「パブロフの犬」になることで、一瞬でやる気に。イチローの意識の高さを自分にコピーする。大人は論理的思考力でリスニング力を伸ばせ。成功した「未来の自分」にインタビューする。英語を話すときは、頭の中を「小学3年生化」する。半年間の基礎徹底で、英語力は飛躍的に伸びていく。海外ドラマのDVDは、第一話だけを何度も“聴く”。リーディングは「ハリポタ」よりもビジネス書。人生を劇的に変える学習習慣。
--このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。
●20年、2000万円、2000人
「誰か本当のことを言ってくれ」
僕はバイリンガルでもなんでもなく、日本で生まれ育ちました。公立の中学校で普通に英語を習ったのが最初で、それから大学受験までごく普通に英語を勉強してきました。
そんな僕が、語学学習の本を出すことになりました。
実は、語学を真剣に学んだのは、英語より中国語が最初です。
大学3年生のときに何を思ったか、突然、「中国に行く」と1年間の中国語学留学に行きました。当時の大学での第二外国語はスペイン語。中国語はまったく勉強したことがなく、いざ北京の空港に降り立ったときに話せた中国語は、「ニーハオ」と1から10までの数字だけ。
ただ、日本の大学では怠け者だった僕も、この1年間はものすごく勉強しました。あの1年に限って言えば、中国大陸で一番中国語を勉強したのは僕だったのではないかと、真剣に思っています。
おかげで、まったくのゼロから始めた中国語も、5か月間の学習でHSK/漢語水平考試7級(最高レベルの8級から3級まである)という中国の大学入学レベルをクリアし(10か月で8級)、夏休みのシルクロード旅行中には中国人に間違えられるほどになりました。
この中国留学の経験から語学学習の楽しさとコツを知り、英語にも真剣に取り組むようになりました。
ただ、なかなかうまくいかなかったのも事実。たくさんの無駄と失敗がありました。
国内最大手を始め、たくさんの英会話学校に通いました。英語の発音の学校にもいくつか通いました。「聞くだけで〜」みたいな広告にも飛びついて、英語商品や通信教育教材を大量に購入しました。仕事上の教材研究も含めれば、参考書だけでも300冊は買っていると思います(全部やったわけではないですよ)。
その他、短期留学、大学院留学も含めて、軽く2000万円以上は英語に投資しています。かけた年月は中学生から始まって20年以上。
いやー、われながらお金も時間もかけました。でも、この中で本当に効果があったものはごくわずかでした。
さらに自分が学んだだけでなく、教材開発や指導者としても語学学習にはずっと携わってきました。
中国留学時代は、現地の学校で日本語クラスを創設し講師を務め、中国人に日本語の指導。帰国後は、中国やアメリカへ、日本から語学留学生を引率するインストラクターのアルバイトをしていました。
大学卒業後に入社した会社は、「進研ゼミ」のベネッセコーポレーション。語学事業部という部署で英会話の通信教育教材の開発とマーケティングに従事。
その後転職をした会社では、TOEFLやTOEICのスコアアップのスクールを立ち上げ、校長として多くの学生を指導してきました。
仕事を離れ留学したコロンビア大学教育大学院では、「多文化多言語教育」を学ぶ傍ら、ニューヨークで英語を学ぶ日本人留学生に、語学留学の効率的方法を指導。
いままでの人生で、直接語学学習の指導をしてきた人数は、かれこれ2000人以上。
自分自身の学習経験と、多くの方々への指導経験から、語学学習で結果が出ない人が多い原因が見えてきました。
ひとつは、本質をついた、本当に効果のある学習方法が明確に示されていないこと。
もうひとつは、高いモチベーションで学習を継続できないこと。
世の中の語学学習者の大半が、このどちらか、もしくは両方でつまずいています。
情報やモノ、サービスが溢れ、英語学習にしても本当は何をどうやればいいのかがわかならい。特に、「大人のための論理的学習方法」や「基礎力の徹底による総合的な英語力向上」の明確な方法が示されていない。
また、仮によさそうな方法に出会ったとしても、やる気が続かずに学習を継続できないままに終わってしまう。
「英語学習に無駄なお金と時間を費やす人を減らしたい」
「誰かがそろそろ語学学習の本質を示し、本当のことを言うべきだ」
「誰もが学習を継続できる方法論をきちんと示そう」
