タイトルから、今流行りのヒュッゲ!な生活とか、そういう、無理なく気楽に今を楽しく!みたいな生き方を推奨してくれるライトな読み物だとばかり…、読めば冒頭から学術論文さながらの大真面目な人類学論が展開されて、思わず怯む。怯みつつも読み進めていくとやっと面白さに気づく。そんな本。
中国の山寨や、タンザニアの都市部に暮らす人々の「その日暮らし」という生き方は、一見すると怠惰で計画性の無いものに映るが、それも読み進めるうち、インフォーマル経済下というその「特異な」状況を生き抜くための逞しい知恵なのだとやがてわかってくる。
そして後半、彼らの人間関係の根幹を成す「貸し」と「借り」の考え方、そしてエムペサという新しい時代の送金システムが絶妙に、その貸し借りの関係性を壊さない程度に変容させながら溶け込んでいく様のレポートは見事で、これは著者が現地で地道にリサーチを重ねたからこそ捉えることのできたリアル、なのだろう。そんなわけでグイグイ引き込まれて最後まで興味深く読んだ。
ところで、だ。私たちの多くはこの人類学論を、遠いお空の異国の地の話、発展途上国における「特定」の状況下の「異」文化という認識で読書を終えるだろう。私も直後はそう思った。
が、そう遠くない未来、日本においても、この”L i v i n g f o r T o d a y”という生き方を(無計画にではなく)「戦略的に」選択する人々が一定数現れるのではないかと、ふとそんな考えが湧く。
今のところ、我が国では、明日の為に努力して身に着けた知識が無に帰すなんてことはない。(たぶん。)
でも、インターネットのおかげで、専門的な情報や知識が汎用化するサイクルはどんどん短くなっていってる。
何かを学び習得しようとしても、習得しているそばからその知識が陳腐化していくとしたら?
始めから学びを放棄し、その時々自分が出来ることで稼ごうと思うかもしれない。
小学生のなりたい職業ランキングの一つにYouTuberが台頭した。大人達は、刹那的に楽して儲けたい表れだと一蹴した。でも、子ども達は、もしかしたら、一つの組織に属し一分野の知識を努力し蓄積させていくことが是とされる従来型の働き方の限界を機敏に感じ取っているのかもしれない。
大人達は言う、「真っ当に生きなさい」と。「努力しないとろくな大人になれないぞ」と。
でも、今の子ども達が現役世代となった時、努力することよりもYouTuberのように時代の潮流を軽やかに渡り歩く柔軟な姿勢が尊ばれる時代になっていないとも限らない。いや、現になりつつある今、本書に登場する狩猟採集民ピダハンやタンザニアの彼らの生き方がよりよく生きる為のヒントになるだろう。
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「その日暮らし」の人類学 もう一つの資本主義経済 (光文社新書) 新書 – 2016/7/14
小川 さやか
(著)
購入を強化する
*失敗しても、誰かの稼ぎで食いつなぐ
*最小限の努力で生きる
*借金を返さなくてもよい仕組み
*法的には違法、でも社会的には許される商売 etc.
