映画「バッテリー」の世界を色づけた、吉俣良さんの音楽集です。
大げさな音楽ではなく、
弦楽器やピアノなどを使い、静かで優しく
時には躍動感を持たせて
主人公・巧の心情や
映画で起こる出来事を綴っています。
(もちろん暗い出来事をイメージした曲もありますが)
"Takumi" "Seiha" "Gou"
という風に、各登場人物をイメージした音楽が収録されているのも嬉しいです。
もしかしたら
収録されている20曲のインストゥルメンタル音楽は
同じようなイメージを持つかもしれません。
1曲1曲がそんなに長くないので、物足りないと思う人もいるかもしれませんが
そこに共通しているのは
映画を静かに、かつしっかりと支えた透明感のある音楽ということではないでしょうか。
"Young leaves" "Little stars" "Faint love" "Mr.B" "Glass ball" "To you" "Partner"など、
それぞれの曲につけられた題名が素敵で、想像力をかきたてられます。
これはどこで使われたかな、と曲の題名を思い返しながら映画を見直そうかとも思いました。
最後の21曲目には
熊木杏里さんによる主題歌「春の風」(映画バージョン)が収録されています。
予告編にも使われていますし、映画のラストシーンにも流れますが
爽やかで切ない詩とメロディーによって、
巧が駆け抜けたあの世界を、もう一度思い出せる素敵な曲になっています。
映画を色づけた素敵な音楽集です。