本の帯にある大竹、小室両先生の推薦文につられて、3章までは読んでみたものの残念ながら期待外れであった。
以下、その理由は以下の通り
1)単純につまらない
1章においては、「晩婚化と未婚化」について取り上げられているが、内容については「男は女性に美貌を求め、女性は男性に収入を求める」といったありふれた結論でつまらない。
2)経済学の視点が活かされていない
「第2章 赤ちゃんの経済学」においては「出生体重の影響」「帝王切開のリスク」「母乳育児の是非」といったことを取り上げているが、これらは医学分野の知見であり、経済学者が改めて取り上げる意味が分からない。
『「家族の幸せ」の経済学』というタイトルから経済学的視点ならではの切り口(たとえば「市場メカニズム」等)で論じているものと期待させるが、統計数字の羅列(これをエビデンスというのかな?)に留まっており、そうはなっていない。
3)著者の主張の導出に説得力がない
「第3章 育休の経済学」においては、「「育休3年制」は無意味。1年がベスト」と著者は主張する。
その根拠については著者の数理モデルから女性の出産や就業行動がどのように変化するかをコンピューターで予測したとのことだが、この過程が完全にブラックボックス化しており不明瞭で、著者の個人的な趣味や経験からそう主張しているかのような印象を受ける。(紙数の都合でそうなったとしたら、URLなどで参照できるようにすればよかったのでは)
また、全体的に現状追認型の主張に偏っているあたりも気になるところだ。
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「家族の幸せ」の経済学 データ分析でわかった結婚、出産、子育ての真実 (光文社新書) 新書 – 2019/7/17
購入を強化する
大竹文雄氏(大阪大学大学院教授・『経済学的思考のセンス』)
「結婚、子育てで悩む人に、最新のエビデンスとその活かし方を気鋭の経済学者が教えてくれる」
中室牧子氏(慶應義塾大学教授・『「学力」の経済学』)
「私が選んだ、2010年代のベスト経済書。ものすごくわかりやすいのに、知的刺激に満ちた一冊。」
あなたを安心に誘う真実が満載!
□ 保育園は、母親の「幸福度」を高める
□ 保育園は、子どもの「攻撃性」を減少させる
□ 「育休3年制」は意味がない。1年で充分
□ 母乳育児の「知能」「肥満」への効果はない
□ 日本の低出生体重児の数は世界3位
□ パパの育休は、子の16歳時の偏差値を上げる
◎内容紹介◎
「帝王切開なんかしたら落ち着きのない子に育つ」
「赤ちゃんには母乳が一番。愛情たっぷりで頭もよくなる」
「3歳までは母親がつきっきりで子育てすべき。子もそれを求めてる」
出産や子育ては、このようなエビデンス(科学的根拠)を一切無視した「思い込み」が幅をきかせている。
その思い込みに基づく「助言」や「指導」をしてくれる人もいる。
親身になってくれる人はありがたい。
独特の説得力もあるだろう。
しかし、間違っていることを、あなたやその家族が取り入れる必要はまったくない。
こういうとき、経済学の手法は役に立つ。
人々の意思決定、そして行動を分析する学問だからだ。
その研究の最先端を、気鋭の経済学者がわかりやすく案内する。
◎目次◎
第1章――結婚の経済学
第2章――赤ちゃんの経済学
第3章――育休の経済学
第4章――イクメンの経済学
第5章――保育園の経済学
第6章――離婚の経済学
◎著者プロフィール◎
山口慎太郎(やまぐちしんたろう)
東京大学経済学部・政策評価研究教育センター准教授。
1999年慶應義塾大学商学部卒業。2001年同大学大学院商学研究科修士課程修了。2006年アメリカ・ウィスコンシン大学経済学博士(Ph.D)取得。
カナダ・マクマスター大学助教授、准教授を経て、2017年より現職。
専門は、結婚・出産・子育てなどを経済学的手法で研究する「家族の経済学」と、労働市場を分析する「労働経済学」。
本書が初の著書となる。
Twitter @sy_mc
「結婚、子育てで悩む人に、最新のエビデンスとその活かし方を気鋭の経済学者が教えてくれる」
中室牧子氏(慶應義塾大学教授・『「学力」の経済学』)
「私が選んだ、2010年代のベスト経済書。ものすごくわかりやすいのに、知的刺激に満ちた一冊。」
あなたを安心に誘う真実が満載!