と思い、20年、2000万円を費やした自分自身の学習経験と、2000人以上に対する指導経験をすべて注ぎ込んだのが本書です。
会話、リスニング、リーディング、ライティングと、英語の総合力を上げるための「これ以上ない」と思える効率的な学習方法を示しました。また、学習方法だけでなく、モチベーション維持のために、「催眠療法」、「NLP(神経言語プログラミング=Neulo Linguistics Programming)」、「加速学習」などの心理メソッドにもかなりのページ数を割きました。
さらには、学習習慣など、英語以外の学習にも応用できるノウハウも紹介しています。
本書では、英語の総合力をつけていくために、次ページのようなピラミッドを積み上げていきます。
まずは語学学習に入る前の土台作り。
ここでは、学習全般および英語学習において知っておくべき重要ポイントの把握から、英語に対する苦手意識の払拭、心理学アプローチによるモチベーションアップの方法、心に火をつける目標設定、さらには"学習アスリート"としての体調管理までを紹介します。この土台がしっかりできていると学習効率がグンと上がります。
土台を整えてからは、いよいよ具体的な学習方法のマスターと英語の実践。
発音のマスターと単語や短文の習得に始まり、リーディング・リスニングのインプット、スピーキング・ライティングのアウトプットの効率的学習方法と実践方法をお伝えします。さらに、外国人との信頼関係の構築、DVDや外国人家庭教師を活用した総合力アップの方法、そして、最後に重要な学習継続のための秘訣を紹介します。学習方法では、どの教材をどのように使っていくかも具体的に提示します。
また、積み上げるだけでなく、随時どんどん英語を使っていく意識づけも行ないます。
もうこれ以上のことは英語学習において知る必要はない。これでダメならあきらめてもらうしかない。そう確信できる内容です。
「聞くだけで」とか「3か月で」というものとは違う、骨太で本質をついた学習法です。でもご安心ください。楽しくて効率的、そして誰にでもできる方法ですから。
●「やりたくなければ英語はやるな」
と、ここまで本書の特徴を述べてきましたが、そもそも僕は、誰もが英語をやるべきだとは思っていません。日本でも十分楽しく生きていけますし。
ただ、英語ができると、いろいろと「いいこと」があるのも事実。
<圧倒的な情報量>
まずは英語ができることで得られる情報量。世界中のインターネットの情報の80%以上は、英語で書かれていると言われています。これは実に日本語の100倍以上です。
また、マーケティングなどのノウハウも、アメリカのほうが日本より5年から10年は進んでいると言われています。僕がこの本で紹介している心理学系の学習モチベーションアップのノウハウも、アメリカで直接学んできたものがかなりあります。
ビジネスをするにせよ、株で儲けるにせよ、英語ができるだけで圧倒的に有利になるのは事実のようです。
<年収に響くスキル>
こんなデータを聞いたことがある方も多いかもしれません。
大阪府立大学の計量経済学の鹿野繁樹講師の研究結果によると、英語を使う人とそうでない人の年収格差は、男性で18・2%、女性で40・2%だそうです。
50代男性に限っては、年収格差は40%以上。50代の年収で4割差があるってすごいですよね。30代、40代からでも英語学習を始める価値はあるでしょう。
ただ、この統計から一概に「英語ができるから年収が高い」とは言えないと思っています。もっと大事なことは、「英語ができる人は努力して自分を磨くタイプの人だ」ということ。そこに本質があると僕は信じています。英語ができる人は他の勉強もしています。本もたくさん読んでいるでしょうし、何より向上心が強いはず。だから年収も高いのでしょう。
この本の中では、体調管理から学習習慣まで、英語の学習以外にも応用できるノウハウを詰め込みました。英語学習がきっかけになって、読者のみなさんの人生が少しでも望む方向に行くことを願っています。
「だって楽しいんだもん」
ここまで読んで、理論的に物事を考えるタイプの人は、多少やる気になってきたかもしれません。でも、人は感情で動くもの。
僕がなぜいままで語学学習をやってきたかと言えば、やっぱり楽しいから。
英語の本や映画、ドラマでの感動はもちろん、国境を越えて理解し合える喜びはさらに大きい。
