恋や夢、家族など割とテーマがてんこ盛り
禁断の本を出版するというスリルも良かった
この商品をお持ちですか?
マーケットプレイスに出品する
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません 。詳細はこちら
Kindle Cloud Readerを使い、ブラウザですぐに読むことができます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
あの本は読まれているか 単行本 – 2020/4/21
ラーラ・プレスコット
(著),
吉澤 康子
(翻訳)
購入を強化する
一冊の小説が世界を変える。
それを証明しなければ。
冷戦下、CIAの女性たちがある小説を武器に超大国ソ連と戦う!
本国で出版契約金200万ドル(約2億円)のデビュー作!
冷戦下のアメリカ。ロシア移民の娘であるイリーナは、CIAにタイピストとして雇われるが、実はスパイの才能を見こまれており、訓練を受けてある特殊作戦に抜擢される。その作戦の目的は、反体制的だと見なされ、共産圏で禁書となっているボリス・パステルナークの小説『ドクトル・ジバゴ』をソ連国民の手に渡し、言論統制や検閲で迫害をおこなっているソ連の現状を知らしめることだった。――そう、文学の力で人々の意識を、そして世界を変えるのだ。一冊の小説を武器とし、危険な任務に挑む女性たちを描く話題沸騰の傑作エンターテインメント!
それを証明しなければ。
冷戦下、CIAの女性たちがある小説を武器に超大国ソ連と戦う!
本国で出版契約金200万ドル(約2億円)のデビュー作!
冷戦下のアメリカ。ロシア移民の娘であるイリーナは、CIAにタイピストとして雇われるが、実はスパイの才能を見こまれており、訓練を受けてある特殊作戦に抜擢される。その作戦の目的は、反体制的だと見なされ、共産圏で禁書となっているボリス・パステルナークの小説『ドクトル・ジバゴ』をソ連国民の手に渡し、言論統制や検閲で迫害をおこなっているソ連の現状を知らしめることだった。――そう、文学の力で人々の意識を、そして世界を変えるのだ。一冊の小説を武器とし、危険な任務に挑む女性たちを描く話題沸騰の傑作エンターテインメント!
- 本の長さ256ページ
- 言語日本語
- 出版社東京創元社
- 発売日2020/4/21
- ISBN-104488011020
- ISBN-13978-4488011024
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ: 1 / 1 最初に戻るページ: 1 / 1
商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
一冊の小説が世界を変える。それを、証明しなければ。冷戦下、CIAの女性たちがある小説を武器に超大国ソ連と戦う!本国で出版契約金200万ドル(約2億円)のデビュー作!2020年海外ミステリ最高の話題作!!
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
プレスコット,ラーラ
アメリカ、グリーンズバーグ出身。アメリカン大学で政治学を学ぶ。2018年にテキサス大学オースティン校のミッチェナーセンターで美術学修士号を取得。執筆活動を始める前は選挙運動のコンサルタントとして活躍していた。2016年に“Aedinosaru”でクレイジーホース・ヴィクション賞を受賞。2019年にデビュー作の『あの本は読まれているか』が刊行され、アメリカ探偵作家クラブ(MWA)主催の2020年エドガー賞最優秀新人賞にノミネートされた
吉澤/康子
津田塾大学学芸学部国際関係学科卒業。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
アメリカ、グリーンズバーグ出身。アメリカン大学で政治学を学ぶ。2018年にテキサス大学オースティン校のミッチェナーセンターで美術学修士号を取得。執筆活動を始める前は選挙運動のコンサルタントとして活躍していた。2016年に“Aedinosaru”でクレイジーホース・ヴィクション賞を受賞。2019年にデビュー作の『あの本は読まれているか』が刊行され、アメリカ探偵作家クラブ(MWA)主催の2020年エドガー賞最優秀新人賞にノミネートされた
吉澤/康子
津田塾大学学芸学部国際関係学科卒業。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
登録情報
- 出版社 : 東京創元社 (2020/4/21)
- 発売日 : 2020/4/21
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 256ページ
- ISBN-10 : 4488011020
- ISBN-13 : 978-4488011024
- Amazon 売れ筋ランキング: - 254,325位本 (の売れ筋ランキングを見る本)
- - 4,887位英米文学研究
- - 4,990位英米文学
- - 5,591位ミステリー・サスペンス・ハードボイルド (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。

著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう
カスタマーレビュー
5つ星のうち4.1
星5つ中の4.1
81 件のグローバル評価
評価はどのように計算されますか?
