
少数派、マイノリティ代表?の姫野カオル子さん。
自分も少数派なんだな…と、気づかせてくれる部分や、分かるけど
ちょっと違うかも…と、思う部分と。
面白い文体なんだが、何ゆえ、マイノリティの意見、ちょっと読んでて疲れる
ところもある。
「夢はゴンドラに乗って」はとても素直な小学生の作文で良いと私も思った。
姫野氏の言う、F2層であるが。私もこれを採用したであろう。
しかし、教師がM2?層だったために、姫野氏の人生が大きく変わってしまった?
というのも興味深い。(そしたらもっと売れる作家になったのにね、笑)
あと、文庫本化を先にして、単行本を後にするという発想には私も賛成である!
自分も少数派なんだな…と、気づかせてくれる部分や、分かるけど
ちょっと違うかも…と、思う部分と。
面白い文体なんだが、何ゆえ、マイノリティの意見、ちょっと読んでて疲れる
ところもある。
「夢はゴンドラに乗って」はとても素直な小学生の作文で良いと私も思った。
姫野氏の言う、F2層であるが。私もこれを採用したであろう。
しかし、教師がM2?層だったために、姫野氏の人生が大きく変わってしまった?
というのも興味深い。(そしたらもっと売れる作家になったのにね、笑)
あと、文庫本化を先にして、単行本を後にするという発想には私も賛成である!