サントリー学芸賞受賞の気鋭の文化人類学者があきらかにする、
Living for Todayという生き方。
◎内容紹介
わたしたちはしばしば、「働かない」ことに強くあこがれながらも、計画的にムダをなくし、
成果を追い求め、今を犠牲にしてひたすらゴールを目指す。
しかし世界に目を向ければ、そうした成果主義、資本主義とは異なる価値観で
人びとが豊かに生きている社会や経済がたくさんあることに気づく。
「貧しさ」がないアマゾンの先住民、気軽に仕事を転々とするアフリカ都市民、海賊行為が切り開く新しい経済・社会……。
本書では、わたしたちの対極にあるそうした「その日暮らし、Living for Today」を人類学的に追求し、
働き方、人とのつながり、時間的価値観をふくめた生き方を問い直す。
◎目次
プロローグ Living for Todayの人類学に向けて
第一章 究極のLiving for Todayを探して
第二章 「仕事は仕事」の都市世界――インフォーマル経済のダイナミズム
第三章 「試しにやってみる」が切り拓く経済のダイナミズム
第四章 下からのグローバル化ともう一つの資本主義経済
第五章 コピー商品/偽物商品の生産と消費にみるLiving for Today
第六章 <借り>を回すしくみと海賊的システム
エピローグ Living for Todayと人類社会の新たな可能性
◎著者プロフィール
小川さやか(おがわさやか)
1978年愛知県生まれ。専門は文化人類学、アフリカ研究。
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士課程単位取得退学。
博士(地域研究)。 日本学術振興会特別研究員、国立民族学博物館研究戦略センター機関研究員、
同センター助教を経て、2013年より立命館大学大学院先端総合学術研究科准教授。
著書『都市を生きぬくための狡知――タンザニアの零細商人マチンガの民族誌』(世界思想社)で、
2011年サントリー学芸賞(社会・風俗部門)受賞。
*最小限の努力で生きる
*借金を返さなくてもよい仕組み
*法的には違法、でも社会的には許される商売 etc.
サントリー学芸賞受賞の気鋭の文化人類学者があきらかにする、
Living for Todayという生き方。
◎内容紹介
わたしたちはしばしば、「働かない」ことに強くあこがれながらも、計画的にムダをなくし、
成果を追い求め、今を犠牲にしてひたすらゴールを目指す。
しかし世界に目を向ければ、そうした成果主義、資本主義とは異なる価値観で
人びとが豊かに生きている社会や経済がたくさんあることに気づく。
「貧しさ」がないアマゾンの先住民、気軽に仕事を転々とするアフリカ都市民、海賊行為が切り開く新しい経済・社会……。
本書では、わたしたちの対極にあるそうした「その日暮らし、Living for Today」を人類学的に追求し、
働き方、人とのつながり、時間的価値観をふくめた生き方を問い直す。
◎目次
プロローグ Living for Todayの人類学に向けて
第一章 究極のLiving for Todayを探して
第二章 「仕事は仕事」の都市世界――インフォーマル経済のダイナミズム
第三章 「試しにやってみる」が切り拓く経済のダイナミズム
第四章 下からのグローバル化ともう一つの資本主義経済
第五章 コピー商品/偽物商品の生産と消費にみるLiving for Today
第六章 <借り>を回すしくみと海賊的システム
エピローグ Living for Todayと人類社会の新たな可能性
◎著者プロフィール
小川さやか(おがわさやか)
1978年愛知県生まれ。専門は文化人類学、アフリカ研究。
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士課程単位取得退学。
博士(地域研究)。 日本学術振興会特別研究員、国立民族学博物館研究戦略センター機関研究員、
同センター助教を経て、2013年より立命館大学大学院先端総合学術研究科准教授。
著書『都市を生きぬくための狡知――タンザニアの零細商人マチンガの民族誌』(世界思想社)で、
2011年サントリー学芸賞(社会・風俗部門)受賞。
- 本の長さ224ページ
- 言語日本語
- 出版社光文社
- 発売日2016/7/14
- ISBN-104334039324
- ISBN-13978-4334039325
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商品の説明
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
小川/さやか