□ 保育園は、母親の「幸福度」を高める
□ 保育園は、子どもの「攻撃性」を減少させる
□ 「育休3年制」は意味がない。1年で充分
□ 母乳育児の「知能」「肥満」への効果はない
□ 日本の低出生体重児の数は世界3位
□ パパの育休は、子の16歳時の偏差値を上げる
◎内容紹介◎
「帝王切開なんかしたら落ち着きのない子に育つ」
「赤ちゃんには母乳が一番。愛情たっぷりで頭もよくなる」
「3歳までは母親がつきっきりで子育てすべき。子もそれを求めてる」
出産や子育ては、このようなエビデンス(科学的根拠)を一切無視した「思い込み」が幅をきかせている。
その思い込みに基づく「助言」や「指導」をしてくれる人もいる。
親身になってくれる人はありがたい。
独特の説得力もあるだろう。
しかし、間違っていることを、あなたやその家族が取り入れる必要はまったくない。
こういうとき、経済学の手法は役に立つ。
人々の意思決定、そして行動を分析する学問だからだ。
その研究の最先端を、気鋭の経済学者がわかりやすく案内する。
◎目次◎
第1章――結婚の経済学
第2章――赤ちゃんの経済学
第3章――育休の経済学
第4章――イクメンの経済学
第5章――保育園の経済学
第6章――離婚の経済学
◎著者プロフィール◎
山口慎太郎(やまぐちしんたろう)
東京大学経済学部・政策評価研究教育センター准教授。
1999年慶應義塾大学商学部卒業。2001年同大学大学院商学研究科修士課程修了。2006年アメリカ・ウィスコンシン大学経済学博士(Ph.D)取得。
カナダ・マクマスター大学助教授、准教授を経て、2017年より現職。
専門は、結婚・出産・子育てなどを経済学的手法で研究する「家族の経済学」と、労働市場を分析する「労働経済学」。
本書が初の著書となる。
Twitter @sy_mc
- 本の長さ264ページ
- 言語日本語
- 出版社光文社
- 発売日2019/7/17
- 寸法10.8 x 1.4 x 17.3 cm
- ISBN-104334044220
- ISBN-13978-4334044220
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商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
「帝王切開なんかしたら落ち着きのない子に育つ」「赤ちゃんには母乳が一番。愛情たっぷりで頭もよくなる」「3歳までは母親がつきっきりで子育てすべき。子もそれを求めてる」出産や子育ては、このようなエビデンス(科学的根拠)を一切無視した「思い込み」が幅をきかせている。その思い込みに基づく「助言」や「指導」をしてくれる人もいる。親身になってくれる人はありがたい。独特の説得力もあるだろう。しかし、間違っていることを、あなたやその家族が取り入れる必要はまったくない。こういうとき、経済学の手法は役に立つ。人々の意思決定、そして行動を分析する学問だからだ。その研究の最先端を、気鋭の経済学者がわかりやすく案内する。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
山口/慎太郎
東京大学経済学部・政策評価研究教育センター准教授。1999年慶應義塾大学商学部卒業。2001年同大学大学院商学研究科修士課程修了。2006年アメリカ・ウィスコンシン大学経済学博士(Ph.D)取得。カナダ・マクマスター大学助教授、准教授を経て、2017年より現職。専門は、結婚・出産・子育てなどを経済学的手法で研究する「家族の経済学」と、労働市場を分析する「労働経済学」(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
東京大学経済学部・政策評価研究教育センター准教授。1999年慶應義塾大学商学部卒業。2001年同大学大学院商学研究科修士課程修了。2006年アメリカ・ウィスコンシン大学経済学博士(Ph.D)取得。カナダ・マクマスター大学助教授、准教授を経て、2017年より現職。専門は、結婚・出産・子育てなどを経済学的手法で研究する「家族の経済学」と、労働市場を分析する「労働経済学」(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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登録情報
- 出版社 : 光文社 (2019/7/17)
- 発売日 : 2019/7/17
- 言語 : 日本語
- 新書 : 264ページ
- ISBN-10 : 4334044220
- ISBN-13 : 978-4334044220
- 寸法 : 10.8 x 1.4 x 17.3 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 43,605位本 (の売れ筋ランキングを見る本)
- - 243位光文社新書
- - 314位経済学 (本)
- - 2,438位科学・テクノロジー (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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東京大学経済学部・政策評価研究教育センター教授。1999年慶應義塾大学商学部卒業。2001年同大学大学院商学研究科修士課程修了。2006年アメリカ・ウィスコンシン大学経済学博士(Ph.D)取得。カナダ・マクマスター大学助教授、准教授を経て、2017年より現職。専門は、結婚・出産・子育てなどを経済学的手法で研究する「家族の経済学」と、労働市場を分析する「労働経済学」
カスタマーレビュー
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トップレビュー
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2019年8月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
人の幸せの尺度は何か?
