とっても面白かったです!
“一応日本人”としての私も、ちょっと心がスッキリした感覚です!
でも、ヨーロッパ30年在住の私、ちょっと違うかな?って言う点も。。。
公共の場などのドアを背後の人のために持ってくれる。。。こう言った経験は、ヨーロッパでは日常茶飯事ですが、
だからと言って、そう言う人達と、「個人対個人」で付き合って、親切か?と言うと、又別の話です。
勿論、鴻上さんが仰るように、「社会」に属しているか、「世間」に属しているかの違いだと言う説も、合っていると思うし、
もし後から来る人が、自分の知人や友人だったら、日本人も、ドアを手で押さえて待っているでしょう。
でも、この例えで、日本の”それ“を言い切るにはちょっと違うかな?とも思います。
こちらでは、田舎のスーパーでさえ、車椅子の人は、サーっと店員(その人の性格、社会性や教養と関係なく)が来て、
手の届かないものを付き添って取ってくれたりも、当たり前で日常的です。(知人であろうとなかろうと)
私は、偶然3.11の翌日に日本に帰国していて、まだ国内でメルトダウンが知らされない時点に、夫からすぐ戻るように!と言われ、
ルフトハンザのチャーター機で、日本脱出の外国人達に混じって在住国に戻りました。
その時、人生で初めて!と思うほどの、乗り換え国ドイツでの“人道的”?扱いを受けました。
でも、これって、じゃあその時働いていた人達が、個人的にも常に親切で、親身かと言うと、また違うのですよねー
他の国のこう言うことを例に取って、日本の「社会」と「世間」を論じるには、少し無理があるような気がします。
文中の、フランス人が電車の中での忘れ物が戻ってきてびっくりした話も、うんうんと頷きながら、社会の違い、文化の違い、
世間、”空気の濃度“?の違い 。。。。簡単じゃないなーと思いながら読みました。
でも、その分!若い人達には狭い日本だけの、「世間」や「空気」に振り回されないで欲しいと思います。
最後の「大人とは、世間と社会の振り子を積極的に楽しみながら生きて行く人」。。。もう十分過ぎる大人年齢の私ですが、
そう言う熟した大人として、残りの人生を楽めたらと思います。
若い人達に是非読んで貰いたい一冊です!
「空気」と「世間」 (講談社現代新書) (日本語) 新書 – 2009/7/17
鴻上尚史
(著)
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ISBN-104062880067
-
ISBN-13978-4062880060
-
出版社講談社
-
発売日2009/7/17
-
言語日本語
-
寸法10.6 x 0.7 x 17.4 cm
-
本の長さ256ページ
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商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
会社、学校、家族、ネット、電車内―どこでも「うんざり」してしまう人へ。「空気」を読まずに息苦しい日本を生き抜く方法。人気の脚本・演出家がこの10年間、ずっと考えてきたことの集大成。
著者について
作家・演出家。1958年愛媛県出身。81年に劇団「第三舞台」を結成し、演劇活動をスタート。87年「朝日のような夕日をつれて‘87」で紀伊國屋演劇賞団体賞、95年「スナフキンの手紙」で岸田國士戯曲賞を受賞。現在は、プロデュースユニットKOKAMI@networkと新たに若手の俳優を集めて旗揚げした「虚構の劇団」での作・演出が活動の中心。舞台公演のかたわら、エッセイや演劇関連の著書も多く、ラジオ・パーソナリティ、テレビの司会、映画監督など幅広く活動。
『あなたの魅力を演出するちょっとしたヒント』『表現力のレッスン』『人生に希望をくれる12の物語』(以上、講談社)、『発声と身体のレッスン』(白水社)『僕たちの好きだった革命』(角川学芸出版)、『ヘルメットをかぶった君に会いたい』(集英社)、『俳優になりたいあなたへ』(ちくまプリマー新書)、『孤独と不安のレッスン』(大和書房)「ドン・キホーテ」シリーズ(扶桑社)他著書多数。