1978年愛知県生まれ。専門は文化人類学、アフリカ研究。京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士課程単位取得退学。博士(地域研究)。日本学術振興会特別研究員、国立民族学博物館研究戦略センター機関研究員、同センター助教を経て、2013年より立命館大学大学院先端総合学術研究科准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
1978年愛知県生まれ。専門は文化人類学、アフリカ研究。京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士課程単位取得退学。博士(地域研究)。日本学術振興会特別研究員、国立民族学博物館研究戦略センター機関研究員、同センター助教を経て、2013年より立命館大学大学院先端総合学術研究科准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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登録情報
- 出版社 : 光文社 (2016/7/14)
- 発売日 : 2016/7/14
- 言語 : 日本語
- 新書 : 224ページ
- ISBN-10 : 4334039324
- ISBN-13 : 978-4334039325
- Amazon 売れ筋ランキング: - 68,253位本 (の売れ筋ランキングを見る本)
- - 238位文化人類学一般関連書籍
- - 340位光文社新書
- - 404位経済学 (本)
- カスタマーレビュー:
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2018年10月23日に日本でレビュー済み
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自分の生き方を反省させ、かつ勇気を与える良書です。いろいろ考えさせられたことをコメントしておきます。本書のまとめになるかもしれません。
1.「その日暮らし」の反対は「先憂後楽」
「その日暮らし」の反対は「先憂後楽」でしょう。著者も「現在のおこないが将来の安定やリスクに直結するものだという価値観から逃れることは困難である。(p.215)」とする。だから、ひたすら働き貯蓄するのだろう。
余計なことだが、「先憂後楽」とは施政者の心構えをいったもので、民衆が繁栄を楽しんだ後で、自らも民の繁栄を楽しむということであった。これが、先に苦労すれば、後で楽ができるという意味に転じてしまった。本書はこの両方の意味を打倒することが目的となる。
2.「その日暮らし」は端(たん)を優先すること
「その日暮らし」の力が入らない生き方は、孟子が「人間の誤りは一般に、一生懸命努力し、ことさらにすることにある(フランソワ・ジュリアン著『道徳を基礎づける』講談社学術文庫p.136)」とすることに似ている。
孟子は、幼児が井戸に落ちそうなのを見れば、どのような人であっても憐れみの情がおこるところから論を始めている。そこには「先憂後楽」のように、先に備えることも、施政者の自覚もない。ただただ幼児を助けようとするのである。孟子はこれを端(たん)といった。
一般に儒教では徳(仁義礼智)が重要視されるが、徳の前に端があることが忘れられている。意志の概念を批判する本書は、端を参照することでもっと広がりが出るだろう。端は情であっても憐れみだけの情ではない。端の情は応答、つまりレスポンシビリティであり、本当の意味で責任をとることでもある。
著者は、「人間はみなLiving for Todayである」を繰り返す(p.216)。上記のように考えれば人は端に生きており、みなLiving for Todayである。
3.「その日暮らし」は「アナーキスト」
「その日暮らし」の戦略は、「風向きや風のにおいを嗅ぎわけ、追い風が吹き始めたときはぱっと風をつかむ、....(p.219-220)」コツが必要であると本書は結ばれる。これはアナーキストの生き方に通じるものがある。
アナーキストを無政府主義者と説明すれば、テロリストと同じと理解してしまうだろう。もちろんアナーキストはテロリストと同じではない。アナーキストとは、「ほとんど誰もが、警官やボスのいない非軍事的世界に生きることを望んでいる。そこではコミュニティは民主主義的に自らの問題に対処し、諸個人は基本的必要性が満たされ、自分にとって重要だと決めたことを追究することが許されている」社会を望む者たちのことである(デヴィッド グレーバー (2004)『アナーキスト人類学のための断章』以文社 p.3)。