中国語や英語で世界中の人と語り合ってきました。沢木耕太郎の『深夜特急』を読んでトルコに旅立ってから、足を踏み入れた国は計30か国近く。ニューヨークの大学院留学で、その他イギリス、カナダ、ヨーロッパ各国の先進国で、はたまたシルクロードの果て、インド、アフリカなどの途上国で、多くの人と笑い、涙してきました。
最高でした。それはやっぱり現地の人と英語で語り合えたから。
やるからには、やっぱり最高の感動を取りに行きませんか。
<自分に自信が持てるようになる>
異文化の人と交流すると、やはり自分を顧みる機会が増えます。
「先進国で暮らしているって、なんて恵まれてるんだろう」
「なんで日本人はこう考えるんだろう?」
などなど。
他者とコミュニケーションをするための語学学習ですが、実は自分との対話も増えてきます。それによって、自分の人生を真剣に捉えるようになる。
また、日々の学習は生活に「張り」をもたらしてくれます。仕事プラスαで努力している自分。僕が語学学習を指導してきた方の中でも、学習の過程で昇進が決まったり、転職が成功したり、人生そのものが向上していった人がたくさんいました。
さらに言えば、語学を通じての目標を達成できれば、その自信はその後もあなたを支えてくれます。
得られるものは語学力だけではないんです。語学学習によって、最高の人生への扉が開かれるのです。
やりたくなければ英語はやる必要はありません。
でも、こんないいいことばっかりの語学学習。やっぱりやらなきゃ損。そんな英語学習を思いっきり楽しめるような、誰にでもできる方法をどんどん紹介していきます。
ようこそ、あなたの人生を劇的に変える英語学習の世界へ。
(本書「はじめに」より抜粋)
--このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
三宅/裕之
早稲田大学商学部卒業。中華人民共和国財政金融大学留学。米国コロンビア大学教育大学院教育学修士。米国催眠療法協会認定心理療法士。米国NLP協会認定NLPトレーナー。大学卒業後、(株)ベネッセコーポレーションにて語学事業を担当。2000年、(株)ジャパンビジネスラボ代表取締役(共同代表)に就任。学生、社会人向けのキャリアデザインスクール「我究館」代表を務める。2001年、TOEFL/TOEICコーチングスクール「プレゼンス」を設立、校長に就任。カリキュラム開発を行なうと共に、コーチとして受講生のTOEFL/TOEICハイスコア獲得をサポート。2004年より、米国コロンビア大学教育大学院にて、多文化多言語教育を研究。大学院での研究の傍ら、催眠療法、神経言語プログラミング(NLP)などを学ぶ。2006年、シナジープラス(株)設立、代表取締役に就任。語学学校、通信教育、英語習得セミナー、NLPセミナーを展開中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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著者について
三宅裕之(みやけ・ひろゆき)
早稲田大学商学部卒業。中華人民共和国財政金融大学留学。米国コロンビア大学教育大学院教育学修士。米国催眠療法協会認定心理療法士。米国NLP協会認定NLPトレーナー。
大学卒業後、(株)ベネッセコーポレーションにて語学事業を担当。2000年、(株)ジャパンビジネスラボ代表取締役(共同代表)に就任。学生、社会人向けのキャリアデザインスクール「我究館」代表を務める。2001年、TOEFL/TOEIC コーチングスクール「プレゼンス」を設立、校長に就任。カリキュラム開発を行なうと共に、コーチとして受講生のTOEFL/TOEICハイスコア獲得をサポート。2004年より、米国コロンビア大学教育大学院にて、多文化多言語教育を研究。大学院での研究の傍ら、催眠療法、神経言語プログラミング(NLP)などを学ぶ。2006年、シナジープラス(株)設立、代表取締役に就任。語学学校、通信教育、英語習得セミナー、NLPセミナーを展開中。
著書に、『絶対内定 面接勝利学』『絶対内定 エントリーシート学』(共著、ダイヤモンド社)がある。趣味は、ハンドボール、貧乏海外旅行(シルクロード、アフリカ、など)。
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