酷く炎上しているのを見て気になって買ってしまいました。
「イジメをコメディのように描く」というモラル問題については、他の方々が十分すぎるほど指摘されているので今更言いません。純粋に作品の中身を評価しようと思います。
結論から言いますと、モラル問題を抜きにしても評価は星1です、残念ながら。
その理由はひとえに、【登場人物の言動・行動がチグハグで意味不明】であることです。
しかもそれが一番酷いのが、この物語の主役である雪音(いじめられっ子)と奏汰(いじめっ子)なのだから困ります。
以下で詳しく説明します。
・雪音について
まず、雪音が受けているイジメというのは、、ラーメンにゴキブリを入れられる、真冬のプールに沈められる、万引きを強要される、バレンタインチョコをゴミ箱に捨てられるといった、明らかに度の過ぎたものです。しかし、その割に雪音はそこまで深刻に悩んでいる様子を見せません(最初のカラーページだけは深刻そうな感じでしたが)。それどころか要所要所で奏汰とギャグシーンや胸キュンシーンを演じ、しまいには特別奏汰と心を通わせる場面があったわけでもないのに、奏汰の母親の態度に激昂して「結城くん(奏汰のこと)が可哀想」とか言い出します。この時点での奏汰は雪音に対して、前述したような度の過ぎたイジメしかしていません。そんな奏汰に対して、雪音は奏汰の母親に反論するほどのポジティブな感情をどこで抱いたんでしょうか?
結果として、度の過ぎたイジメを受けているのに、それをいまいち深刻に捉えているように見えない、それどころか勝手に奏汰に理解を示してしまうという、思考回路が全く理解できないヒロインになってしまっています。
・奏汰について
これもまたチグハグさが酷いです。
彼のチグハグさはひとえに、『残虐ないじめっ子』という設定と、『意地悪だけど可愛げのある男の子』という設定がミックスされていることが原因だと思われます。
なので、あるシーンでは雪音にゴキブリ入りラーメンを出したり、真冬のプールに沈めたり、万引きを強要したりする『残虐ないじめっ子』として描かれるのに、別なシーンでは雪音の髪の毛の綺麗さに照れたり、雪音の下着姿に焦ったり、暗所恐怖症で雪音に抱きついたりする、『意地悪だけど可愛げのある男の子』に変貌してしまいます。
『残虐ないじめっ子』と、『意地悪だけど可愛げのある男の子』というどうあがいても両立しないものを、無理矢理両立させようとしたため、作中で彼が雪音をどう思っているのかわかりません。イジメのターゲットとして見ている割には変に気のある素振りを見せますし、気がある割にはイジメが酷すぎるという、どっちにしても理解に苦しむキャラになってしまっています。
長期連載しているうちに、キャラクターの言動や行動に徐々に一貫性が無くなってしまうことはしばしばありますが、一巻目からいきなり一貫性が無いのは悪い意味で珍しいです。また、炎上原因であるイジメ描写を除いたら、pixivでありがちな普通のラブコメといった感じで、オリジナリティは薄いです。上述した主役二人以外にも、蒼空や心夏といったキャラが登場しますが、現時点ではどちらも性格がテンプレ的で、あまり魅力を感じません。奏汰と母親の関係があまり良くなさそうなこと、幼少期と現在とでの奏汰の性格の変化、雪音がついに奏汰にいじめについて本音をぶつけそうなところなど、今後が気になる部分もないではありませんが、一巻時点では残念ながらこの評価です、すいません。
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