全体的な星の評価と星ごとの割合の内訳を計算するために、単純な平均は使用されません。その代わり、レビューの日時がどれだけ新しいかや、レビューアーがAmazonで商品を購入したかどうかなどが考慮されます。また、レビューを分析して信頼性が検証されます。
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2020年9月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
さまざまな読み方、楽しみ方ができる本だ。一体誰が主役なのか。
冷戦時代、東側のソ連、西側のアメリカの物語が同時進行で展開する。
東側;パステルナークの愛人オリガ(「ドクトル・ジバゴ」ラーラのモデル)の視線で読み進めれば、そこではソ連時代の知識人弾圧、ソルジェニーツィン著「収容所列島」に繋がる物語が展開され、ひいては今日の中国共産党の人権弾圧(法輪功学習者、香港、チベット・ウイグル・南モンゴル人)や、獄死同然の死を遂げたノーベル平和賞受賞作家、人権活動家、劉暁波氏をも想起させる戦慄の物語となる。
西側;ロシア移民の娘イリーナ、そして受付嬢フォレスターそれぞれの視線でも語られる物語。
ここではタイピスト嬢たちのおしゃべりが秀逸に描かれ、一見他愛ない日常会話の中に潜むハッとするような観察眼と核心は巧みな狂言回しとなっている。
同性愛が違法だったかってのアメリカ、リリアン・ヘルマン著「子供の時間」(W.ワイラー監督、O.ヘプバーン・S.マクレーン共演・映画「噂の二人(1961)」)には当時の状況が痛烈に描かれている。優れた映画なので併せてお勧めしたい。
アメリカ史の汚点となったマッカーシズムについてほとんど触れられていないが、CIAが舞台となっているだけに複雑な要素をあえて盛り込まなかったのも読者に対する著者の配慮と考えたい。
ヘルマン氏やD.トランボ氏の非米活動委員会との闘い、ハリウッド・テン(「真実の瞬間」として映画化)などのレッド・パージは、語るに尽きないところだ。
グイグイと読み進ませるプレスコット氏の筆力には非凡なものがある。次作にも期待したい。
映画化されたらどんなキャスティングになるのか、楽しみなところだ。
映画「ドクトル・ジバゴ」でラーラを演じたJ・クリスティーが、オリガの回想シーンでナレーション(どこかでチラッと特別出演)などがあると、オールド・ファンとしては随喜の涙なのだが、、、。
冷戦時代、東側のソ連、西側のアメリカの物語が同時進行で展開する。
東側;パステルナークの愛人オリガ(「ドクトル・ジバゴ」ラーラのモデル)の視線で読み進めれば、そこではソ連時代の知識人弾圧、ソルジェニーツィン著「収容所列島」に繋がる物語が展開され、ひいては今日の中国共産党の人権弾圧(法輪功学習者、香港、チベット・ウイグル・南モンゴル人)や、獄死同然の死を遂げたノーベル平和賞受賞作家、人権活動家、劉暁波氏をも想起させる戦慄の物語となる。
西側;ロシア移民の娘イリーナ、そして受付嬢フォレスターそれぞれの視線でも語られる物語。
ここではタイピスト嬢たちのおしゃべりが秀逸に描かれ、一見他愛ない日常会話の中に潜むハッとするような観察眼と核心は巧みな狂言回しとなっている。
同性愛が違法だったかってのアメリカ、リリアン・ヘルマン著「子供の時間」(W.ワイラー監督、O.ヘプバーン・S.マクレーン共演・映画「噂の二人(1961)」)には当時の状況が痛烈に描かれている。優れた映画なので併せてお勧めしたい。
アメリカ史の汚点となったマッカーシズムについてほとんど触れられていないが、CIAが舞台となっているだけに複雑な要素をあえて盛り込まなかったのも読者に対する著者の配慮と考えたい。
