内容(「BOOK」データベースより)
ドーラに何が起こったのか。夜尿、偏頭痛、咳、そして失声、失神。このユダヤ人少女の病は長く重い。原因はわからない、あるいは多すぎる。しかしフロイトは言う、「口を閉ざす者は指先で語り、体中の毛穴からは秘密が漏れ出てくる」と。その分析と治療ははたして成功したのだろうか。「夢とヒステリー」と題された本作は、『ヒステリー研究』と『夢解釈』を書いたフロイトが、精神分析の理論と技法をいっそう成熟させた有名な症例研究である。疾病利得、症状行為、転移といった基礎概念に具体的な裏づけが与えられる。そのロマネスクな文体の魅力に加え、「いままでに書いたなかでもっとも精妙なもの」とフロイトが自賛する作品が新訳で登場。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
フロイト,ジークムント
1856‐1939年。精神分析の創始者。ウィーン大学医学部で神経学を専攻。85‐86年、パリのシャルコのもとに留学。95年に精神分析の「始まりの書」である『ヒステリー研究』を発表(J・ブロイアーとの共著)。1900年、『夢解釈』で精神分析の基盤を確立。38年、ユダヤ人迫害を逃れイギリスに亡命、翌年ロンドンで死去。その思索の成果は今なお現代思想全般に大きな影響を与えている
金関/猛
1954年、京都生まれ。京都大学大学院文学研究科修士課程修了。岡山大学教授。専攻、比較文化学・ドイツ文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)