今作は10分の曲という事でいつものテンプレシングルではないようです、聴くまでは期待もありましたが長尺曲ですら作り慣れてしまって今までの焼き直しになっているのではと言った先入観がありました。
楽曲は終始重っ苦しい雰囲気でゆっくりと展開していく。
心臓の鼓動のような打ち込み音とエコーが掛かったアカペラ、途中に小気味良いパーカッション?が短く入る。
シンプルだが重く引きずるドゥーミーなギターと歪んだベースが陰鬱なグルーヴを産む、ゆったりしたパートの方がドラミングの独特さがよく出ていて面白い。
歌メロは相変わらずエッジが効いていて良い、それにしても今作は一段とボーカルが楽器と化していますね。
「いじめ」というテーマは個人的にはどうでもいいし、クリーンですら歌詩がほとんど聞き取れませんが、ボヤっとした発音が声という音を曲に溶け込ませています。
ハイトーンサビ、クラシカルなコーラスなど既聴感はありますが、メタルパートはかなり格好良くてメロブラのようなトレモロリフで疾走する部分を無観客のライブ映像で観て購入を決めました。
『UROBOROS』では元々メタルではないDIRが本格的に海外進出する為の背伸び感がややあったし、足りない演奏力を補うために様々な要素を詰め込み構築していったとも取れる作風でしたが、シンプルを掲げて作り込みにこだわる必要がない今だからこそ、肩の力を抜き自然なフレーズを奏で、これまでにないほど究極にシンプルなのにエクストリームで、構築感を感じさせることなくプログレッシブに聴かせるという、一段と円熟した長尺曲を産み出すことに成功したのだと思います。
この曲は詰込み型だったメタル傾倒期とは違う、引き算のアプローチで導き出した新しい完成形だと解釈して楽しんでいます。
カップリングはボサノバっぽい曲調は意外でしたがあっさりしすぎて拍子抜け、ライブ音源のGRIEFもおまけ程度にしか収録されていない、客目線としてはこういう所でVINUSHKAを入れて欲しい。
DVDのインタビューは電話越しみたいな音質で字幕があるが言葉はよく聞き取れない、メンバーの受け答えがテンプレ「今のDIR EN GREY」。
それと女性インタビュアーの「ふんふんふんふん」みたいな相槌が耳障りでした。
表題曲以外は不満もあるけどアルバムには入らないだろうし安くなっているので買っておいて損はない。
ウェブプレーヤーを開く



![ARCHE AT NIPPON BUDOKAN(初回生産限定盤) [DVD]](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/81-p5MqEL9L._AC_UL160_SR160,160_.jpg)