ヘルマン氏やD.トランボ氏の非米活動委員会との闘い、ハリウッド・テン(「真実の瞬間」として映画化)などのレッド・パージは、語るに尽きないところだ。
グイグイと読み進ませるプレスコット氏の筆力には非凡なものがある。次作にも期待したい。
映画化されたらどんなキャスティングになるのか、楽しみなところだ。
映画「ドクトル・ジバゴ」でラーラを演じたJ・クリスティーが、オリガの回想シーンでナレーション(どこかでチラッと特別出演)などがあると、オールド・ファンとしては随喜の涙なのだが、、、。
ベスト1000レビュアー
Amazonで購入
パステルナークの『ドクトル・ジバゴ』は今ではハリウッド映画版のほうが有名で、原作を読んだ人は少ないだろう。現に、江川卓訳の新潮文庫版は絶版で、Kindle化もされていない。
私自身も映画の印象が強く、彫りの深い顔のオマー・シャリフ(ユーリ役)と意志の強そうなジュリー・クリスティー(ラーラ役)、それからラーラのテーマの美しい音楽を思い出す。
この小説は、『ドクトル・ジバゴ』の出版をめぐるパステルナークと家族らの苦闘と、その出版を対ソ連の重要な武器として暗躍したCIAの活動を並行して描くもので、着眼点は面白いが、読んだ印象としてはいずれも掘り下げ不足で「二兎を追う者は・・・」という感を免れなかった。資料に限界があるのだろうが、小説なのだからもう少し想像力で補ってもよいのではないかと思う。
とはいえ、『ドクトル・ジバゴ』の物語を地で行くパステルナークの妻と愛人との公然たる三角関係と、愛人オリガの視点から語られるその苦悩はよく描かれている。1人の詩人・作家が巨大なソビエト権力に押しつぶされそうになりながら著作を完成させ、それをオリガや妻の意に反して海外出版してしまう、その人間としての弱さと芸術家の矜持との間の動揺は痛々しい。ノーベル賞受賞後の作家協会からの糾弾と友人たちの裏切りは、まるでマタイ福音書のペテロの否認である。
ちなみに、スターリンに批判された作曲家ショスタコーヴィチも同様の苦境に陥ったが、こちらはスターリンと渡り合う狡猾さと強靭な粘り強さを持って、ソビエト体制を生き延びた。
他方、CIAが『ドクトル・ジバゴ』を対ソ連のイデオロギー宣伝の武器と位置づけたのはさもありなんだが、この小説の中でも最初の出版はイタリアであり(この出版の経緯のほうが面白いのでもっと詳しく知りたいところ)、その後は欧米で広く翻訳出版されている。ロシア語版が地下出版でソ連国内に持ち込まれるのは時間の問題だったはずで、CIAの功績がどれだけ大きいかはよくわからない。また、ソ連国内での流通経路や読者の受け止めについてほとんど触れられていないのも物足りない。
なお、この小説では著者の問題関心による創作と思われる女性スパイの同性愛の物語がかなり重要な部分を占めていて、それが原題の“The Secrets We Kept”に関連するのだろうが、これは小説構成上は全く余計なエピソードだと思う(当時のアメリカでは同性愛は犯罪として罰せられたというのは驚きだが)。冷戦を背景としたドクトル・ジバゴ事件と対比するなら、むしろ1950年代にアメリカで吹き荒れたマッカーシズムとチャップリン他の映画人らの大量追放であろう。マッカーシズムの影はこの小説では全くなく、CIAは西部劇の善玉保安官のように描かれている。
〔追記)英語版のレビューを見ると、同じテーマを扱った先行する著作として、“The Zhivago Affair: The Kremlin, the CIA, and the Battle Over a Forbidden Book ”〔2014年)が紹介されている。こちらはノンフィクションのようだが、レビュー評価は高い。新潮文庫版『ドクトル・ジバゴ』のkindle化とあわせ、できればこちらの翻訳・出版も期待したい。
