記述の中心が独断と偏見であることは著者自身が認めているし(p.5)、書き方が下品で差別的なのは「芸風」として故意にやっていることだろうから敢えて突っ込まないが、全般に情報の質が低い。知ったかぶり、勘違い、賞味期限切れになった古い情報のたぐいである。
一例を挙げれば、「首都圏鉄道駅別ざっくりネタ帳」なる章で新松戸の項目を見ると「『STAP細胞はありまぁす』で有名なお某方(ぼうかた)さんのご実家があるらしい街」などと書いてある(p.491)。著者は迂闊にも、松戸新田と新松戸を混同している。「お某方さんの実家」の最寄り駅は新京成の松戸新田か、みのり台である。無理に常磐線を使うとしても新松戸から二駅離れた北松戸である。
松戸新田と新松戸、字面が似ているので著者は勘違いしたのだろう。東京でいえば池袋と沼袋、馬込と駒込、千駄木と千駄ヶ谷を混同するようなものである。お粗末という他ない。地図を見ればすぐわかるのだから、それぐらい確認してから活字にしてほしい。独断でも偏見でもいいが、基本情報は押さえてくれ。チェックを入れるべき編集者がまともに仕事をしていないのだろうか。こういうことがあると、細かく取材した記事の信頼性も疑わしくなってくる。
人間だから知らないことがあるのは仕方ないが、知らないことについては言及しないか、あるいは「知りません」と正直に白状するのが情報を発信する上での基本ではないか。下品で差別的なのはいいとしても、不誠実なのはいただけない。
なお、金沢文庫の項目は「昔そういう名前のAV女優いませんでした?」(p.456)。いたけど、関係ないだろう。書くことがなくて困っているのはわかるが、苦しすぎる。
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