「その日暮らし」とは、政府が約束する安心・安全の政策に騙されて不安に生きることではなく、「何とでもなりますから、食っていけますよ」といえる「アナーキスト」のことである。
1.「その日暮らし」の反対は「先憂後楽」
「その日暮らし」の反対は「先憂後楽」でしょう。著者も「現在のおこないが将来の安定やリスクに直結するものだという価値観から逃れることは困難である。(p.215)」とする。だから、ひたすら働き貯蓄するのだろう。
余計なことだが、「先憂後楽」とは施政者の心構えをいったもので、民衆が繁栄を楽しんだ後で、自らも民の繁栄を楽しむということであった。これが、先に苦労すれば、後で楽ができるという意味に転じてしまった。本書はこの両方の意味を打倒することが目的となる。
2.「その日暮らし」は端(たん)を優先すること
「その日暮らし」の力が入らない生き方は、孟子が「人間の誤りは一般に、一生懸命努力し、ことさらにすることにある(フランソワ・ジュリアン著『道徳を基礎づける』講談社学術文庫p.136)」とすることに似ている。
孟子は、幼児が井戸に落ちそうなのを見れば、どのような人であっても憐れみの情がおこるところから論を始めている。そこには「先憂後楽」のように、先に備えることも、施政者の自覚もない。ただただ幼児を助けようとするのである。孟子はこれを端(たん)といった。
一般に儒教では徳(仁義礼智)が重要視されるが、徳の前に端があることが忘れられている。意志の概念を批判する本書は、端を参照することでもっと広がりが出るだろう。端は情であっても憐れみだけの情ではない。端の情は応答、つまりレスポンシビリティであり、本当の意味で責任をとることでもある。
著者は、「人間はみなLiving for Todayである」を繰り返す(p.216)。上記のように考えれば人は端に生きており、みなLiving for Todayである。
3.「その日暮らし」は「アナーキスト」
「その日暮らし」の戦略は、「風向きや風のにおいを嗅ぎわけ、追い風が吹き始めたときはぱっと風をつかむ、....(p.219-220)」コツが必要であると本書は結ばれる。これはアナーキストの生き方に通じるものがある。
アナーキストを無政府主義者と説明すれば、テロリストと同じと理解してしまうだろう。もちろんアナーキストはテロリストと同じではない。アナーキストとは、「ほとんど誰もが、警官やボスのいない非軍事的世界に生きることを望んでいる。そこではコミュニティは民主主義的に自らの問題に対処し、諸個人は基本的必要性が満たされ、自分にとって重要だと決めたことを追究することが許されている」社会を望む者たちのことである(デヴィッド グレーバー (2004)『アナーキスト人類学のための断章』以文社 p.3)。
「その日暮らし」とは、政府が約束する安心・安全の政策に騙されて不安に生きることではなく、「何とでもなりますから、食っていけますよ」といえる「アナーキスト」のことである。
2020年7月30日に日本でレビュー済み
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完全に学術書!なので書き込めた方が良かったなと、電子版を読んで思いました。
最初から読むととっても難しいので、普通の大学生は、エピローグ(?)、終わりの章から読むことをおすすめします!(最後の章が一番わかりやすいです)
アフリカの経済の仕組みを知ることで、日本がおかれている資本主義社会で生きる窮屈さとか、living for today の生き方の不安定さ、面白さ、いろいろ読みながら考えさせられました。
今は学生で働いていないから、完全に資本主義社会に組み込まれて生きていっているわけでなはいので、また社会人になって読んだら今と違う捉え方をするだろうなと。また3年後くらいにもう一度読みたいなと思います。
最初から読むととっても難しいので、普通の大学生は、エピローグ(?)、終わりの章から読むことをおすすめします!(最後の章が一番わかりやすいです)
アフリカの経済の仕組みを知ることで、日本がおかれている資本主義社会で生きる窮屈さとか、living for today の生き方の不安定さ、面白さ、いろいろ読みながら考えさせられました。
今は学生で働いていないから、完全に資本主義社会に組み込まれて生きていっているわけでなはいので、また社会人になって読んだら今と違う捉え方をするだろうなと。また3年後くらいにもう一度読みたいなと思います。
2016年11月19日に日本でレビュー済み