私自身も映画の印象が強く、彫りの深い顔のオマー・シャリフ(ユーリ役)と意志の強そうなジュリー・クリスティー(ラーラ役)、それからラーラのテーマの美しい音楽を思い出す。
この小説は、『ドクトル・ジバゴ』の出版をめぐるパステルナークと家族らの苦闘と、その出版を対ソ連の重要な武器として暗躍したCIAの活動を並行して描くもので、着眼点は面白いが、読んだ印象としてはいずれも掘り下げ不足で「二兎を追う者は・・・」という感を免れなかった。資料に限界があるのだろうが、小説なのだからもう少し想像力で補ってもよいのではないかと思う。
とはいえ、『ドクトル・ジバゴ』の物語を地で行くパステルナークの妻と愛人との公然たる三角関係と、愛人オリガの視点から語られるその苦悩はよく描かれている。1人の詩人・作家が巨大なソビエト権力に押しつぶされそうになりながら著作を完成させ、それをオリガや妻の意に反して海外出版してしまう、その人間としての弱さと芸術家の矜持との間の動揺は痛々しい。ノーベル賞受賞後の作家協会からの糾弾と友人たちの裏切りは、まるでマタイ福音書のペテロの否認である。
ちなみに、スターリンに批判された作曲家ショスタコーヴィチも同様の苦境に陥ったが、こちらはスターリンと渡り合う狡猾さと強靭な粘り強さを持って、ソビエト体制を生き延びた。
他方、CIAが『ドクトル・ジバゴ』を対ソ連のイデオロギー宣伝の武器と位置づけたのはさもありなんだが、この小説の中でも最初の出版はイタリアであり(この出版の経緯のほうが面白いのでもっと詳しく知りたいところ)、その後は欧米で広く翻訳出版されている。ロシア語版が地下出版でソ連国内に持ち込まれるのは時間の問題だったはずで、CIAの功績がどれだけ大きいかはよくわからない。また、ソ連国内での流通経路や読者の受け止めについてほとんど触れられていないのも物足りない。
なお、この小説では著者の問題関心による創作と思われる女性スパイの同性愛の物語がかなり重要な部分を占めていて、それが原題の“The Secrets We Kept”に関連するのだろうが、これは小説構成上は全く余計なエピソードだと思う(当時のアメリカでは同性愛は犯罪として罰せられたというのは驚きだが)。冷戦を背景としたドクトル・ジバゴ事件と対比するなら、むしろ1950年代にアメリカで吹き荒れたマッカーシズムとチャップリン他の映画人らの大量追放であろう。マッカーシズムの影はこの小説では全くなく、CIAは西部劇の善玉保安官のように描かれている。
〔追記)英語版のレビューを見ると、同じテーマを扱った先行する著作として、“The Zhivago Affair: The Kremlin, the CIA, and the Battle Over a Forbidden Book ”〔2014年)が紹介されている。こちらはノンフィクションのようだが、レビュー評価は高い。新潮文庫版『ドクトル・ジバゴ』のkindle化とあわせ、できればこちらの翻訳・出版も期待したい。
2020年5月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
COVID-19で外出も控えて生活しているときに購入した、B・パステルナークの「ドクトル・ジバゴ」をCIAがソ連に持ち込んでソ連への武器として戦おうとする、フィクションである。「あの本は読まれているか」の題名はいまいちの感があるが。
