ビットコインの仕組みを文系の人にわかりやすく伝えるには?
国のような特定の中心を持たず、参加者同士の信用で成り立つ仮想通貨。本書はその中で最もポピュラーなビットコインの特性と、その安全性・信頼性を担保するための特殊技術であるブロックチェーンをわかりやすく解説している。ビットコインの盛り上がりとともに売れ続け、ベストセラーとなった。著者は日本で業界最大手の仮想通貨取引所の取締役を務める俊英。
「仮想通貨ビジネスには、ITや金融の知識がなければ理解できない理系的側面、それを投資家など一般人に分かる言葉で説明できる文系的側面が求められます。著者はどちらにも造詣の深い、まさに仮想通貨のエヴァンジェリスト(伝道師)。類書は多いですが、文系の人でも簡単に、大づかみにこの分野を理解できるのはこの本だけと思います」(担当編集者)
魅力的な投資の対象であり、また、海外に送金する際に銀行を介するより手数料が少なく済むなど、仮想通貨には様々な利点がある。しかしなぜ今、こんなにも注目を浴びているのか。
「ひとつは税や不正取引に関する法整備が進み、仮想通貨を取引するハードルが下がった点があると思います。もうひとつは現金からクレジットカード、ウェブ払い……とお金に対する意識が変化して来た中で、仮想通貨のように実物がなく、数字だけをやりとりするものに多くの人は抵抗がなくなりつつあるからではないでしょうか」(担当編集者)
評者:前田 久
(週刊文春 2017.11.16号掲載)
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
大塚/雄介
コインチェック株式会社共同創業者兼COO(最高執行責任者)。1980年群馬県生まれ。早稲田大学大学院修了、物理学修士号取得。リクルートから分社独立した株式会社ネクスウェイでB2B向けITソリューションの営業・事業戦略・開発設計を経験の後、レジュプレス株式会社創業(2017年4月よりコインチェック株式会社に社名変更)。現在、取締役COOを務める。日本最大規模の仮想通貨交換取引所Coincheckならびに、ビットコイン決済サービスcoincheck paymentを運営(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)