この本は2012年発行ですが、YouTubeで紹介されていたので購入しました。原本の「失敗の
本質」は難度が高く読み込めていなかったのですが、この本は読みやすく、一気に読みました。
内容も非常に整理され論理的で、クリアに頭に入ってきます。大東亜戦争時の日本軍の敗戦の
原因と、バルブ崩壊後の失われた20年の日本の景気低迷の類似性を明確に指摘しています。
<読書メモ>
◯戦略とは、いかに「目標につながる勝利」を選ぶか考えること。戦術で勝利しても、最終的
な勝利には結びつかない。
◯「体験的学習」で一時的に勝利しても、成功要因を把握できないと長期的には敗北する。
◯効果を失った指標を追いかけ続ければ必ず敗北する。
◯日本は一つのアイデアを洗練させていく練磨の文化。しかし、閉塞感を打破するにはゲーム
のルールを変えるような劇的な変化が必要。ゲームのルールを変えたものだけが勝つ。
◯人事評価制度の指標変更は、組織運営の最大のイノベーション。
この本を読んで戦時の日本軍は負けるべくして負けたのが良く分かりました。また戦後、高度
成長期に高機能、高性能の製品で世界を席巻した日本が、マイクロソフトやアップルまたイン
テルなどゲームのルールを変えたプレーヤーにその後、負けていった理由も腑に落ちました。
著者も言っていますが、この本は日本人論の本です。「時代の転換点」に立つ現在の日本に通
じるものが多々あります。この本は名著「失敗の本質」から示唆の多くを得ていますが、現在
の日本に対する解釈は、著者の思考の咀嚼を通ることで、さらに理解しやすい形になっていま
す。
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