CIAの極秘文書をタイプする女性タイピストたちが登場する自由なアメリカCIA場面を西として、パステルナークとオリガ・イヴィンスカヤの動きを中心とするソ連の場面を東とする章分けでストーリを展開する方式と、ほぼ一人称形式で文章を書いて読者をフィクションの当事者の目から入り込んで行く方式を取っている。
記述方式は軽く見えるが、パステルナークの悲劇と「ドクトル・ジバゴ」の悲劇(不倫恋愛物語と思われているが、戦争と革命の中で歴史に翻弄されるユーリとラーラ、トーニャの物語である)が上手くラップされて、深い内容を数多く盛り込んでいるのが分かる。「ドクトル・ジバゴ」を読んでいる人や映画「ドクトル・ジバゴ」を観ている人は、更に深く理解され、考えさせながら読ませる。
フィクションであるがゆえに、パステルナーク、オリガ、ジナイダなど、いきいきとした考えと動きがまるで映画をみているような印象。これは映画化を意図した書籍であると思える。。
パステルナーク最後の作品で未完の戯曲「盲目の美女」の記述が興味がわいた。
ここ最近読んだ中で一番面白く読めた、東京創元社最新作である。
CIAの極秘文書をタイプする女性タイピストたちが登場する自由なアメリカCIA場面を西として、パステルナークとオリガ・イヴィンスカヤの動きを中心とするソ連の場面を東とする章分けでストーリを展開する方式と、ほぼ一人称形式で文章を書いて読者をフィクションの当事者の目から入り込んで行く方式を取っている。
記述方式は軽く見えるが、パステルナークの悲劇と「ドクトル・ジバゴ」の悲劇(不倫恋愛物語と思われているが、戦争と革命の中で歴史に翻弄されるユーリとラーラ、トーニャの物語である)が上手くラップされて、深い内容を数多く盛り込んでいるのが分かる。「ドクトル・ジバゴ」を読んでいる人や映画「ドクトル・ジバゴ」を観ている人は、更に深く理解され、考えさせながら読ませる。
フィクションであるがゆえに、パステルナーク、オリガ、ジナイダなど、いきいきとした考えと動きがまるで映画をみているような印象。これは映画化を意図した書籍であると思える。。
パステルナーク最後の作品で未完の戯曲「盲目の美女」の記述が興味がわいた。
ここ最近読んだ中で一番面白く読めた、東京創元社最新作である。
2020年5月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
大作映画『ドクトル・ジバゴ』は、まず映画雑誌『スクリーン』の広告で知り、実際には中高生自分にTVの日曜洋画劇場あたりで夢中になって観たことがある。ストーリーまでは如何せんほとんど覚えていないのだが、壮大なロマンだったという印象は強く残る。
この映画の原作本は、冷戦下のソヴィエトで書かれたが、スターリニズムに批判的な思想書として国内で発禁となっていた。原作が国外に持ち出され、イタリアで出版され、ノーベル文学賞に選考されたが歴史上類を見ぬ作者による辞退に至った経緯は、ウィキペディアなどにもその背景の記述が見られる。
本書は『ドクトル・ジバゴ』を冷戦下プロパガンダ政策の強力な武器としてスパイ活動に使ったCIAの記録と、当時の綿密な歴史資料を集めて黒字で伏せられた部分を創作として丹念に綴った一大力作であり、作者ラーラとしての力作である。ちなみにラーラは本名であり、両親が映画『ドクトル・ジバゴ』のヒロインの名前を下に命名したというから、本書もまた運命の一作として熱の入った傑作に仕上がっている。
本書は、『ドクトル・ジバゴ』原作者のボリス・パステルナークと、愛人オリガ(小説のヒロイン≪ラーラ≫のモデルとなった人物)の圧政下でのスリリングな恋愛を軸とした<東>の物語と、鉄のカーテンの内側に『ドクトル・ジバゴ』の本を持ち込んだ女性スパイたちの動きを軸とする<西>の物語として交互に語られてゆく。