→ 客観的,定量的に示すにはやっぱりお金に絡める...
お金(経済性)を絡めて,家族の基盤となる結婚,子育て,離婚を具体的に考察する最近の流行りと言いますか,大学の先生がこういった路線を取り出している典型的な書籍と思いました.本が売れるための工夫がこういったところに出ていると言うことでしょう.
さて,書かれている内容ですが,身近な話題を興味深い切り口から考察しており,統計的手法も活用していることからも納得性があります.ただデータは海外依存で,日本がこういった研究分野で遅れていることも述べられています.今までに常識とされていたことが案外,数字的な統計処理から否定されている現実は読んでいて面白く感じています(苦笑).『第2章 赤ちゃんの経済学』に書かれている事実は知らないことが多かったので,特に興味深く読ませていただきました.
筆者が本書で着目しているところは人間の関係性の部分です.物理的にはマイホームを持つ意味や,教養的には学歴の持つ意味,キャリア的には仕事とヒトとの関係性があげられますが,これらは他の書籍にお願いするとして,本書で取り上げている着目点はこれまでには目につきにくかった,注目すべき視点をピックアップしているように思いました.読んでみようかと思わせる内容になっています!
この書籍から,今後の我々の生活において,どうあれば幸せを実感できるか,打つべき対策が見えるように思いました.それができないと言うことは,時代の変化についていけないと言うことなのでしょうか?
→ 客観的,定量的に示すにはやっぱりお金に絡める...
お金(経済性)を絡めて,家族の基盤となる結婚,子育て,離婚を具体的に考察する最近の流行りと言いますか,大学の先生がこういった路線を取り出している典型的な書籍と思いました.本が売れるための工夫がこういったところに出ていると言うことでしょう.
さて,書かれている内容ですが,身近な話題を興味深い切り口から考察しており,統計的手法も活用していることからも納得性があります.ただデータは海外依存で,日本がこういった研究分野で遅れていることも述べられています.今までに常識とされていたことが案外,数字的な統計処理から否定されている現実は読んでいて面白く感じています(苦笑).『第2章 赤ちゃんの経済学』に書かれている事実は知らないことが多かったので,特に興味深く読ませていただきました.
筆者が本書で着目しているところは人間の関係性の部分です.物理的にはマイホームを持つ意味や,教養的には学歴の持つ意味,キャリア的には仕事とヒトとの関係性があげられますが,これらは他の書籍にお願いするとして,本書で取り上げている着目点はこれまでには目につきにくかった,注目すべき視点をピックアップしているように思いました.読んでみようかと思わせる内容になっています!
この書籍から,今後の我々の生活において,どうあれば幸せを実感できるか,打つべき対策が見えるように思いました.それができないと言うことは,時代の変化についていけないと言うことなのでしょうか?
