思わず一巻完結かと勘違いしてしまった。それほどの完成度だ。
主人公、岡部花子をはじめキャラクターがみなゴトウ作品(特に『R-中学生』や『ウシハル』)ならではの
クルクル変わる表情、そして動きをこれでもかと見せてくれ、それだけでも自然とこちらも笑顔になる。
白桃や社畜の直球ネタは思わず吹き出してしまったし、お父さんの最期、ほろりとしたのもつかの間
しゃべりすぎだろとこちらがつっこみを入れたくなるタイミングで、アキの台詞がでてくる間のよさ。
絵も言葉もタイミングも読者がどう読むかを十二分にわかったうえで見せてくるのでもう、ゴトウさんの掌のうえ。
物語中盤以降、愚直なほど純真、一直線な花子に少しずつ違和感、あるいは苛立ちをこちらが覚え始めたころに
ちょうど重なるアイドルオーディションでの当たり前すぎるあの台詞。どうしてもあそこは面接官側に感情移入してしまう。
父親との約束を果たす以上に、そもそもアイドルになるとは何か「ちょっとだけわかった気がする」花子がどう突き進むのか、
アキや圭、ひと癖もふた癖もある住人達の過去に何があり、そして夢はどうなるのか、本巻ラストのような綺麗事だけでは
きっと収まらないであろう今後の展開が楽しみだ。
- コミック: 192ページ
- 出版社: 講談社 (2016/5/6)
- 言語: 日本語
- ISBN-10: 406382778X
- ISBN-13: 978-4063827781
- 発売日: 2016/5/6
- 商品パッケージの寸法: 18 x 12.8 x 2.2 cm
- おすすめ度: 3件のカスタマーレビュー
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