以前から筆者の名前はラジオと週刊文春のDVDコラムで知っていたのでこの本の事も認識していて早く買わなければ、と気にかけていた。
直接のきっかけは2018年2月5日~2月16日まで二週にわたって文化放送『武田鉄矢~今朝の三枚おろし』で紹介していたことがきっかけだった。17年夏、BSTBSで『水戸黄門』が放送され、水戸光圀を演じた武田氏が東映京都撮影所で感じた疑問がこの本で解消されたという。その本で紹介されたエピソードも抜群に面白く早速注文。
マキノ光雄が家業の映画を大きくするために金策と映画の制作に東奔西走し、急遽亡くなったマキノの跡を継ぐ形で岡田茂が京都撮影所を回していく。その制作過程はもう無茶苦茶。いかにも「昭和」なエピソード満載で映画の魅力に取りつかれた人間達のそのアツいエピソードは思わず笑ってしまう。
また筆者の筆のせいかエピソードが抜群に面白くスピード感があるためグイグイ引き込まれて最後まで読了した。
ただ読み終えてアツい人々とは別に『東映京都撮影所』という会社自体が日本の縮図のように感じてきた。一回ビジネスモデルが当たるとそれから抜け出せず業績が下降して手が打てない。そのうち自前で人を育てられなくなり外注か下請けの仕事しか出来なくなる、というのは現代の日本にも当てはまるなと痛感。
あかんやつら 東映京都撮影所血風録 (文春文庫) (日本語) 文庫 – 2016/6/10
春日 太一
(著)
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本の長さ530ページ
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言語日本語
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出版社文藝春秋
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発売日2016/6/10
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ISBN-104167906414
-
ISBN-13978-4167906412
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商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
東映京都撮影所。『旗本退屈男』『仁義なき戦い』など名作誕生の場所には破天荒な映画人たちの歴史がある。破格のスター・中村錦之助、鬼と呼ばれた製作者・岡田茂、「緋牡丹」藤純子の心意気、照明・殺陣師ら裏方の職人たち―。エロとヤクザとチャンバラと。熱き映画馬鹿たちを活写した決定版ノンフィクション。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
春日/太一
1977(昭和52)年東京生まれ。時代劇・映画史研究家。日本大学大学院博士後期課程修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
1977(昭和52)年東京生まれ。時代劇・映画史研究家。日本大学大学院博士後期課程修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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カスタマーレビュー
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2018年3月3日に日本でレビュー済み
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2020年8月3日に日本でレビュー済み
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映画業界への夢破れた筆者が、評論家として映画業界に凱旋するためのお墨付きを、自分で書いたかのような作品。
あるいは免罪符か。
本書への感想はそれに尽きる。
そのような著者の歪な想いが透けて見える作品で、その姿勢には非常に不快な物を感じた。
取材対象者、関係者は自分たちにとって都合の良い代弁者が現れたと内心、小躍りする思いであっただろう。
そして、著者はそれに気づいているのか、いないのか。
どちらにしろ、著者にとっても実に都合の良い状況なわけで、あえて取材対象者に深く突っ込むような危険は犯していない。
そのため、内部事情などの記述に関し、
「これを、このまま信じて良いのだろうか?」
と言った疑念が絶えないままの読書であった。
「オーラルヒストリーだから」と言った「言い訳」もギリギリ成立するかもしれないが、何とも後味が悪い。
その疑念を吹き飛ばす面白さ、カタルシスのような物が(多少、盛ることに目をつぶるくらいの寛容さは持ってます(笑))あれば、いくらか納得も出来ようと言うものなのだが。
最近になって著者をメディアなどで見かける機会が多くなり、しかも以前から良い評判を見聞きしていた。
その中でも水道橋博士ほか、この作品を推す声が多かったので「満を持して」との思いであったが、今まで経験したことの無い澱みの様な物を感じる読後であった。
そして、私と同様な感想を持った方の言葉が、奇しくも水道橋博士による巻末の「解説」の中で紹介されていたのには驚いた。
猪瀬直樹の言葉だ。
お持ちの方は再読してみて欲しい。
それは水道橋博士に対して語られた、『天才 勝新太郎』(春日太一著)への猪瀬氏の感想なのだが、私がこの『あかんやつら』に対して感じたことと全く同じだ。
2012年の段階で既に筆者に潜む問題点を指摘しているかのようで、慧眼と言うほか無い。
「新進気鋭」の時期はとうに過ぎたこの著者が今後、馬脚を現さないかどうか非常に心配だ。
時代劇・映画史研究家と言う何とも微妙な肩書を名乗る真意も気になる。
この作品と言うか、この著者には
「色々と注意が必要ですよ」
と皆さまにはアドバイスしておきたい。
あるいは免罪符か。
本書への感想はそれに尽きる。
そのような著者の歪な想いが透けて見える作品で、その姿勢には非常に不快な物を感じた。
取材対象者、関係者は自分たちにとって都合の良い代弁者が現れたと内心、小躍りする思いであっただろう。
そして、著者はそれに気づいているのか、いないのか。
どちらにしろ、著者にとっても実に都合の良い状況なわけで、あえて取材対象者に深く突っ込むような危険は犯していない。
そのため、内部事情などの記述に関し、
「これを、このまま信じて良いのだろうか?」
と言った疑念が絶えないままの読書であった。
「オーラルヒストリーだから」と言った「言い訳」もギリギリ成立するかもしれないが、何とも後味が悪い。
その疑念を吹き飛ばす面白さ、カタルシスのような物が(多少、盛ることに目をつぶるくらいの寛容さは持ってます(笑))あれば、いくらか納得も出来ようと言うものなのだが。
最近になって著者をメディアなどで見かける機会が多くなり、しかも以前から良い評判を見聞きしていた。
その中でも水道橋博士ほか、この作品を推す声が多かったので「満を持して」との思いであったが、今まで経験したことの無い澱みの様な物を感じる読後であった。
そして、私と同様な感想を持った方の言葉が、奇しくも水道橋博士による巻末の「解説」の中で紹介されていたのには驚いた。
猪瀬直樹の言葉だ。
お持ちの方は再読してみて欲しい。
それは水道橋博士に対して語られた、『天才 勝新太郎』(春日太一著)への猪瀬氏の感想なのだが、私がこの『あかんやつら』に対して感じたことと全く同じだ。
2012年の段階で既に筆者に潜む問題点を指摘しているかのようで、慧眼と言うほか無い。
「新進気鋭」の時期はとうに過ぎたこの著者が今後、馬脚を現さないかどうか非常に心配だ。
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「色々と注意が必要ですよ」
と皆さまにはアドバイスしておきたい。