<西>の物語を受け持つのは二人のヒロイン、ロシア生まれのイリーナと天性の女スパイ、サラ・ジョーンズである。二人は当時のハラスメント、息が詰まりそうな性差別に抗いつつ、『ドクトル・ジバゴ』オペレーションに強く関わる運命に身を投じる。独自のヒューマンでタフな一人称文体で語られる彼女らの人生がずしりとした読みごたえを与えてくれる。
彼女らの所属するCIAタイピスト部屋の個性的な面々と、ここから世界を動かしに出かけてゆくイリーナらとのつかず離れずの関係もリアルに活写され何とも力強い。作家のペンは繊細かつタフで、時と場を移動しつつ、<東>と<西>の国家的非情さを横目に、個として生きる人間ドラマを紡ぎ出してゆく。
歴史上の事実に基づいて描かれたスリリングでドラマティックで野心満ちた作品である。高額な翻訳権争いが生じたほどの魅力的な題材であり、映画化も予定されているというが、本書そのものが何とも映像的で美しい時代と季節を背景に、感性に満ちて濃密な美しさを纏う。
『ザリガニの鳴くところ』の後に読んだ『あの本は読まれているか』、どちらも世界的ベストセラー、女流作家によるデビュー作、密度の濃い内容、とドラマ性。充実する作品群は何とも頼もしく有難い季節なのである。
この映画の原作本は、冷戦下のソヴィエトで書かれたが、スターリニズムに批判的な思想書として国内で発禁となっていた。原作が国外に持ち出され、イタリアで出版され、ノーベル文学賞に選考されたが歴史上類を見ぬ作者による辞退に至った経緯は、ウィキペディアなどにもその背景の記述が見られる。
本書は『ドクトル・ジバゴ』を冷戦下プロパガンダ政策の強力な武器としてスパイ活動に使ったCIAの記録と、当時の綿密な歴史資料を集めて黒字で伏せられた部分を創作として丹念に綴った一大力作であり、作者ラーラとしての力作である。ちなみにラーラは本名であり、両親が映画『ドクトル・ジバゴ』のヒロインの名前を下に命名したというから、本書もまた運命の一作として熱の入った傑作に仕上がっている。
本書は、『ドクトル・ジバゴ』原作者のボリス・パステルナークと、愛人オリガ(小説のヒロイン≪ラーラ≫のモデルとなった人物)の圧政下でのスリリングな恋愛を軸とした<東>の物語と、鉄のカーテンの内側に『ドクトル・ジバゴ』の本を持ち込んだ女性スパイたちの動きを軸とする<西>の物語として交互に語られてゆく。
<西>の物語を受け持つのは二人のヒロイン、ロシア生まれのイリーナと天性の女スパイ、サラ・ジョーンズである。二人は当時のハラスメント、息が詰まりそうな性差別に抗いつつ、『ドクトル・ジバゴ』オペレーションに強く関わる運命に身を投じる。独自のヒューマンでタフな一人称文体で語られる彼女らの人生がずしりとした読みごたえを与えてくれる。
彼女らの所属するCIAタイピスト部屋の個性的な面々と、ここから世界を動かしに出かけてゆくイリーナらとのつかず離れずの関係もリアルに活写され何とも力強い。作家のペンは繊細かつタフで、時と場を移動しつつ、<東>と<西>の国家的非情さを横目に、個として生きる人間ドラマを紡ぎ出してゆく。
歴史上の事実に基づいて描かれたスリリングでドラマティックで野心満ちた作品である。高額な翻訳権争いが生じたほどの魅力的な題材であり、映画化も予定されているというが、本書そのものが何とも映像的で美しい時代と季節を背景に、感性に満ちて濃密な美しさを纏う。
『ザリガニの鳴くところ』の後に読んだ『あの本は読まれているか』、どちらも世界的ベストセラー、女流作家によるデビュー作、密度の濃い内容、とドラマ性。充実する作品群は何とも頼もしく有難い季節なのである。









