昨今書店の平台に並ぶ書籍の1部にはある傾向があって、タイトルに「ざんねんな…」と言った類のものを屡々見掛ける。アマゾンの検索で「ざんねんな」で検索すれば、様々な分野の書籍がヒットすることからも頷ける。1種の書籍タイトルの流行・トレンドなのだろう。率直に言えばタイトルに言う「ざんねん」と言うネガティブな印象と、その趣旨・内容に整合性が取れていれば良く、別段に「ざんねんな…」タイトル自体は否定しないが、マーケティング上はアイソレーション効果も考慮した方が良いと思う。閑話休題…本書著者には「世界兵器史研究会」とあって当該団体?の紹介はないが、巻末に個人名が併記されているので匿名と言うわけではないだろう。趣旨は「商品の説明」にある通り、「人類発展の裏で繰り返された悲劇的な戦争…の裏で試行錯誤された結果、現代の兵器がある…技術は進化の過程を経て達成するが、その過程にはトンデモないユニークな発想から生まれたもの…この今ではバカバカしいと思われる兵器類を発掘し、イラストを添えて紹介する… なんで提案されたのかわからない、なんで採用されたのかもわからない、69種の珍兵器びっくりエピソード集」と言って良い。
それらは“ネガティブ”な意義として概ね不採用・計画中止となった点では「ざんねんな」モノで、イラストと共に趣旨・構造的説明及び中止・不採用等の理由がテキスト解説されている。概ね1トピック当たり見開き2頁構成、「はじめに」及び「おわりに」等を除き①発射兵器、②移動兵器、③陸の兵器、④海の兵器、⑤空の兵器、⑥いきもの兵器、以上の6章からなる。B6判・ソフトカバー、本文約120頁・フルカラー、本文厚手用紙などである。“オール漢字ルビ打ち”であることから推して、対象は小学生高学年以上と推察される。戦闘兵器等を主体とするがイデオロギー的論旨にはなく、全てイラストであり写真はなくかつ当該イラスト(トピック)のコメントが揶揄的なところもある。但し“戦闘兵器”と言う趣旨を重視するならば、小学生以下の読書の適否については個々(親権者など)の判断に任せたい。各トピックは主としてWWⅠ~Ⅱ時代を中心とした『ざんねんな兵器』、即ち計画中止・実戦不採用(失敗)となったモノである。以下、個人的に面白かったモノを幾つか紹介したい。
先ずは「ヘルメット銃」(14~5頁)、「撃つ前に首をきたえないと気絶します」が計画倒れになった理由を物語っていて笑える。日本開発のWWⅡで実戦採用された著名な「風船爆弾」(26~7頁)があるが、これは偏西風を利用したもので論理的であり低コスト、本書でも「9000発が放たれ…1000発ほどがアメリカに届いた」としている。「クルムラウフ(曲射銃)」(28頁)は銃身前方が曲がっていることから、精度や銃身の無理が素人でも判りそうだが、論脈からすると実戦採用された?ようにも思える。「コリアテ」(42~3頁)は「ドイツが開発したリモコン爆弾」とあるが、似たようなモノに近年アメリカがイラク紛争か対IS作戦辺り?で使用した(市街ゲリラ戦用の)無線リモコン式の偵察車(射撃車)を観たような記憶がある。これは色々“アブナイ!”と言えるのが「TV-1」(54~5頁)、何しろ“原子力空母”ならぬ“原子力戦車”である。砲撃を受けたら搭載原子炉も破壊されるから、説明の必要はないだろう。このほか日本開発の「伊400型潜水艦」(72~3頁)は3隻建造も終戦、「ヴォイテク伍長」(118~9頁)は、実戦で活躍したとされる「ヒグマ」も取り上げている。大人が読んでも面白いが、できれば情報の出典の明示もあるとより客観性も増すだろう。
ざんねんな兵器図鑑 (日本語) 単行本 – 2019/11/25
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商品の説明
内容紹介
えっ!? 電子レンジの元祖は日本製の怪力光線だった!?
人類発展の裏で繰り返された悲劇的な戦争。その裏で試行錯誤された結果、現代の兵器がある。戦車も最初はただのキャタピラの塊、戦闘機もプロペラ機にピストルであった。技術は進化の過程を経て達成するが、その過程にはトンデモないユニークな発想から生まれたものもある。本書はこの今ではバカバカしいと思われる兵器類を発掘し、イラストを添えて紹介する。
内容(「BOOK」データベースより)
武器の搭載が間に合わず絵でごまかした戦車、海水さえあれば修理可能な氷山“製”空母、発砲したら敵ではなく自分が気絶するヘルメット銃―なんで提案されたのかわからない、なんで採用されたのかもわからない、69種の珍兵器びっくりエピソード集!
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