「言葉」と言わないで「言の葉」と言うだけで「美しい」ことばになるように思います。
この世の中にはさまざまな「言葉」が氾濫していますが、本書に集められた「言の葉」はどれも、心がこもり、愛のあふれる花園のような気がしてきます。女人のこころの深さ、優しさ、豊かさが結集されています。ここにさまようだけで、十分満ち足りた気になります。ただ、自らのあり方を引き締めてかからなければ、という自戒の念も大切でしょうが…
【花】の章から
「夏の思い出」の作詞で知られる江間章子…花にも花のかなしみが、だれも知ることができない苦しみが…
俳人鈴木真砂女の俳句に…夏帯や一途といふは美しく 羅(うすもの)や人悲します恋をして
清貧の作家吉野せい…誰にも気づかれなくともひっそりと、然も見事ないのちを生み出しているようなことを、私たちも何かで仕遂げることが出来たら…
【鳥】の章から
随筆家白洲正子…「人間」に年などありません。若くとも一所にじっとしているならば、それは既に老いたのです。
女優松井須磨子…私はただ私として生きて行きたいと思うのです。
作家吉屋信子…不幸は突然くるかも知れぬが、幸福は突然はやって来ない。
【風】の章から
翻訳家朝吹登永子…せっかくこの世に生きてきたのだから、感動なしに生きていてはもったいない。
詩人茨木のり子…どうして言葉たり得よう、他のものをじっと受けとめる力がなければ…
【月】の章から
作家芝木好子…言葉を正しくいうことは難しいが、これを感じよく、きれいにいうことはもっと難しい。
薄命の作家樋口一葉…分けのぼる道はよしかはるとも、終(つひ)には我も人もひとしかるべし。
限りなく多くの「美しい言の葉」が散りばめられていて、今日ここに生きている【しあわせ】を感じさせられる一書です。
〈蛇足〉ものを書く人は、みな骨身を削って書いているように思います。それに対して〈五段階評価〉などするのは、不遜な気がします。よって私のレビューは評価を放棄(棄権)して、ほとんどすべて「5」にすることを信条としております。作者・出版社への阿りではありません。それが人の倫にかなう読者のあり方だと密かに信じております。
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