2019年9月29日に日本でレビュー済み
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なら、欧米の話と最初にいってよ!その割にはノルウェーでは「4週間の育休取得はお父さんの所得を2パーセントほど下げる」とゴシックで強調されても男親の育休取得率がいまだに絶対的低位にある日本の参考にはたいしてならない。ペリー就学前プロジェクト(p181以下)についても著者みずから「日本の平均的な家庭環境は、ペリー就学前プロジェクトの対象となった貧しい家庭の環境よりだいぶ優れている」と判断しているのだから我々の参考にはならない。そのくせ「高度な研究職、技術職では常に新しい知見・技術が忌まれています。そういった職業の方があまりに長期間仕事を休んでしまうと、これまで培った知見・技術が時代遅れになってしまうことが考えられます」(p121)と思いつきが披瀝されるがエビデンスは挙げられない。海外の研究成果を紹介したい熱意は分かるが日本の話に見せかけた(著者の意図はどうあれ結果はそう)のは羊頭狗肉の誹りを免れない。
2019年8月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
結婚、出産、子育てに関わる統計データを集めてきただけで、家族が幸せを掴むために、そこから何を得て我々はどうすべきか?の考察が甘い。というか無い。
ベスト500レビュアー
Amazonで購入
恋愛と結婚、出産と赤ちゃん、育児休業制度、父親の子育て、保育園などの幼児教育、離婚と親権といった「ライフステージに合わせて、家族の経済学の面白い知見を紹介していく(p.258)」書。分野は違うが、新しい学問的知見を次々紹介するという点で、池谷裕二『ココロの盲点』を思い出した。
そこには「ほとんどの人にとって『当たり前』だと感じるような結果(p.36)」もあれば、意外性のある結果もある(著者は、前者についても「『当たり前』をデータできちんと確認しておくことはとても重要(p.36)」と言う)。
私は、結婚の持つ経済的なメリットが「費用の節約」と「分業の利益」と「リスクの分かち合い」と「子どもを持つこと」と整理されていることに「なるほどなー」と感心したり、「1994年から2010年にかけてのアメリカの統計によると25%ほどが共同親権で、大多数の65%では母親による単独親権(p.246)」とあることに「アメリカでは共同親権が普通なのかと思ったらそうでもないのか」と驚いたり。面白い。
残念な点を2つ。
1つ目。著者自身が行った「子どもたちの言語発達や、多動性・攻撃性といった行動面の発達が保育園通いで、なぜ・どのように変化するのか(p.191)」を検討した研究内容は丁寧に説明されている(その成果は面白い!)が、それ以外の知見については、結論のみの紹介になっているところ(もちろん出典は明記されている)。
2つ目。太字の扱い。著者は例えば離婚率のデータについて「インターネットでは、世間の注目を集めるために人を驚かせるような書き方をしているものが多いのですが、そうした『釣りタイトル』に引っかかってはいけません(p.227)」というように、メディア・リテラシーの大切さも説くし、紹介する個々の研究結果についても、その解釈の複数性や限界について言及している。そこはさすが研究者である。ただ、例えば「帝王切開で生まれてくる子どもについては、肺や呼吸器の機能に問題を抱えたり、免疫発達に問題が生じ、アレルギーや喘息を患いやすくなったりする」と太字で示した数行後に「これらにも限界はあり、確定的な知見を得るには至っていないことには注意が必要です(p.87)」とあっても、読み飛ばす人、斜め読みする人は、太字のところだけ読んでしまうような気がする。そうするとまさにミスリーディングになるだろう。
統計データを利用して社会政策の研究をしている著者は、あとがきで「私たちの社会をより良いものに近づけていくためにも、あなたが調査を依頼されるようなことがあれば、ぜひ協力をお願いします(p.257)」と訴える。よりよい政策を立案・実施するためには、質量ともにすぐれた社会的なデータが必要で、そのためにも統計調査への協力は不可欠だということはまったく同感である。
そこには「ほとんどの人にとって『当たり前』だと感じるような結果(p.36)」もあれば、意外性のある結果もある(著者は、前者についても「『当たり前』をデータできちんと確認しておくことはとても重要(p.36)」と言う)。
