税理士をしています。
物事を理解するときに、お金の流れを理解すると納得することが多い。
貨幣経済である限り、お金・経済・財政は、国家・権力・勢力・時代を形作るそのすべてといっても過言ではないと思うのです。
貨幣経済をいち早く確立した中国から始まり、世界を席巻したイスラム世界(イスラム商人)、モンゴル帝国へ移り、大航海時代から始まる欧米諸国が中心となる現代に至るまで、その流れを裏付けるものとしてのお金がどのように作用したのか、どのように動機づけたのか、国家の力を支える税システムはどうであったのか、を解説しています。
お金の流れを見ると、世界の歴史がよく分かります。
すべては偶然ではないのです。必然なのです。
また、世界のお金の流れを見てゆくなかにおいて、お金を”処世のための合理的な道具”とし、国を持たない民族であるユダヤ民族の動向は最も重要です。
学校の教科書には、国や勢力が羅列され、栄枯盛衰がひたすら記されていると思うのですが、国を持たないユダヤ民族が何を思い、時代時代に応じて様々な国を渡り歩き(あるいは多くの国に分布して連携し)、世界のお金に携わってきたのかは、決して描かれてはいません。
特に大航海時代から始まる欧米諸国の世界進出(大航海時代、植民地主義、帝国主義)、欧州内での戦争には、国々の裏には必ずユダヤ民族の存在があります。
覇権は、ポルトガル・スペイン→オランダ→イギリス→アメリカ、と移っていきますが、彼らとそのお金も同じく憑依する動きを見せているのです。
世界の情勢を見てゆくためには決して欠かせない視点であり、現在のニュースや時代の流れを読み解くためにも有用な視点であり、今を生きる僕たちは必ず目を通した方がよい書籍だと思います。
しかしながら、特に帝国主義時代のイギリスやアメリカの悪辣さには辟易します。。
しかしそれが現実であり、決して昔の話ではないのです。
ひとつの国のなかの反目を煽り、争いや対立のために必要なものを甘い言葉で用立てし、混乱に乗じてすべてを収奪する。今は昔でそんなことはもうあるはずがない!とも言えないと思うのです。
著者は最後に、「現代は「フランス革命前夜」に酷似している」と銘打ち、貧富の差の拡大を危惧しています。
この書籍、今を生きる我々にこそ必要な視点が詰まっています。
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