11年8月に計3万8,934人の中から33名が選ばれ、『AKB48の公式ライバル』という趣で結成された女性アイドルグループ
グループ名の『乃木坂』は最終選考が行われたSME乃木坂ビルからもじって名付けられた
フランスの女学校風のクラシカルな紫色の制服がトレードマークで、専用劇場や総選挙、移籍が無いなど、AKBとは幾つか差別化が計られている。“ライバル”であるため、楽曲はある1曲以外は完全オリジナルとなっており、AKBの公演にも参加しない
本作は結成から半年という早さで発表された1stシングル
《収録曲》
①ぐるぐるカーテン
②左胸の勇気
③乃木坂の詩(タイプA)
③会いたかったかもしれない(タイプB)
③失いたくないから(タイプC)
③白い雲にのって(通常盤)
④⑤⑥は各インスト
記念すべきデビュー曲の①は、教室で女子同士がたむろするカーテンの内側という“男子禁制の女子の園”のことを甘酸っぱく歌った華美な曲
フレンチポップ調にアレンジされており、歌はそれを汲みつつ、爽やかで懐かしさもするJ‐POP王道のキャッチーな旋律を聴かせている
②もサビから始まる明るくも切ないミドルテンポの曲
どこかで聴いたことあるような懐かしい香りのする王道のJ‐POP
間奏ではグループ名をコールするのがお約束でライブでも欠かせない曲
③「乃木坂の詩」は題名通り、まさに乃木坂46のアンセムでライブでは必ず最後に歌われる代表曲
爽やかでスケールの大きい曲調と、力強くシンプルに“WOW WOW~”と歌われるサビが大合唱を誘い、一体感を生み出す
③「会いたかったかもしれない」はなんとあのAKBの代表曲「会いたかった」のオマージュ?カバー?
歌詞、振り付け、曲の構成、PVのロケ地は原曲と全て同じながら、原曲のメジャー調からマイナー調に変え、キーも低く、バンドサウンドをより映えさせたアレンジが為され、単なるネタではなく、原曲とはまた違ったクールでロック色のある曲に仕上がっている
“好きならば好きだと言おう”の部分(ここがCメロなのかサビなのか未だにどっちかは分からないw)は逆により爽やかになっているのもまた良い
初めて聴いた時はまさに衝撃的で、曲は大体同じなのにこれほど雰囲気が変わるのかと、逆に新鮮だった
原曲が好きじゃない人も一聴の価値あり
ちなみにPVには前田敦子が一瞬だけ映っている
③「失いたくないから」は本作の6曲中、一番切なく明るくもノスタルジーを感じさせるミディアムバラード
シンセや鍵盤が効いており、歌メロの良さを更に引き立てる
Bメロでちょっとマイナーになる更なる切ない展開が、日本人のツボを突くというか、分かってるなという感じ
③「白い雲にのって」は80年代~90年代前半頃の柔らかい空気感がある爽やかなポップナンバー
素朴で安らかな雰囲気が落ち着く
サビの簡単な振り付けも印象的
乃木坂46は他のアイドルのみならず、J‐POP界において、今の流行りというより、ちょっと懐かしさも感じさせる、私みたいな懐古主義の日本人(というよりオッサン?)の琴線に触れるような普遍的かつ郷愁的な雰囲気が全面に溢れた楽曲やメンバーの清純派(正統派)な雰囲気が特徴的で魅力的だと私は思う
振り付けやダンスは比較的シンプルで簡単なものが多いが、印象的なものが多く、より曲の色彩を豊かにするなど、乃木坂の雰囲気に合っている
楽曲はこの1stから素晴らしく、どれもがライブ定番の代表曲揃いでA面に相応しい
歌唱力が未熟なのは確かだが、逆にその分、珠玉のメロディを丁寧になぞるように歌い、そしてこのストレートな歌声と合唱だからこそ、ここまでの甘酸っぱい感、無邪気で純粋で切ないノスタルジー性が押し出されているのだと思う
特典DVDには楽曲PVの他に各メンバー主演のショートムービー集を収録
乃木坂46のテーマの1つに『文化的であること』が挙げられる。
この短編オムニバス映像集はダンスあり、ドラマやドキュメンタリー仕立てあり、何だがよく分からない難しいやつもあり…など、1人につき1~2人のクリエイター達を起用し、各メンバーをプロデュースさせている
個人的には斎藤優里のマジック46連発が良かった
生駒里奈は堤幸彦が監督
メンバーや乃木坂のことを詳しく知りたい方は必見の最近のシングルまで続いているシリーズ企画