私は、結婚の持つ経済的なメリットが「費用の節約」と「分業の利益」と「リスクの分かち合い」と「子どもを持つこと」と整理されていることに「なるほどなー」と感心したり、「1994年から2010年にかけてのアメリカの統計によると25%ほどが共同親権で、大多数の65%では母親による単独親権(p.246)」とあることに「アメリカでは共同親権が普通なのかと思ったらそうでもないのか」と驚いたり。面白い。
残念な点を2つ。
1つ目。著者自身が行った「子どもたちの言語発達や、多動性・攻撃性といった行動面の発達が保育園通いで、なぜ・どのように変化するのか(p.191)」を検討した研究内容は丁寧に説明されている(その成果は面白い!)が、それ以外の知見については、結論のみの紹介になっているところ(もちろん出典は明記されている)。
2つ目。太字の扱い。著者は例えば離婚率のデータについて「インターネットでは、世間の注目を集めるために人を驚かせるような書き方をしているものが多いのですが、そうした『釣りタイトル』に引っかかってはいけません(p.227)」というように、メディア・リテラシーの大切さも説くし、紹介する個々の研究結果についても、その解釈の複数性や限界について言及している。そこはさすが研究者である。ただ、例えば「帝王切開で生まれてくる子どもについては、肺や呼吸器の機能に問題を抱えたり、免疫発達に問題が生じ、アレルギーや喘息を患いやすくなったりする」と太字で示した数行後に「これらにも限界はあり、確定的な知見を得るには至っていないことには注意が必要です(p.87)」とあっても、読み飛ばす人、斜め読みする人は、太字のところだけ読んでしまうような気がする。そうするとまさにミスリーディングになるだろう。
統計データを利用して社会政策の研究をしている著者は、あとがきで「私たちの社会をより良いものに近づけていくためにも、あなたが調査を依頼されるようなことがあれば、ぜひ協力をお願いします(p.257)」と訴える。よりよい政策を立案・実施するためには、質量ともにすぐれた社会的なデータが必要で、そのためにも統計調査への協力は不可欠だということはまったく同感である。
2019年9月6日に日本でレビュー済み
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長らく精神的な議論が先行し、実証性が置き去りにされてきた“育児”。近年、そこに経済学などのアプローチから光を当てる言論が増えている。
しかし、その多くは先行本の真似事に終始していることが多く、たまに目新しいことが書いてあると思えば「(科学とうたっておきながら)エビデンスなし」だったりして、粗製乱造の様相を呈しています。
しかし、本書は研究者による著作なので、そうした類似書とは一線を画した内容。たとえば、育休の期間はいつまでがいいのか。三歳神話は本当なのか。類似書ではあまりハッキリとは触れられてこなかった部分(もしくは逆にいい加減に触れられてきた部分)に、しっかりと実証的な裏付けをもって語っています。
非常にオススメできます。
しかし、その多くは先行本の真似事に終始していることが多く、たまに目新しいことが書いてあると思えば「(科学とうたっておきながら)エビデンスなし」だったりして、粗製乱造の様相を呈しています。
しかし、本書は研究者による著作なので、そうした類似書とは一線を画した内容。たとえば、育休の期間はいつまでがいいのか。三歳神話は本当なのか。類似書ではあまりハッキリとは触れられてこなかった部分(もしくは逆にいい加減に触れられてきた部分)に、しっかりと実証的な裏付けをもって語っています。
非常にオススメできます。
ベスト1000レビュアー
Amazonで購入
〇結婚、出産、子育てに関する疑問や世間常識を、データに基づいて確認してみようという本。簡単にさらっと読めて、あっと驚く分析結果が数多く紹介されている。書評では大変評判の良い本だが、経済学でこのような切り口の本がなかったので、歓迎されているということではなかろうか。
○内容が身近なうえに記述がとても平易でわかりやすく、高校生以上なら容易に理解できるはず。そのぶん結論だけをポンポンと紹介していくようなところがあるのだが(私にはそこが少し物足りない)、これも詳細を知りたければ、参考文献(とても充実している)の論文などを見てくれという著者の意図なのだろうと理解した。それはそれで親切で良心的なやり方だと思う。
