収録中、一番長い表題作は救いがあったけど、他はかなり悲惨な結末で、気持ちが落ち込みます。
それでも、自分は定住民なんだなあと感じさせてくれる感覚は新鮮で、引き込まれました。
表題作の、舟を足のように操って生き延びていく人生に代表される、多様な民俗、多様な生き方、価値観の中で道を開拓していくという感覚は日本に住む日本人の感覚とは違う物だと思います。それを、日本人の手になる日本語で読めるのは希有でありがたいことです。
うつろ舟―ブラジル日本人作家・松井太郎小説選 (日本語) 単行本(ソフトカバー) – 2010/8/13
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本の長さ328ページ
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言語日本語
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出版社松籟社
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発売日2010/8/13
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ISBN-104879842850
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ISBN-13978-4879842855
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商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
若き日にブラジルに渡り、かの地で生き抜き、言語的孤立のなかで日本語で書き続けてきた孤高の作家・松井太郎。その代表的作品を編んだ待望の作品集。大河が流れるブラジル奥地を舞台に、日系移民二世の力強い生を通して、日本人が「日本人」でなくなる臨界点を描いた表題作のほか、4つの短編を収録。
著者について
松井 太郎(マツイ タロウ)
父貞蔵、母きよを両親として、1917年神戸市に生まれる。日本の国籍は今も保持。
1936年、父の失業を機に、一家でブラジルに渡った。サンパウロ州奥地で農業に従事。一家は4年後には25ヘクタールの小地主(ミニフンジオ)となった。
第二次世界大戦、またその後のコロニア社会の動揺を大過なく切り抜ける。
意見が合わなくなった父に勘当され、妻・子どもを連れて新しい生活を始める。過労がたたって病を得たが、気候のよいモジ・ダス・クルーゼス市の郊外に移り、病気から回復。妻と息子の働きもあり、安定した生活ができるようになった。後日、息子がサンパウロ市に移り、スーパーマーケットを出したのを機に隠居。
生来、文芸に親しんできたが、隠居後に創作活動を開始。年1作ぐらいの割で創作し、コロニアの新聞・同人誌に投稿を重ねてきた。
現在もサンパウロ市に在住、なお創作活動を続けている。
父貞蔵、母きよを両親として、1917年神戸市に生まれる。日本の国籍は今も保持。
1936年、父の失業を機に、一家でブラジルに渡った。サンパウロ州奥地で農業に従事。一家は4年後には25ヘクタールの小地主(ミニフンジオ)となった。
第二次世界大戦、またその後のコロニア社会の動揺を大過なく切り抜ける。
意見が合わなくなった父に勘当され、妻・子どもを連れて新しい生活を始める。過労がたたって病を得たが、気候のよいモジ・ダス・クルーゼス市の郊外に移り、病気から回復。妻と息子の働きもあり、安定した生活ができるようになった。後日、息子がサンパウロ市に移り、スーパーマーケットを出したのを機に隠居。
生来、文芸に親しんできたが、隠居後に創作活動を開始。年1作ぐらいの割で創作し、コロニアの新聞・同人誌に投稿を重ねてきた。
現在もサンパウロ市に在住、なお創作活動を続けている。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
松井/太郎
1917年神戸市生まれ。19歳の時、一家でブラジルに渡り、サンパウロ州奥地で農業に従事。ブラジルの手強い大地と気候に、数十年間対峙してきた。還暦を迎え隠居するにあたり、小説の執筆を開始。現在までに中短編20作品超を執筆。90歳を越えた現在も、創作活動を続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
1917年神戸市生まれ。19歳の時、一家でブラジルに渡り、サンパウロ州奥地で農業に従事。ブラジルの手強い大地と気候に、数十年間対峙してきた。還暦を迎え隠居するにあたり、小説の執筆を開始。現在までに中短編20作品超を執筆。90歳を越えた現在も、創作活動を続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
登録情報
- 出版社 : 松籟社 (2010/8/13)
- 発売日 : 2010/8/13
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 328ページ
- ISBN-10 : 4879842850
- ISBN-13 : 978-4879842855
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Amazon 売れ筋ランキング:
- 243,409位本 (の売れ筋ランキングを見る本)
- - 7,699位日本文学
- カスタマーレビュー:
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カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2010年10月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ブラジル人社会の中で生きた経験のある者にとっては、サビ抜き御寿司の味わい。旨みはあるが、日本民族に対するブラジル人の民族感情というスパイスが希薄。ブラジルポルトガル語に習熟しなくても日本語だけで生活できる閉鎖世界、コロニアに生きて、ブラジル社会への同化を拒んだ者(著者)が描いた擬似同化主人公達の物語。ジャポネス・ガランチード世代ではなく、カラ・ド・ ジャポネス(日本人面)と呼ばれる世代の人生で、有ったかも知れないエピソードの数々は、コロニアの中だけで共感されるであろう虚構である。
2010年9月25日に日本でレビュー済み
ブラジル移民一世である筆者による短編集。
不思議な雰囲気があります。
日本人が描いたブラジルというと、自分はいわゆる訪問者による著作しか読んだことがありませんでした。
本書は、ブラジルの地に土着した日本人による文学です。
描かれているのは、よそ者としてではなく、当事者としてブラジル社会に関わる人間の視点です。
しかし、それはどこまでも日本的で、仮に背景や前提抜きで物語だけ辿れば、日本のどこぞの農村で繰り広げられる人間模様と大して変わらない内容です。
しかし、読んでいて感じるのは確実にブラジルです。
これは、移民一世である者にしか描けない文学なのでしょう。
しかし本書の真骨頂は、そういった前提抜きで、単純に物語として面白いということです。
このレビューに触れた人は、それだけで相当な文学マニアだと思います。
小難しい理屈抜きで、とりあえず読んでみてください。
面白いです。それだけです。
不思議な雰囲気があります。
日本人が描いたブラジルというと、自分はいわゆる訪問者による著作しか読んだことがありませんでした。
本書は、ブラジルの地に土着した日本人による文学です。
描かれているのは、よそ者としてではなく、当事者としてブラジル社会に関わる人間の視点です。
しかし、それはどこまでも日本的で、仮に背景や前提抜きで物語だけ辿れば、日本のどこぞの農村で繰り広げられる人間模様と大して変わらない内容です。
しかし、読んでいて感じるのは確実にブラジルです。
これは、移民一世である者にしか描けない文学なのでしょう。
しかし本書の真骨頂は、そういった前提抜きで、単純に物語として面白いということです。
このレビューに触れた人は、それだけで相当な文学マニアだと思います。
小難しい理屈抜きで、とりあえず読んでみてください。
面白いです。それだけです。