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我々日本やアメリカ社会では、普段から常に効率を重視した生活を送っている。つまり、明日のために、未来のために、いまを手段化したり犠牲にしたりということをやっているわけだ。(いい学校・いい就職・いい老後のためには、今を楽しんでいる暇などないという姿勢が該当する)これに対し、発展途上国を中心とする国々では、むしろ「Living for Today」-その日その日のために生きる-という生活が一般的だ。本書では、そのようなLiving for Todayをめぐる価値観や社会・経済のありようを明らかにすることを通じ、私たちの先進国社会で主流となっている人間観に問いを投げかけることを目的としている。同時に、途上国を中心とする「インフォーマルセクター」に属する経済・交易が活性化しつつある原動力、インフォーマル経済の住人たちの生き抜く戦術や生活の論理をLiving for Todayの視点から論じたものだ。
著者は足掛け15年もの間、タンザニア北西部のムワンザという都市で零細商人の商慣行や社会関係について調査を行っており、本書は著者の実体験に基づく調査結果を内容としている。そこでは、路上商売や零細製造業・日雇労働などの職種を渡り歩く人々、「試しにやってみる」というような起業や商売の仕方、日々仕事探しの連続で、家族や親戚・友人のつてを頼って仕事にありつくといった状況、商品を仕入れの際の中国人商人と交渉するたくましさ、また彼らのコピー・偽物商品に対する肯定的な態度など、数々の現地の実情が紹介される。また後半の章で紹介される、彼らの「借り」を回すしくみもユニークだ。手持ちのお金がないと、友人から小口の借金をすることが普通に行われており、誰かが誰かに負債を負っていることが日常的に発生していることが紹介される。
著者は、以上のような自律的・自主的なインフォーマル経済に、多様な生き方を許容する社会の可能性を指摘している。我々の普段の生活からするとおおよそ相容れない価値観だが、日々「未来のために備える」生活習慣に誰しも疲れを感じることはよくあり、「隣の芝は青く見える」的な発想で言えばある意味羨ましい社会環境だ。
なお、著者は文化人類学及びアフリカ研究を専門とする、1978年生まれの立命館大学の准教授。本書に関し、特に読みにくいという印象はないが、文体がいかにも学術論文調であることが特徴だ。ご本人もあとがきで触れているが、堅苦しい表現を直すのに苦労したようだ。
著者は足掛け15年もの間、タンザニア北西部のムワンザという都市で零細商人の商慣行や社会関係について調査を行っており、本書は著者の実体験に基づく調査結果を内容としている。そこでは、路上商売や零細製造業・日雇労働などの職種を渡り歩く人々、「試しにやってみる」というような起業や商売の仕方、日々仕事探しの連続で、家族や親戚・友人のつてを頼って仕事にありつくといった状況、商品を仕入れの際の中国人商人と交渉するたくましさ、また彼らのコピー・偽物商品に対する肯定的な態度など、数々の現地の実情が紹介される。また後半の章で紹介される、彼らの「借り」を回すしくみもユニークだ。手持ちのお金がないと、友人から小口の借金をすることが普通に行われており、誰かが誰かに負債を負っていることが日常的に発生していることが紹介される。
著者は、以上のような自律的・自主的なインフォーマル経済に、多様な生き方を許容する社会の可能性を指摘している。我々の普段の生活からするとおおよそ相容れない価値観だが、日々「未来のために備える」生活習慣に誰しも疲れを感じることはよくあり、「隣の芝は青く見える」的な発想で言えばある意味羨ましい社会環境だ。
なお、著者は文化人類学及びアフリカ研究を専門とする、1978年生まれの立命館大学の准教授。本書に関し、特に読みにくいという印象はないが、文体がいかにも学術論文調であることが特徴だ。ご本人もあとがきで触れているが、堅苦しい表現を直すのに苦労したようだ。
2018年11月6日に日本でレビュー済み
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新聞に載った書評を見て購入しましたが、私が期待していた内容とはかなり違和感があって、最後まで読み通すことができませんでした。文化人類学の観点から、特に、アマゾン奥地の狩猟民族のピダハンに迫る内容と思っていたのですが、その部分が少なく残念でした。
2020年6月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
タンザニアの個人商人・・・日本の商人とは全く異なる・・・「その日暮らし」で良い時も悪い時も乗り切る生活をしている人たちの様子が興味深い。社会学的な分析、説明がシンプルなようで晦渋であるが、それは日本語(言語)の限界ではないかと思う。