○ところで、なぜこれが経済学なのだろうか。テーマは学際的(経済学、社会学、教育学、行政学などにまたがる)だ。データや統計を取り扱うのも、経済学の専売特許ではないはず。となると、おそらく「経済学のトレーニングを受けた研究者が扱っているから」ということではないかと思う。
○以下では、長くなるが、本書のポイントを列挙します。関心があればご覧ください。
・一般に結婚のメリットは、①費用の節約、②分業の利益、③リスクの分かち合い、④子供を持つことだが、高学歴でキャリアのある女性ほど子育てによって失われる収入は減少し、結婚のメリットが小さくなる。
・職場に異性が多いと、結婚する確率が高くなるわけではないが、結婚する時には職場結婚の可能性が高くなる。他方、職場に異性が多いと離婚(不倫だ)の可能性が高くなる。
・日本を含めて世界的に低体重児出産が増えている。その原因は、少子化、母親の喫煙・アルコール・栄養不足・妊娠中の仕事、にある。低体重出生児は、成人後の糖尿病・心臓病の発症、幼少期の問題行動、低学力、低所得に陥りがちである。
・母乳育児は、生後1年間の健康面を見ると望ましい影響を与える。しかし長期的に見ると、健康面や知能面でのメリットは確認されない。
・育児休業制度は、1年以内ならば母親の就業復帰にプラスだが、3年になるとマイナス。
・子供が母親と過ごす時間の長短は、将来の進学、所得に影響を与えない。大切なのは質の良い保育を行うことで、それは母親でも保育士でも良い。
・父親の育休取得は、父親のキャリアに悪影響を及ぼさない。
・幼児教育の充実(つまりは保育園通い)は、恵まれない貧しい家庭の子供の発達に大きなプラスを与える(高校卒業率、所得、生活保護受給率、逮捕可能性が改善)
・また、保育園通いは、高卒母親のしつけの質、育児ストレス、幸福度を大きく改善する(大卒母親ではあまり変わらない)。
・以上から、同じ金をかけるなら、政策としては、幼児教育無償化よりも待機児童解消を優先した方がよいと言える。
○内容が身近なうえに記述がとても平易でわかりやすく、高校生以上なら容易に理解できるはず。そのぶん結論だけをポンポンと紹介していくようなところがあるのだが(私にはそこが少し物足りない)、これも詳細を知りたければ、参考文献(とても充実している)の論文などを見てくれという著者の意図なのだろうと理解した。それはそれで親切で良心的なやり方だと思う。
○ところで、なぜこれが経済学なのだろうか。テーマは学際的(経済学、社会学、教育学、行政学などにまたがる)だ。データや統計を取り扱うのも、経済学の専売特許ではないはず。となると、おそらく「経済学のトレーニングを受けた研究者が扱っているから」ということではないかと思う。
○以下では、長くなるが、本書のポイントを列挙します。関心があればご覧ください。
・一般に結婚のメリットは、①費用の節約、②分業の利益、③リスクの分かち合い、④子供を持つことだが、高学歴でキャリアのある女性ほど子育てによって失われる収入は減少し、結婚のメリットが小さくなる。
・職場に異性が多いと、結婚する確率が高くなるわけではないが、結婚する時には職場結婚の可能性が高くなる。他方、職場に異性が多いと離婚(不倫だ)の可能性が高くなる。
・日本を含めて世界的に低体重児出産が増えている。その原因は、少子化、母親の喫煙・アルコール・栄養不足・妊娠中の仕事、にある。低体重出生児は、成人後の糖尿病・心臓病の発症、幼少期の問題行動、低学力、低所得に陥りがちである。
・母乳育児は、生後1年間の健康面を見ると望ましい影響を与える。しかし長期的に見ると、健康面や知能面でのメリットは確認されない。
・育児休業制度は、1年以内ならば母親の就業復帰にプラスだが、3年になるとマイナス。
・子供が母親と過ごす時間の長短は、将来の進学、所得に影響を与えない。大切なのは質の良い保育を行うことで、それは母親でも保育士でも良い。
・父親の育休取得は、父親のキャリアに悪影響を及ぼさない。
・幼児教育の充実(つまりは保育園通い)は、恵まれない貧しい家庭の子供の発達に大きなプラスを与える(高校卒業率、所得、生活保護受給率、逮捕可能性が改善)
・また、保育園通いは、高卒母親のしつけの質、育児ストレス、幸福度を大きく改善する(大卒母親ではあまり変わらない)。
・以上から、同じ金をかけるなら、政策としては、幼児教育無償化よりも待機児童解消を優先した方がよいと言える。






