本書の要約としてはこうだ。
”コンピュータがバイナリコード(0と1の二進法)で動くように、人は「快・不快」の2種類の感情の連続で生きている。何らかの理由で「快・不快」にそぐわない行動を取るとバグが生まれ、無気力になる。バグを取り除くことで、人はやる気に満ちた生活を取り戻せる”
全体を通じて人をコンピュータに見立て、無気力の原因を、コードが狂う・バグが発生するという表現で解決策を提案していくのだが、そもそもの前提が極端な二元論になっていることに違和感を覚えるし、論拠が乏しい。
解決策にしても同様である。本書では無気力の主な原因を、①自分で全てなんとかしようとする「万能感」と②他者が自分を下に見る「嫉妬」と説くが、その例えが酷い。
「万能感」の一例として挙げたのが映画インディージョーンズのワンシーン。触ってはいけないと言い伝えられていた箱を、敵の1人が運搬中に落としそうになり、思わず触ってしまい死んでしまうらしい。著者曰く、これも自分で何とかしようとした「万能感」の悪い部分を表している、とのこと。心理カウンセラーという肩書きを疑いたくなる例え方である。
もう一方の「嫉妬」の考え方についても独特過ぎてついていけない。著者によれば親が「宿題をしなさい」と子供を叱るのは「自分は家事で忙しいのに、子供が自由であること」に対する嫉妬だそうだ。
自身がカウンセリングをしたという患者の例が他にいくつか出てくるが、全てこの調子である。
今感じている感覚に集中し、判断や反応をやめることで不快を取り除くという考え方は原始仏教そのものであるが、本書はそこに著者独自のコンピューターとバグという概念を盛り込み最早何がなんだか分からなくなっている。終始著者の持論や思い込みが展開され、腹に落ちる点がほとんどない、稀に見る悪書。
カスタマーレビュー
本書は大嶋信頼先生の心理テクニックをまとめた本である。これまでの著作の総復習的な側面を持ちつつ、特に嫉妬の発作への対処法についてまとめられている。おそらく嫉妬の発作に悩んでいる人は意外と多いと思う。本書では嫉妬の発作への対処法がいくつも紹介されており、いずれも簡単に実行できるものであるので、多くの人たちに役立つテクニックが満載である。・・・前置きはこれくらいにして、今回は大嶋先生にお礼を申し上げるためレビューを書こうと思う。著作の内容とはあまり関係ないがご容赦願いたい。 実はこの1年ほど、自分は大嶋先生のもとに通っていた。理由は、学生時代に受けたいじめが原因でトラウマまみれになっていたからである。 詳しく書くとアレなのだが、中2の頃にクラス替えがあったことがきっかけで、クラスや生徒会の仕事を押し付けられまくるようになってしまい、テストで1位を取ると変な噂を流されたり、少しでもクラスの仕事などが上手くいかないと教師から怒鳴られたりしていた。 高校は楽しく過ごしたいと思い進学校に行ったのだが、入学当初の模試で私と同じ苗字の者(甲と呼称する)がカンニング等ですごい良い成績をとったことから、教師・同級生から「甲と比べたら馬鹿だ」とレッテルを貼られ、一部の同級生から甲に対する憂さ晴らしとして、ひたすら怒鳴られたり見下されたりしていた。 そんな訳で高3の1月くらいに体調を大きく崩してしまい、まともに大学受験できなかった。 不本意な大学に進学したため当初は呆然としていた。それでも、受けたい資格試験があったのでもう一度頑張ろうと思って勉強し、大学1年次にほぼ全優に該当する成績をとった。ところが、そのことが気に入らなかった先輩からたこ殴りにされ、ゼミへの入室を拒まれてしまった。「あの資格試験を目指しているのに、ゼミにすら入れてもらえない落ちこぼれ」のレッテルを周囲から貼られ、ゼミに入ってる同級生などから見下されたりマウンティングされたりするようになった。 そんなことが重なり、何も出来なくなっていた。もうあの試験には、一生合格できないのではないか。そんな中で思った。「いじめのトラウマがある限り前に進めない。あの資格試験にも合格できない。トラウマを治療してくれる人がいれば前に進めるかもしれない」 色々調べた結果、インサイトカウンセリングの大嶋先生を見つけた。藁にもすがる思いで電話をして、ちょうど去年の11月くらいに初めてセッションを受けた。大嶋先生からはいくつかの遺伝子コードを教えて戴き、繰り返し唱えていると不快感が少しずつ減っていった。就職活動も上手くいきホワイト企業に入ることが出来た。「働きながら、もう一度だけあの資格試験を目指してみよう・・」仕事と受験勉強、そして大嶋先生の1~2ヶ月に1度のセッションを並行しながら日々の生活を進めていった。はじめは遺伝子コードをいろいろ試し、次に心に聞くを教わり、それからブラックホール法や生け贄法を教わってトラウマを沈静化していった。誰にも言えなかったトラウマを大嶋先生に話すことができ、共感してくださったのが何よりも嬉しかった。ちなみに、心に聞くは仕事にも受験勉強にも役立つ汎用性のある技だった。心に聞くことで自分に必要な教材をかなりピンポイントで選ぶことができ、更にその日何を勉強すべきかほとんど悩まなくなった。 そうこうしているうちに、試験がきた。2018年の5月、中日を挟んで5日間に渡って実施される長い長い試験。出題形式に変更のあった科目、マイナー分野からの出題が目立った科目など、受験生の心を折ってくる科目のオンパレードだったが何とか最後まで受験できた。その後は仕事に戻り、今まで勉強に充てていた時間はドラゴンクエスト11をプレイすることに充てるようにした(ちなみに、ドラクエ11も心に聞いてから買った)。 2018年9月11日。僕が受けた試験の最終合格発表日。発表は霞ヶ関にある法務省の掲示板で行われる。その掲示板に最終合格者の受験番号が貼り出される。目眩と吐き気を何とか抑えながら法務省に向かった。そして、自分の受験番号を掲示板に見つけることが出来た。・・数日後、合格の報告を大嶋先生の所にしてきた。大嶋先生の9月20日のブログ記事「印の中にあるスクリプト」の冒頭にある、「わざわざ相談室まできてくださって「やりました~」という報告に来」たのは、実は私なのである。大嶋先生のおかげで、いじめのトラウマに屈せず、今年の司法試験に合格することが出来ました。心よりお礼申し上げます。
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