保険の営業をしている人が読むにはいい本。★4
保険の素人が読むには少し怖い本。★2
総じて、★3
基本的に、こういう保険や保険会社を斬るような本は書きやすいし、受け入れられやすいです。
それ自体は事実に基づいていれば、何ら問題はないと思うし、事実に基づいて批判されたとしたら、保険会社は反省・改善すべきだと思います。
しかし、著者の主張を裏付けたいのか、この本の中では誤解を招くような数字のすり替えがいくつか行われており、保険に詳しくない人が鵜呑みにするのは危険だと感じます。
たとえば、
「保険料負担>受給」
という表記があり、お客さんの保険料負担の中には保険会社の経費も含まれるため、保険会社の支払う保険金よりも保険料負担のほうが大きくなるとあります。
これは、全てのお客さんが払う保険料合計と、保険会社が支払った保険金合計について考えれば事実です。
しかし、その後
保険会社が保険料から抜く経費が3割だとすると、お客さんは7000円の給付を受け取るために10000円払っていることになります。
という趣旨の文がありますが、これはちょっと数字の見せ方に悪意があるのでは?と勘ぐってしまいます。
たしかに、全体の平均をとればそれで正しいのですが、1個人で考えた場合、7000円を受け取るために10000を払っているわけではありません。
実際には、100円払ったのに健康で何ももらえなかった99人の人と、100円しか払ってないのに入院して7000円もらえた1人の人がいて、合計すると、保険会社は10000円受け取ったのに7000円しか払ってないという話です。(実際の平均入院日数はもっと長いので、100円では済みません。現実的には千数百円だと思います。もちろん受け取る金額も日数分ですので、7000円ではありません。)
そもそも、保険は得するために入るものではありません。ほぼ99.9%、保険料を支払うだけで何も起こりません。つまり、損します。でも、0.1%の確率で運悪く大打撃を受けることがあります。保険に入っていれば、それが補填されます。
保険の営業の仕事は、お客さんにお得な商品を紹介することではありません。損失補填のためには、毎月お金を捨てなければいけないということに納得してもらうことです。
でもそれではなかなか売れないし、お客さんも少しでもトクしたいと思っているから、保険営業の人は少しでもおトクに見えるものを探して上手にセールスするわけですが、そういう営業に警笛を鳴らす意味では良い本でした。
しかし、だからといってこの本が全面的に正しいということはなく、この著者たちにはこの著者たちなりのポジショントークがあるんだなーと感じた1冊でした。
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