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最高としか言いようがないですね！
１０年待った甲斐があったというか・・・・・・。
個人的に、この１０年のあいだに「センコロール」のようなテイストで暴れまくるアニメが消えてしまった気がしていたので、復活が本当に涙が出るほど嬉しい。
「１」が本当に好きだった人、つまりこの作品のある種の内に秘められたような意義を感得していたファンの多くが納得できる内容になっているんじゃないでしょうか。
「通常版」と同時発売なので、「本編ＤＩＳＣ」とＣＭや舞台挨拶や制作過程を撮影した「特典映像ＤＩＳＣ」と二枚組です。
本編とは「センコロール」と「センコロール２」を併録した『センコロール コネクト』のことです。
あー、できれば特典として「センコ１」と「センコ２」それぞれだけのチャプターが欲しかったところですが・・・まあ仕方ない。
ブックレットには監督×声優陣の座談会や、「センコロール・前日譚」を描いた宇木敦哉監督の２０ページ漫画が収録されてます。シュウが「組織」を抜け出してくる部分。カナメも出ます。
あと絵コンテ。
花澤香菜さんの「４０歳になっても女子高生やりますよ！」が可愛くて萌え死ぬ。
さて、「センコロール」の何が画期的かって・・・「怪物とそれを操る少年少女のバトル」と簡単に説明して言い切ってしまえばそうなのですが。
最大の功績は〈小説や漫画やラノベや映画で「できないこと」を明確にアニメーションとして実現できている唯一の現代作品なのでは？〉という部分に尽きると思います。
映画が〈監督の想像している世界をお披露目する〉という使命を帯びているなら、人類史上もっともそれに近い行為をやってのけているのでは？
そこまで大袈裟に言わなくても・・・兎にも角にも「絵」。
「ＳＦは絵だ」という格言もあるのですが、アニメというツールが人々のあいだに浸透している時代にそれをしっかり作品にしている人って少ないのですよね。
同年公開している『天気の子』や『空の青さを知る人よ』も言ってしまえばＳＦなのですが、骨子は脚本とファンタジー的発想に依存している気がしています。
丁寧な日常描写（笑いあり）、
非日常の浸食、
どんでん返し、
泣ける（エモな）展開、
突然の破壊、
繊細な心理描写、
見る者が見ればわかる過去ネタの換骨奪胎などなど・・・
現在の創作はこれらから（時間的配給的余裕も考慮すると）逃れることはできません。
これらがふんだんに散りばめられている名作をわたしは否定しませんが、「センコロール」はそのすべてに背を向けているように感じます。
つまり、作り手が納得のできるものに仕上げている（だからまあ５年も遅れたんだがw）。
センコをはじめとする怪物たちの動作（アニメーション）はそれ自体が一つのエフェクトであるにもかかわらず〈脚本と矛盾せず〉世界観を逸脱していません。
オフビートなキャラクターの日常と非日常すぎる怪物が、通常ストーリーで起こりえるカタルシスの浸食を食い止めているように感じます。
これを奇跡といわずして何と言おうか。
よくこの「２」のラストに至ったと思います。もうほんと、シュウの厭らしさとかテツのオチとか、作品の空気感をそのままつなげる形で脚本を編んだという意味で。
あくまでも・・・あくまでも個人的な意見なので、アンチの人も誤解しないでほしいけど、
いわゆる「脚本の妙」とかは他の作品で楽しめば良いだけの話ですよね（といっても「センコ２」の脚本は「１」に比べて格段に面白くなっているのだけどw）。
脚本の妙とか、この作品の「１」が好きだった人にとっては蛇足に思えるんじゃないかな。
監督はそこらへんをわかっている気がします。
もしこの「センコロール」の「２」の展開に『君の名は。』のようなどんでん返しや『シン・ゴジラ』のようなカタストロフィがあったら、きっと白けてしまう。
我々がこの「センコロール」という異形の作品に期待するのは、これまでの物凄い物流の時間の中に打ち込まれた「楔」のような鋭い一撃で・・・多くを語らない、これまで築かれてきたアニメを否定することなく新たな疑義を提示することだと思います。
なんか、わけのわからない恣意的な文章になってますが。
本当に楽しませていただきました。
買うかどうか迷っている人は迷わず、ぜひ。
ただ・・・センコぬいぐるみの出来はどうなのか・・・何あの平面ヅラ。
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