「民族」と「宗教」で世界の見方を深化させる
「統一性」と「多様性」をあわせもつ、かくも豊かな歴史
一神教の誕生、離散と定住、キリスト教・イスラームとの共存・対立、国際的ネットワークの展開、多彩な才能の開花、迫害の悲劇、国家建設の夢、現在の紛争・テロ問題……

「本書はユダヤ人の歴史を世界史の流れの中で叙述したものである。ユダヤ人は民族集団あるいは信徒集団としての長い歴史をもっている。ユダヤ民族史を有史以来続くものとして描く立場さえもある。「ユダヤ四〇〇〇年の歴史」といった表現も人口に膾炙している。本書は私なりの立場からのユダヤ人あるいはユダヤ教徒の世界史である」(本書「はじめに」より)

「ユダヤ」の人々は数千年にわたって、信仰や記憶を通じて一つに結びついてきた一方で、自らが生きた時代や地域の中で、きわめて多様な姿を見せることとなった。
一神教の誕生から、離散と定住、キリスト教・イスラームとの共存・対立、国際的ネットワークの展開、多彩な才能の開花、迫害の悲劇、国家建設の夢、現在の紛争・テロ問題にいたるまで、そこにはこの世界の複雑さが映し出されてもいる。
「民族」であると同時に「信徒」である「ユダヤ人/教徒」の豊かな歴史を辿り、さらには、そこから逆照射して世界史そのものの見方をも深化させる。

本の長さ

420ページ
言語:

日本語
出版社

作品社
発売日

2019/12/25
ISBN-10

4861827574
ISBN-13

978-4861827570
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商品の説明

内容（「BOOK」データベースより）

「ユダヤ」の人々は数千年にわたって、信仰や記憶を通じて一つに結びついてきた一方で、自らが生きた時代や地域の中で、きわめて多様な姿を見せることとなった。一神教の誕生から、離散と定住、キリスト教・イスラームとの共存・対立、国際的ネットワークの展開、多彩な才能の開花、迫害の悲劇、国家建設の夢、現在の紛争・テロ問題にいたるまで、そこにはこの世界の複雑さが映し出されてもいる。「民族」であると同時に「信徒」である「ユダヤ人/教徒」の豊かな歴史を辿り、さらには、そこから逆照射して世界史そのものの見方をも深化させる。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

臼杵/陽
1956年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科国際関係論博士課程単位取得退学。在ヨルダン日本大使館専門調査員、佐賀大学助教授、エルサレム・ヘブライ大学トルーマン平和研究所客員研究員、国立民族学博物館教授を経て、日本女子大学文学部史学科教授。京都大学博士(地域研究)。専攻は中東地域研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

出版社 : 作品社 (2019/12/25)
発売日 : 2019/12/25
言語: : 日本語
単行本 : 420ページ
ISBN-10 : 4861827574
ISBN-13 : 978-4861827570

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Peace１４

読みごたえのある宗教世界史

2020年4月22日に日本でレビュー済み

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ユダヤ及びユダヤ人の歴史をその宗教史（ユダヤ教と旧約聖書）に絡めながら記述している。そして同じ宗教に源を
を発する一神教のユダヤ教、キリスト教、イスラーム教を関連付けながら考察している。著者の学識により、実証的に記述されており、久し振りに読みごたえのある著書でした。同じアブラハムの宗教・民族の系統でありながら、歴史的に、また、昨今でも争いは絶えない。原点に返って、共存を模索する良い指針を考える書でもある。

2020年5月9日に日本でレビュー済み

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小生にとっては、昔の写真が懐かしい。現在のイスラエルやエルサレムはエルサレム建都3千年くらいから公園化の様な整備が進んで、聖書の書かれた時代等を創造出来る場所や風景が無くなって来ているので。

2020年12月6日に日本でレビュー済み

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世界の状況とか宗教関係が理解しやすく書かれています。はじめはユダヤ教からそれは人々の規律として書かれたものらしい。是非読んで下さい。

2020年4月29日に日本でレビュー済み

Amazonで購入

視点が明確で複雑な歴史をわかりやすく解説してくれています。貴重な一冊です。

役に立った

ユダヤ人とユダヤ教徒の関係！

2020年1月16日に日本でレビュー済み

ユダヤ教徒およびユダヤ人の世界史の通史の誕生を喜びたい。
①著者は英語のJewsを「ユダヤ」および「ユダヤ教徒」と訳す慣例があり、「ユダヤ人」という意味で表記する場合は少ないことを指摘する。
②だとすれば、「ユダヤ」という呼称も「ユダヤ人」、「ユダヤ民族」という意味あいよりは、「ユダヤ教徒」を指すと考えた方が妥当であろう。
③「ユダヤ」が「ユダヤ人」、「ユダヤ民族」を指す呼称となったのは、近代以降のことではないのか？とりわけ、ナチスによる「ユダヤ人」撲滅（虐殺）＝「反ユダヤ主義」政策はユダヤ教徒を丸ごと一つのまとまった民族であるかのように見なしたことが大きいのではないか、いつの間に「ユダヤ教徒」を「ユダヤ人」、「ユダヤ民族」であるかのように見なすようになったのであろうか？一つの宗教を信仰する者＝1つの同一民族と見なして排撃する思想は反ユダヤ主義の影響によるところが大きいのではないか？　
④高校倫理の教科書では、『旧約聖書』の記述を踏まえて、ユダヤ教成立前のヘブライ人を「古代ユダヤ人」ではなく、「古代イスラエル人」と表記している。その理由は、ユダヤ＝ユダヤ教徒と考えるのであれば、「古代ユダヤ人」はどこにも存在していないからである。このように、「ユダヤ」表記を巡る考察の必要性を問題提起したのは、本書の功績の一つであろう。
⑤本書のようなユダヤの世界史の通史は大変貴重である。単なるユダヤ教徒の歴史ではなく、世界史の歩みに位置付けられたユダヤの歴史である。日本人はユダヤ教徒とイスラーム教徒の歴史を知ることがすくない。高校世界史でも記述は少ない。だからこそ、本書を読んで考えてみる必要がある。
お勧めの一冊だ。

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Musta

新しユダヤ通史の試み

2020年6月8日に日本でレビュー済み

ユダヤ人の通史はこれまでも何冊か出版されてきた。しかし、イスラーム史をも念頭に置いたユダヤ人の通史はレイモンド・P・シェインドリン『ユダヤ人の歴史』（河出文庫）以外は見受けられなかった。その意味では本書はタイトルに「世界史」という名を冠している通り、ユダヤ人／教徒（著者の好みの呼称であるようだが）の歴史を、欧米世界のみならず、イスラーム世界をも視野に入れて記述を試みている点はグローバル・ヒストリー的な試みとして高く評価できよう。講演等が本書の下敷きになっているとのことだが、そのため叙述が語り口調になっており、全体的に本書を読みやすい読み物にしているともいえる。ユダヤ人の歴史に関してはこの国の人々は同情・偏見を含めて尋常でない関心をもっているようなので、日本人の手になる大局的な立場からの「ユダヤ」の世界史がもっと書かれてほしいものである。

1人のお客様がこれが役に立ったと考えています

役に立った

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「ユダヤ」の世界史: 一神教の誕生から民族国家の建設まで (日本語) 単行本 – 2019/12/25

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