仏典ともども、大学時代からかれこれ十年以上愛読してきた本である。
読みつぶしたものを人に差し上げて、再購入して読みつぶすぐらい、愛読している。
本として読むのはたやすい。
けれども「実践の書」として見た時に、最後まで読み切ることは難しい本である。
おそらく、序盤の「準備・開悟・霊界参入」や「実践的観点」のくだりから
「先に進めずにいる人」は、私だけではなかろう。
正直、20代の時点では、自分の自我・我欲・偽我を抑えきれず、この地味で地道な道を何度も諦めた。
もっと効率のよい、もっと迅速に効果の出る、もっと自分に合った、そんな幻想に気移りして、逡巡した。
また、知的納得の欲求に耐えかねて、すぐに思弁的なものを求めてしまう傾向を抑えられなかった。
けれども、いろんなものを学べば学ぶほど、結局は仏典やシュタイナーの行法に戻っていく。
「心を見つめ、思いと言葉と行いを調えていく」「心と精神を調えながら育てていく」
シュタイナーもブラヴァツキーも主張する、
仏陀やゾロアスターの時代から続くこの「地味」な方法が、最も正しく、最も確実なものであると思う。
こうしてやっと、「初めて本書が読める」のかもしれない。
- 文庫: 286ページ
- 出版社: 筑摩書房 (2001/10/1)
- 言語: 日本語
- ISBN-10: 4480086641
- ISBN-13: 978-4480086648
- 発売日: 2001/10/1
- 梱包サイズ: 14.8 x 10.4 x 1.2 cm
- おすすめ度: 34件のカスタマーレビュー
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