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↑コレをテーマに誰かリサーチしてくんないかしら。私はマイケル・ジャクソンファンではない。アルバムは結構持っていたがあまり聴いていなかった。しかし私はバレエファンなのでマイケル・ジャクソンが如何に素晴らしいダンサーか思わず語りたくなってしまふのである。かつてミハイル・バリシニコフに会ったマイケル・ジャクソンは二十世紀最高の男性バレエダンサーを質問攻めにしたということだが、非常に納得するものがある。マイケル・ジャクソンの踊りは上品だ。不思議とクラシカルな精神がある。アッシャーとかクリス・ブラウンとか、マイケル・ジャクソンより若くてよく動くダンス上手の黒人シンガーはいるが、彼らと比べて、マイケル・ジャクソンの動きには品がある。動きに妙な誇張や「俺を見ろ」的な押し出しがあまりない。具体的に何故にそういう印象が来るのかはよく分からない。骨格、四肢のバランス、手の使い方、肩の安定とカラダの中心軸の安定…本作品を見ながらいろいろ考えてしまった。
マイケル・ジャクソンは本当に綺麗に動く。カラダのバランスも実に美しい。手足の長さから肩幅まで、「踊るカラダ」として完璧に見える。別にアクロバチックな動きをしている訳ではない。リハーサルだから流してる部分が多い。バックダンサーたちと打ち合わせしながら、演出家と話し合いながら、ミュージシャンに指示を出しながら、マイケル・ジャクソンが音楽に合わせて仕草を繰り出す、それら全てが「踊り」に見える。バックダンサーたちの方が若い上に踊り専門の人たちなのだろうが、それでもマイケル・ジャクソンに目が行く。年齢一桁の頃から人前で踊ってきたプロ中のプロが繰り出す名人芸としての「踊り」である。
マイケル・ジャクソンがこのように踊ったから、「男の踊り」が世界的にここまでポピュラーになったのではないかと私は推察している。これまでも「男の踊り」は存在したが、ボールルームでもタップダンスでもバレエでもジャズダンスでも、ここまで世界中の踊り心のある青年たちの心は掴まなかった。「踊りの国」であるインドで、ボリウッド男優たちがマイケル・ジャクソンの真似をする様子を見ていて、改めて彼の偉業に唸ったことがある。「男としてカッコよく踊る」というのを見事にやって見せたのはマイケル・ジャクソンなのではないのか。整形何十回とか奇妙な隠遁者人生とか、もうどうでもいいのである。マイケル・ジャクソンはダンス史に名を刻むべき芸術家だと私は確信している。
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