ここのところ最もお気に入りになりつつあるTemperanceの5枚目のアルバム。
前作Of Jupiter and Moonsではオーソドックスなシンフォニックメタル色が強かったですが、このViridianアルバムではまたThe Earth Embraces Us Allのようにモダンメタルの雰囲気が強くなっています。
The Earth Embraces Us Allでは女性2人男性1人のリードボーカル構成、Of Jupiter and Moonsでは男女1人ずつの構成でしたが、今作は女性1人男性2人のリードボーカル構成となっており、これもまた変化で面白いものだと思いました。
Temperance最大の魅力と思っているメロディですが、今作でもその魅力は衰えていないかと。
ただ、上記2枚のアルバムは初回聴いた時からビビっときて聴く曲片っ端からお気に入りリストに入れる勢いだったのですが、今作ではお気に入りに入れるのに少し聴きこみが必要でした。聴きこめば良いメロディと掴めるのですが、初聴きのインパクトは過去作と比べると少し弱いです。しかし、Youtubeで公開されているMy Demons Can't SleepやタイトルチューンのViridian、The Cult of Mysteryなど相変わらずキャッチーな曲は健在ですので、初めはピンとこなくても何周か聴きこむことをお勧めします。
☆5から一つ減らした理由としては、アルバム単位の勢いとしては後半で尻すぼみになっていること(これは私の好みですが、#10~12はバラード曲となっており、ここにもう一曲ほど盛り上がる曲が欲しかった)と、音楽的な面白みが薄かったことです。
The Earth Embraces Us Allでは質の異なる女性ボーカル二人+男性ボーカルの掛け合いや、プログレッシブ的な楽曲展開のバリエーションの豊かさが素晴らしく、またOf Jupiter and Moonsではオーソドックスではありながら重厚かつメロディの質がとても素敵でした。
その2枚のアルバムと比較すると少し印象が薄いアルバムという感想です。
とは言いつつも、決して「外れ」アルバムという訳ではなく変わらず素敵な重奏ボーカルメロディを楽しむことはできますので、買って損はないアルバムかと思います。
次作はどう変化するのか。楽しみに待ちたいです。