『あなたの魅力を演出するちょっとしたヒント』『表現力のレッスン』『人生に希望をくれる12の物語』(以上、講談社)、『発声と身体のレッスン』(白水社)『僕たちの好きだった革命』(角川学芸出版)、『ヘルメットをかぶった君に会いたい』(集英社)、『俳優になりたいあなたへ』(ちくまプリマー新書)、『孤独と不安のレッスン』(大和書房)「ドン・キホーテ」シリーズ(扶桑社)他著書多数。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
鴻上/尚史
作家・演出家。1958年愛媛県出身。81年に劇団「第三舞台」を結成し、演劇活動をスタート。87年「朝日のような夕日をつれて’87」で紀伊國屋演劇賞団体賞、95年「スナフキンの手紙」で岸田國士戯曲賞を受賞。現在は、プロデュースユニットKOKAMI@networkと新たに若手の俳優を集めて旗揚げした「虚構の劇団」での作・演出が活動の中心。舞台公演のかたわら、エッセイや演劇関連の著書も多く、ラジオ・パーソナリティ、テレビの司会、映画監督など幅広く活動(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
作家・演出家。1958年愛媛県出身。81年に劇団「第三舞台」を結成し、演劇活動をスタート。87年「朝日のような夕日をつれて’87」で紀伊國屋演劇賞団体賞、95年「スナフキンの手紙」で岸田國士戯曲賞を受賞。現在は、プロデュースユニットKOKAMI@networkと新たに若手の俳優を集めて旗揚げした「虚構の劇団」での作・演出が活動の中心。舞台公演のかたわら、エッセイや演劇関連の著書も多く、ラジオ・パーソナリティ、テレビの司会、映画監督など幅広く活動(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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NHKBS「クールジャパン」は大好きな番組です。
が外国人から見たニッポンのサプライズをテーマに取り上げ、様々な意見を討論します。
日本の事物の見方が納得、驚愕、意外で改めて日本をみなすことになります。
この番組のMCが鴻上尚史さんで、劇作家・演出家の他、ラジオ、TVでも活躍しておられます。
この本は、鴻上さんの体験とキャリアを通じて「世間と空気」を解き明かしています。
空気と世間を論じることにより見事な日本人論・日本論になっています。
明治時代に、「個人」「社会」という言葉が輸入されました。
欧米では、中世ヨーロッパのキリスト教の告解を通じて、絶対的な存在である「神」と対峙することにより「個人」が確立します。
個人を規定するのは神のみであり周囲ではありません。
この個人が「法」を通じて「社会」が形成されました。
日本には、絶対的な神はなく、社会もありません。
社会は、公的な資料や書物にしか存在しません
あるのは「世間」とその中での序列に従う構成員だけで、行動規範は、所属する世間の掟、ルールです。
会社、派閥、クラブ活動、政治団体、官僚機構などあらゆる集団・団体・組織がそうです。
世間のルールは、1.贈与・互酬の関係(持ちつ持たれつ)、2.長幼の序、3.共通の時間意識(お互い、同じ時間を生きているという意識)、4.差別的で排他的、5.神秘性(合理性のないことが信じられ、守ることが求められる)の5つがあります。
世間は処世上、絶対的な存在として、自分を支え、守ってくれるもので、利害関係のある人々の集団です。
それは、個人を支えるものである一方、個人を抑圧するものでもあります。
世間はうっとおしく思う反面、暗黙のルールに従ってさえいれば自分を守ってくれます。
都市化、グローバル化によって段々「世間」が壊れてきており、その中で「世間」は流動化し、中途半端に壊れています。
この中途半端に壊れた世間を鴻上さんは「空気」と呼びます。
壊れた「世間」にかわって現在の日本人、とくに若い人たちを支配して猛威をふるっているのが「空気」だという指摘します。
空気が支配する集団が、おぞましい方向に暴走するのがいじめ問題、ネットのバッシングなどです。
空気に対抗する処方も書かれています。
この本は、山本七平「空気の研究」、阿部謹也「世間とはなにか」に触発され参考にしています。
この本には紹介されていませんが、いじめについては精神科医・中井英夫先生の「虚無への供物」に、いじめのメカニズムが見事に解明されています。
