最新の調査によると、全国の中小企業の8割が、価格を競争力の源泉とする経営、つまり“価格"の安さを売りものにした経営をしています。いま、そうした行き過ぎた価格競争が日本社会に歪みを生み、そこに関わる人々を苦しめ、その将来に暗い影を落としています。
本書では、価格の安さではなく、他社にない価格以外の付加価値を競争力の源泉とする「非価格経営」を実践する中小企業21社を厳選、その独自性と実現までの過程を徹底取材。従業員、取引先、顧客、地域社会、株主・投資家という企業に関わるすべての“幸せ"を実現する経営のあり方、やり方を解説します。
「安さが誰かの犠牲・我慢の上にかろうじて成立しているであれば、その値決めは健全・適当ではなく、長く顧客に支持されることはありません。価格とは、企業経営の命であり良心なのです」とは、著者の坂本光司・法政大学大学院教授。7500社以上の企業を訪問調査してきた著者による、非価格経営実現のための提言は、価格競争に苦しむ多くの中小企業の経営者の指針となるでしょう。
本書は刊行に先立ち、法政大学大学院坂本光司研究室、富国生命グループのフコクしんらい生命の両者によって「中小企業の非価格経営に関する調査研究委員会」を設置し、全国の中小企業を対象に「非価格経営に関する実態調査」を実施。1年間に及ぶ共同研究を基礎資料としています。
著者について
1947年、静岡県焼津市(旧大井川町)生まれ。法政大学経営学部卒業。浜松大学教授、静岡文化芸術大学教授などを経て現職。徹底的な現場派で週平均2日は研究室を飛び出し、年間約200社を訪問。これまでに訪問調査・アドバイスをした企業は7500社以上。専門は「中小企業経営論」「地域経済論」「福祉産業論」。 法政大学大学院政策創造研究科教授、法政大学大学院静岡サテライトキャンパス長、人を大切にする経営学会会長、「日本でいちばん大切にしたい会社大賞」審査委員長、NPO法人オールしずおかベストコミュニティ理事長
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
坂本/光司
法政大学大学院政策創造研究科教授。法政大学中小企業研究所所長。人を大切にする経営学会会長。「日本でいちばん大切にしたい会社大賞」審査委員長他公職多数。1947年、静岡県焼津市(旧大井川町)生まれ。浜松大学教授、静岡文化芸術大学教授などを経て現職。専門は「中小企業経営論」「地域経済論」「福祉産業論」(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)