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![【電子版】月刊コミックビーム 2022年3月号 [雑誌]](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/913kfHpBbYL._AC_UL140_SR140,140_.jpg)
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他誌に比べると漫画家諸氏の表現の自由度が高そうな漫画誌。
奇妙な味の作品から繊細な心情を描く作品までバラエティに富んだマンガ作品が揃った印象です。
21世紀のガロ的な存在感を示していますが、最近グラフィック的にも非常に実験的な絵柄の漫画家さんがお見受け出来ます。
電子版のレビューとなります。
（少し内容に触れています）
【新連載】
○西尾雄太氏「下北沢バックヤードストーリー」新連載＆巻頭カラー。
下北沢でユーズド＆ヴィンテージ服店を経営する椹木錕（さわらぎ こん）を主役とした私生活と服飾店経営の面白さ、難しさの日常を描いた作品。
○わだちず氏「みちみち」青林工藝社アックス出身のわだちず氏が業務提携（？）しているビーム誌にて初連載。
自身素晴らしい漫画家の西村ツチカ氏が絶賛しているそうですが、絵の力を感じさせるマンガ。
【読み切り】
シリーズ【息吹】第９弾
○なごり悠氏「白魚の極楽」美人ながらいつも沈んだ様子の銭湯の馴染客に自身入浴して話しかける店員。
デフォルメされた絵で女性の柔らかなフォルムを描ける方。
○なおいまい氏「乙女ゲームの悪役ライバル女子に転生したので、陰から推し（ヒロイン）を支えたいと思います！(仮)」ゲームの中に転生した女子の一人語りから先ず始まって…。入れ子状のメタな漫画。
【連載陣】
〇カネコアツシ氏「EVOＬ」ノゾミ率いるイーヴォーをヴィランと認定したヒーロー、ヘルイーターのダーク＆ブライトコンビが彼らを倒しに現れる。
浮足立つ子供たちを逃がし、ヘルイーターと対峙するノゾミだが…。
〇三宅乱丈氏「fish-フィッシュ-」司の奪還に失敗したヒロキと悟は自身のヤマを持たないメイリンの特異性、恐ろしさを語る。
身分を隠し、獣医の心を操って傷付いたヒロキの治療を続ける悟だが、遂に会社の魔の手が…。
〇やまじえびね氏「女の子のいる場所は」短期集中連載。
信仰により西洋社会では当然の権利自由が認められない国で暮らす多感な少女たちを主人公とした連作。
第2回目はイスラム国の中では規制が緩やかな印象のモロッコを舞台に、聡明な姉妹と彼女達の家に暫く逗留する事になった昔気質のお婆さんとの軋轢のお話。
〇胃下舌ミィ氏「僕の心がチューと鳴く」ある日より猫になると宣言してそうなったつもりの養父に釣られてか、子供の頃ネズミになった気でいた義理の息子も体感的にネズミになってしまった。
傍からは二人とも人間のママ動物の振りをするイタイ人物なのだが本人たちだけは互いに猫とネズミとクオリア的に認識中と言うややこしいが面白い漫画。
〇羽生生純氏･画、本兌有氏+杉ライカ氏・作『アラタの獣』超能力者を持たない百笑組が先制攻撃と重武装で宿敵箆鮒会に対し善戦する。
熱戦に燃えた黎は助勢中に新たな力に目覚める。
○シマ・シンヤ氏「グリッチ（GLITCH）」最近のビーム誌は差別に関して物言う作品を多く掲載しているが、本作も異世界から心ならずも地球に転送されてしまった異形の人々達を隠喩に上手く問題を読者に提示している。
ホラーと言うよりジュブナイルSFとして面白くなってきた。
新しい通報女性も只の敵役では終わりそうもない。
○文野紋氏「ミューズの神髄」家を出て再び絵の世界に身を投じる決心をした美優は素直に絵画教室にて現在の実力の評価を受ける事に。
○林史也氏「世襲制トライアングル」主人公が学生時代屈託を持ちながらも好いて付き合っていた友人と顔はそっくりながらとても常識のある好人物に見える息子に対してもやはり…。
○高妍氏「緑の歌」緑から自分の音楽に対する好意的な評価を受けた南峻。
真摯な芸術家らしく自分の本当の実力を知る彼はそれを素直に喜べない。
台湾の大学生を主役にした、奥ゆかしくて好感が持てる青春漫画。良い。
○ミヤタキョウゴロウ氏「ニックとレバー」アメリカンなコンビが繰り広げるマンガ的でスラップスティックなギャグ。
遂に二人に警察の手が？
○黒崎冬子氏「平家物語夜異聞（へいけものがたりよるくんのはなし）」実は日本史に疎かった夜君は自分がどっぷり浸かってしまった平家が源氏に滅ぼされる運命である事を改めて知り戦慄。
○田辺剛氏・作、H.P.ラヴクラフト作「ダニッチの怪」ホウェイトリイ家に生まれた早熟の天才少年ウィルバーにはマスコミの関心が集まるが、周辺住民は彼の異様な成長速度と犬に極度に嫌われ、本人も平気で他人の飼い犬を射殺す冷酷さに嫌悪感を隠せなくなり…。
○原百合子氏「繭、纏う」ハレの場である筈のクリスマスのダンスパーティーを前にいよいよ緊張が高まる九条周辺。
○丸尾末広氏「アン・グラ」狂騒の70年代、漫画家を目指すミゲルは定時制で同級だった青年が連続射殺事件を起こしたことをニュースで知る。
〇川崎タカオ氏「感動ロボ カンドウノボル」エッセイコーナーに鎮座する四コマ。
隠れた長期連載作。155回目です。
【読み物】
〇姫乃たま氏「ビーム劇場：伊図透氏 前篇」評者的にはアクション誌上で初めて接してから他の漫画家に無い視点、漫画より他の芸術作品に深く影響を受けている様子が好ましかった漫画家さん。
本人もその点に関して少し触れてくれているのが嬉しい。
〇神山修一氏：文、ほりのぶゆき氏：挿絵「寝取らせ？ビーマー：ジョセフィーヌ」有名なナポレオンの御后。
〇市橋俊介氏：文、絵「ふろって」第237回は「新春サンソンソー22」地球の自転、公転にある恐怖を感じると熱く語る市橋氏。
〇唐沢よしこ氏:文、唐沢なをき氏:絵「オトナでよかったヤング館」『オトナの咲』の巻
最近、スマホゲームの『ピグミンブルーム』に嵌っている唐沢家。
〇DJ.TKD氏:文、竹谷州史氏：絵「今月音イカレた1枚：日向坂46の『ってか』
【休載】
●とりのささみ氏「N極物語」
●伊図透氏「全速力の。」
●中憲人氏「シールの赤ちゃん」
●中野シズカ氏「てだれもんら」中野氏の体調が戻るまで暫くお休みとの事。
●鳥野しの氏「egg」
●桜玉吉氏「伊豆日記シリーズ」不定期連載。
●和山やま氏「ファミレス行こ」不定期連載。
最後の2作を除いた作品はコミックビームのHP上でもまだ休載扱いになっている作品のみ掲載しています。
【次号予告】
・読切：辻恵氏「家事代行機械ハルくん」前編
・読切企画息吹第10陣：on氏「地球最後の日にオフ会」、月森吉音氏「ブルーデージーの散歩道」
・2/12に1、２巻が発売予定の「fishが巻頭カラーで掲載予定。
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