鴻上さんは、この本をいじめに苦しんでいる中学生にまで読んでほしい、とあとがきに書いています。
が外国人から見たニッポンのサプライズをテーマに取り上げ、様々な意見を討論します。
日本の事物の見方が納得、驚愕、意外で改めて日本をみなすことになります。
この番組のMCが鴻上尚史さんで、劇作家・演出家の他、ラジオ、TVでも活躍しておられます。
この本は、鴻上さんの体験とキャリアを通じて「世間と空気」を解き明かしています。
空気と世間を論じることにより見事な日本人論・日本論になっています。
明治時代に、「個人」「社会」という言葉が輸入されました。
欧米では、中世ヨーロッパのキリスト教の告解を通じて、絶対的な存在である「神」と対峙することにより「個人」が確立します。
個人を規定するのは神のみであり周囲ではありません。
この個人が「法」を通じて「社会」が形成されました。
日本には、絶対的な神はなく、社会もありません。
社会は、公的な資料や書物にしか存在しません
あるのは「世間」とその中での序列に従う構成員だけで、行動規範は、所属する世間の掟、ルールです。
会社、派閥、クラブ活動、政治団体、官僚機構などあらゆる集団・団体・組織がそうです。
世間のルールは、1.贈与・互酬の関係(持ちつ持たれつ)、2.長幼の序、3.共通の時間意識(お互い、同じ時間を生きているという意識)、4.差別的で排他的、5.神秘性(合理性のないことが信じられ、守ることが求められる)の5つがあります。
世間は処世上、絶対的な存在として、自分を支え、守ってくれるもので、利害関係のある人々の集団です。
それは、個人を支えるものである一方、個人を抑圧するものでもあります。
世間はうっとおしく思う反面、暗黙のルールに従ってさえいれば自分を守ってくれます。
都市化、グローバル化によって段々「世間」が壊れてきており、その中で「世間」は流動化し、中途半端に壊れています。
この中途半端に壊れた世間を鴻上さんは「空気」と呼びます。
壊れた「世間」にかわって現在の日本人、とくに若い人たちを支配して猛威をふるっているのが「空気」だという指摘します。
空気が支配する集団が、おぞましい方向に暴走するのがいじめ問題、ネットのバッシングなどです。
空気に対抗する処方も書かれています。
この本は、山本七平「空気の研究」、阿部謹也「世間とはなにか」に触発され参考にしています。
この本には紹介されていませんが、いじめについては精神科医・中井英夫先生の「虚無への供物」に、いじめのメカニズムが見事に解明されています。
鴻上さんは、この本をいじめに苦しんでいる中学生にまで読んでほしい、とあとがきに書いています。
2017年2月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
息苦しい「世間」の中で、どのように生きればいいのか。当たり前のように言葉にするようになった「空気を読め!」の、「空気」の正体とは、一体何なのか。興味を惹かれ、この本を手に取った。
印象深いポイントは、
「空気」とは、「世間」が流動化したものであり、不動で確固たる「世間」からすれば、まだ「変化の可能性を感じるもの」
まず「空気」から脱却し、「自由」になること。そのためには、自分の精神を拘束しているものが何なのか、徹底的に探求すること。すべてはここに始まる。
本当に楽しめて、わくわくするような「共同体」を見つけ、「世間」から密かに精神的に脱出する。自分を支えるために、緩やかに所属する複数の共同体を選ぶ。それが、「世間」の中で、窒息せずに生き延びるコツだと、著者は述べている。
とても、読みやすかった。まさに現代人が1人で思い悩んでいるような疑問を、分かりやすい文章で教えてくれるような本だ。
おわりに、の部分で、息苦しさに苦しむ子供たちにもこの本の内容を伝えて欲しい、という点も、著者の思いが伝わり、とても良い。
星一つ減らしたのは、引用が多いな、という点。
もう一度、もっとじっくりと深く読み直したいと思う。
印象深いポイントは、
「空気」とは、「世間」が流動化したものであり、不動で確固たる「世間」からすれば、まだ「変化の可能性を感じるもの」
まず「空気」から脱却し、「自由」になること。そのためには、自分の精神を拘束しているものが何なのか、徹底的に探求すること。すべてはここに始まる。
