庵野秀明には鈴木敏夫的な存在がおらず、独善的に作品作りをしてるのが宜しくないとか言ってるコメントがトップに来てるけど……
まあ確かに対等以上の立場のコントロール役が付いてたとしたら、より多数が幸せな気持ちを抱ける作品にはなるのかもしれない。多分庵野氏自身がそんなことは百も承知でしょう。
でも、そんなもんはエヴァでも何でもないわけで。少なくとも自分は確実にそっちの方をつまらないと感じると思う。それは何も、観る側として感性が優れてるとか尖ってるとかの話でなく、エヴァンゲリオンだけは庵野秀明という奇人が作家性むき出しで独善的に作る、一種のマスターベーション作品であってほしいわけなんですよ。もちろん庵野氏なりに客に伝わるようにとか苦悩してやってるんだろうし、他者の意見も聞きはするが、最後は自分本位に決断、自分優先で完結させる。
エヴァがそういうものだってことは、国内最高峰のスタッフの方たちも、振り回されながらも結局は嬉しそうに最高の仕事をこなしてる姿からも明らかなわけで。
本人の奇人ぶりもさることながら、それを見れたことにこのドキュメンタリーの価値はあったかなと。本人が自分でなくスタッフを映せとさかんに言ってたのも頷ける。
なお自分は庵野信者とかではないですよ。
作品名はあげないけど、実写作品は結構な駄作率だと思ってるし、エヴァでも序や破はそこまで好きじゃない。
余談ながら、シンエヴァ本編のラストシーンも、このドキュメンタリーのラストも、奥様への愛情が溢れ出ておりましたね。
そこに着地できて良かったなぁと素直に思います。