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あなたのなかのサル―霊長類学者が明かす「人間らしさ」の起源 単行本 – 2005/12

5つ星のうち 4.4 5件のカスタマーレビュー

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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

人間が引き起こす身の毛もよだつ大量殺戮、血腥い権力闘争、暴力などは、さも動物時代の野蛮さの名残であるかのように言われてきた一方、親切や思いやりなどは「人間らしい」美点として喧伝されてきた。しかし、動物の側から言わせれば、これは公平な見方ではない。たしかに、人間と98%のDNAを共有しているチンパンジーは、権謀術数に長けた攻撃的なサルではある。だが同じだけのDNAを共有しているもう一つの種であるボノボは、チンパンジーとは対照的に、平等で平和な社会を好み、思いやりの心に富んだ心優しいサルなのである。つまり、階級社会も平等社会も、戦争も平和も(はたまた人間が専売特許だと思っている正常位のセックスや、他のあれやこれやのお楽しみも)、すべてチンパンジーやボノボと同じ祖先から遺伝的に受け継いできたものなのだ。では、ヒトが鏡の中に、破壊の限りをつくす力と、温かい慈愛の心の両方を見つけることができたとき、私たちは何を考え、何をすべきなのか?霊長類研究の世界的権威が、豊富かつ興味深い類人猿たちの生態を紹介しながら、鋭い洞察力と独特のウィットを通じて、「人間らしさ」の本質を考える痛快サル学エッセイ。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

ヴァール,フランス・ドゥ
生物学者・動物行動学者。霊長類の社会的知能研究では世界の第一人者として知られている。オランダに生まれ、1981年にアメリカに移住。現在エモリー大学心理学部のC.H.キャンドラー教授職にあると同時に、アトランタのヤーキース国立霊長類研究センターにおいて先端的研究を行なうリビング・リンクス・センターの所長も務めている。独特の視点と語り口による『政治をするサル』『利己的なサル、他人を思いやるサル』『サルとすし職人』などの著書は幅広い読者層を獲得し、これらが10カ国語以上に翻訳されたことにより、世界でもっとも有名な霊長類学者として知られるようになった。ジョージア州アトランタ在住

藤井/留美
翻訳家。上智大学外国語学部卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)


登録情報

  • 単行本: 340ページ
  • 出版社: 早川書房 (2005/12)
  • ISBN-10: 4152086947
  • ISBN-13: 978-4152086945
  • 発売日: 2005/12
  • 商品パッケージの寸法: 19 x 12.6 x 3 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.4 5件のカスタマーレビュー
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カスタマーレビュー

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トップカスタマーレビュー

投稿者 Amazon Customer VINE メンバー 投稿日 2010/11/20
形式: 単行本
「民主主義と階層社会、核家族と子殺し、公平さと競争など、対立する概念。社会のいろんな制度は、対立する力の相互作用から誕生した。進化とは弁証法的なプロセスなのだ。」

快楽主義・平和主義の類人猿ボノボと階層社会で好戦的なチンパンジー双方の例を引きながら、「人間の残忍で、好戦的で狂暴な一面と、相手に共感し、慈悲深くやさしい面の両方ともが類人猿の中にも見られる特徴であり、その双方が人間の中では同居している」としている。

他の心理学の本や行動経済学の本などにも見られる、「人間の思考や行動の特徴はボノボやチンパンジーにも共通してみられる特徴である」という主張が本書でも随所に見られ面白い。「人間だけが、言葉を使い、共感する能力を持ち、本能を克服できる」とする近代的な人間観というのが、いかに単なる思い上がりなのか、ということが分かる。

人間の行動の特徴の多くは、他の類人猿たちと同様、ジャングルで集団の一員として狩猟や採集の生活をしてきたときの、「生き残るための知恵・特徴」に由来している。いかに技術や社会が急速に進化しても人間のこうした特徴はすぐには変わらない。だからこそ、他の類人猿たちの行動パターンの研究を通じ、人間の特質についても大いに学ぶものがあるのだろう。

類人猿たちの「人間くさい」行動の数々に驚かされると同時に、人間のありのままの姿が見えてくる。面白い本であった。
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形式: 単行本 Amazonで購入
この本は、チンパンジーとボノボの観察から人間の残忍で、好戦的で狂暴な一面と、相手に共感し、慈悲深くやさしい面を客観的に見れる。

著者の長期に渡る観察内容が載っていて、チンパンジー、ボノボの生態が詳しく知れるところが魅力だろう。チンパンジーの群れを率いる戦略、ボノボの相手に共感し温和を保つという行動はとても人間的で驚くばかりだ。共感、社会性といったものが人間固有だとう認識を改めざるを得ないと感じる。

したがって、我々人間はチンパンジーとボノボが頭に共存していることが分かる。この性質は絶対変わらない生得的なもだが、それを受け入れた時どのように我々は共存していけばいいのかと考えさせられる。

こにように、自分達を客観視できる面白い示唆をくれる面白い本だ。この内容から何見出すべきか、きっと答えはないだろうが考えていくべき疑問がクリアになる。
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形式: 単行本
人間は本質的なところで、一番近い生物種のチンパンジーと何ら変わって無いのだとショックを感じつつ、その本質を彼らよりはるかに発達した頭脳をもってさらに巧妙にさせているのではないかと感じました。ほかの群れのオスに対して、また、敵対する個体に対して、相手を殺す意味と目的を知ってなぶり殺しにする残忍さ。読んでいて戦慄さえ感じます。一方、ボノボの個体間の緊張緩和を目的とした、奔放な性行動と、そこから生まれる平和主義的生活。ヒトとパン属は700万年前に共通の祖先から分岐し、200年前にチンパンジーとボノボは分岐したといわれ、それぞれの性質を持つ様になりました。。ヒトはその両方の性質をうまく使い分け、時に敵対する集団を皆殺しにし、女性を徹底的に強姦する。まれに平和裏に融合し、新たな社会を築く。弱い者、困っている者に助けの手を差し伸べる。両極端ですが、これはいろんな歴史書を読むと、定住生活を始めてから以降のように感じます。しかし、今現在に至ってもやっていることは全く同じ。動物脳に突き動かされて動き出すと、とんでもない残虐性を発揮してしまいます。ヒトという動物の行動の本質はどこに起源するのか。客観的に考えさせてくれる一冊です。
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形式: 単行本 Amazonで購入
人間とは何なのか、なぜ社会のルールはこうなのか、私達人間が当たり前だと思っている行動の全ては近縁種の類人猿を知ることで明らかとなり、また類人猿社会のシステムが後に人間社会ではこう進化したのだと推察もできるとても明快な本です。

例えばチンパンジーのボス猿が群れのメスとの(実質的には)優先交尾権を持つ様は、人間社会では中世辺りまであったとされる初夜権の行使を彷彿とさせますし、横暴な領主はまさにボス猿そのものです。

類人猿がこうだから人間の本質もこうだというのではなく、人間は社会生活を円滑に行うために近縁種の欠点を克服するように進化したのだ、と私は受け取れました。

その上で、知り合いの誰それさんはチンパンジー的だなとか、ボノボっぽいな、とか密かに観察する楽しみができます。

個人的には更に突っ込んで、犯罪者がなぜ根絶できないのか、というのもここら辺に起因しているのではないかと思いました。
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