本当に楽しめて、わくわくするような「共同体」を見つけ、「世間」から密かに精神的に脱出する。自分を支えるために、緩やかに所属する複数の共同体を選ぶ。それが、「世間」の中で、窒息せずに生き延びるコツだと、著者は述べている。
とても、読みやすかった。まさに現代人が1人で思い悩んでいるような疑問を、分かりやすい文章で教えてくれるような本だ。
おわりに、の部分で、息苦しさに苦しむ子供たちにもこの本の内容を伝えて欲しい、という点も、著者の思いが伝わり、とても良い。
星一つ減らしたのは、引用が多いな、という点。
もう一度、もっとじっくりと深く読み直したいと思う。
2020年6月7日に日本でレビュー済み
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連日のコロナ報道のなかで、日本人の同調性が強調・揶揄されている。これを受け、その同調性とは一体どのようなもので、何に起因するものなのか、急に疑問がふつふつと沸き、本著を手に取るに至った。
結論、筆者が主張する「空気」とはすなわち、”世間感”から染み出したものであり、それは昔の稲作文化を契機として、また日本の宗教事情も相まって今なお色濃く残っている、と述べられている。
・空気=世間を構成する5つのルールのうち、いくつかだけが機能している状態。世間までは確固とした強制力はないけれど、十分にその要素を含みながら流れている感覚、だろうか。
・世間=下記5つのルールのうえに成り立つ共同体の在り方
①「贈与・互酬の関係」→何かもらったら必ず返す。
②「長幼の功」→年上が偉い。
③「共通の時間意識」→同じ時間を生きている ※企業間での「お世話になります」の例が興味深かった。
④「差別的で排他的」→仲間外れを意識・無意識的に醸成する
⑤「神秘性」→根拠のない しきたり、迷信、伝統
この世間は、稲作という経済的な要請(水利、一斉の田植・収穫・台風への備え)に起源があるという主張は、実は本著以外でも多く述べられている。しかし、私がその度に疑問に思っていたのが、当時の村文化がなぜ現代の日常生活まで深く根付いているのか?という点だ。教育システムもその一端を担っているのは間違いないが、何か判然としないものがあった。
そこで本著が指摘しているのが宗教観だ。つまり、一神教を信仰している民族は、神と個の絶対的な繋がりがあり、そこに人間同士の横のつながりが、個の意思決定に入り込む余地は少ない。しかし、日本人の多くは神というセーフティネットを持っていないため、その代わりに世間という感覚を持ち込むによって、判断の妥当性が支えられている、というもの。逆説的にいうと、欧米もキリスト教の信仰がなければ、もっと世間に生きていた筈、と述べられている。
これは反論の余地も多いにありそうな見解であるが、個人的には稲作文化だけに根拠を委ねるより、納得のいくものであった。
その他にも、世間は必ずしも悪ではない、という姿勢に拠りながらも
・みんな言っている=全員ではありえないこと
・老人の昔はクーラーなくとも平気であった=ただクーラーが存在しなかっただけ。美徳ではない。
・空気があっても、言いたいことは言う、ぐらいの個人の強さはあってもいい
・他人の迷惑になるか否かは欲望をぶつけあわないとわからない、求められるのは相手を思いやる能力だけでなく、相手とちゃんと交渉できる能力
といったような痛快な主張が多く、今後の自分の思考・行動を律することにも役立てたいと感じる。
子育てをする親御様にとっても、お子さんをどのように世間・空気と関わらせていくか、有益な教科書の一冊になるのではないか。
結論、筆者が主張する「空気」とはすなわち、”世間感”から染み出したものであり、それは昔の稲作文化を契機として、また日本の宗教事情も相まって今なお色濃く残っている、と述べられている。
・空気=世間を構成する5つのルールのうち、いくつかだけが機能している状態。世間までは確固とした強制力はないけれど、十分にその要素を含みながら流れている感覚、だろうか。
・世間=下記5つのルールのうえに成り立つ共同体の在り方
①「贈与・互酬の関係」→何かもらったら必ず返す。
②「長幼の功」→年上が偉い。
③「共通の時間意識」→同じ時間を生きている ※企業間での「お世話になります」の例が興味深かった。
④「差別的で排他的」→仲間外れを意識・無意識的に醸成する
⑤「神秘性」→根拠のない しきたり、迷信、伝統
この世間は、稲作という経済的な要請(水利、一斉の田植・収穫・台風への備え)に起源があるという主張は、実は本著以外でも多く述べられている。しかし、私がその度に疑問に思っていたのが、当時の村文化がなぜ現代の日常生活まで深く根付いているのか?という点だ。教育システムもその一端を担っているのは間違いないが、何か判然としないものがあった。
そこで本著が指摘しているのが宗教観だ。つまり、一神教を信仰している民族は、神と個の絶対的な繋がりがあり、そこに人間同士の横のつながりが、個の意思決定に入り込む余地は少ない。しかし、日本人の多くは神というセーフティネットを持っていないため、その代わりに世間という感覚を持ち込むによって、判断の妥当性が支えられている、というもの。逆説的にいうと、欧米もキリスト教の信仰がなければ、もっと世間に生きていた筈、と述べられている。
これは反論の余地も多いにありそうな見解であるが、個人的には稲作文化だけに根拠を委ねるより、納得のいくものであった。
その他にも、世間は必ずしも悪ではない、という姿勢に拠りながらも
・みんな言っている=全員ではありえないこと
・老人の昔はクーラーなくとも平気であった=ただクーラーが存在しなかっただけ。美徳ではない。
・空気があっても、言いたいことは言う、ぐらいの個人の強さはあってもいい
・他人の迷惑になるか否かは欲望をぶつけあわないとわからない、求められるのは相手を思いやる能力だけでなく、相手とちゃんと交渉できる能力
といったような痛快な主張が多く、今後の自分の思考・行動を律することにも役立てたいと感じる。
子育てをする親御様にとっても、お子さんをどのように世間・空気と関わらせていくか、有益な教科書の一冊になるのではないか。
2015年12月30日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
大変興味深く読まさせていただきました。日本社会の特徴を西洋と比べ、「個人」のない日本社会に、「個人」の存立を基盤とし「法」によって決定するという西洋の民主主義のシステムを形だけまねて取り入れたことから始まる様々な問題を考えさせられました。現在もその矛盾はますます多方面に広がっているように思います。現代は、過去にはセーフティーネットであった「世間」を疎ましくおもい、そこから逃れ「自由」を手に入れたかもしれませんが、「個人」の自覚のない日本では、「自由」がわがままと無責任になっているように思います。日本の現在の問題の根っこにある日本人の弱点を考える良い本でした。
2020年9月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この本が書かれて10年が経過した。世代も変わってきており、「世間」の崩壊も、より進んでいる部分もあろうかと思う。
個人は何を拠り所とすれば良いのだろうか。日本人として、どのように生きていけば良いのだろうか。悩む…。
それにしても、日本語は、摩訶不思議だ。著者も書いているとおり、一人称も二人称も三人称も、たくさんの表現がある。そして、この複雑な日本語を、難なく使いこなす日本人。日本語の良さを理解し、守ることと、世間が残ることは関係するのか。
日本の強さは、日本語にあるように思えて、だが、それを大事にすることが、生きにくくすることにつながるのであれば、日本人は、どうすることが求められるのか。
ま、難しいことは、頭の片隅に置いて、たまに考えるくらいにして、自分の好きなことを考えよう。
個人は何を拠り所とすれば良いのだろうか。日本人として、どのように生きていけば良いのだろうか。悩む…。
それにしても、日本語は、摩訶不思議だ。著者も書いているとおり、一人称も二人称も三人称も、たくさんの表現がある。そして、この複雑な日本語を、難なく使いこなす日本人。日本語の良さを理解し、守ることと、世間が残ることは関係するのか。
日本の強さは、日本語にあるように思えて、だが、それを大事にすることが、生きにくくすることにつながるのであれば、日本人は、どうすることが求められるのか。
ま、難しいことは、頭の片隅に置いて、たまに考えるくらいにして、自分の好きなことを考えよう。