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〈新装〉増補修訂版 相互扶助論 単行本 – 2017/2/28

4.4 5つ星のうち4.4 24個の評価

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助け合う関係の歴史、共存の哲学。

内田樹氏 推薦!
“定常経済・相互扶助社会は「夢想」ではなくて、歴史の必然的帰結です。
意図的に創り出さなくても、自然にそうなります。
この企ての合理性が理解できない人たちは「弱者を支援するために作られた組織」の方が「勝者が総取りする組織」よりも淘汰圧に強いということを知らないのでしょう。――
『相互扶助論』をぜひお手に取って頂きたいと思います。
クロポトキンは相互扶助する種はそうしない種よりも生き延びる確率が高いという生物学的視点からアナーキズムを基礎づけようとしました。
なぜアナーキズムが弾圧されたのか、その理由が読むと分かります。
国家による「天上的介入」抜きで市民社会に公正と正義を打ち立てることができるような個人の市民的成熟をアナーキズムは求めました。
「公正で雅量ある国家」を建設するより前に、まずその担い手たる「公正で雅量ある市民」を建設しようとしたことに国家は嫉妬したのです。 内田樹"

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登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 同時代社 (2017/2/28)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2017/2/28
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本 ‏ : ‎ 341ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4886838138
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4886838131
  • カスタマーレビュー:
    4.4 5つ星のうち4.4 24個の評価

カスタマーレビュー

星5つ中4.4つ
24グローバルレーティング

この商品をレビュー

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上位レビュー、対象国: 日本

  • 2020年8月27日に日本でレビュー済み
    Amazonで購入
     本書の冒頭、発刊にあたって(旧版)に、「一般にはアナキストの革命家としてしられているが」とある。しかし本書の印象は、人類の互恵性(reciprocity)の歴史を述べた穏健穏当な内容のものだ。今読むと、現在の人類学、社会学、心理学や生物学の実証的な研究に通じるものがある。そして、帯にある内田樹氏の言葉にあるように、国家を嫉妬させるほどの古典的名著である。

     本書を一言で要約すれば、「相互扶助は生命の維持や、各々の種の保存や、またその将来の進化のために、もっとも重要である」となろう(p.13)。そして本書は、この思想を発展させる材料の収集にあたったものである(p.14)。
     第一章と第二章は動物について、第三章はいまだ未開の段階にある人類について記述している。第四章は、ローマ人がバルバロスと呼んだ野蛮人の例で、歴史資料が残っている時代で、村落共同体やその協働、法律の例などが取り上げられる。
     第五章、第六章は、中世の同業組合と都市の研究に充てられる。原則を確立しようとした大努力の時代で(p.221)、思想が大きな力を持っていた(p.231)。相互扶助の潮流は宗教改革の後、再び勢いを増したが失敗し、専制的権力の支配下に投げ出された後にも、なおこの潮流はその存在を続けていた(p.233)。
     第七章、第八章は近代社会の考察である。国家に対する平民や村落共同体の反逆を考察し、同業組合、産業組合、その他自由な団体の活動を報告する。

    【家族と個人の扱い】
     同業組合、ギリシャ氏族(クラン)、中世の都市などの集団は登場するが、家族という集団は考察の対象ではないような扱いである。動物の相互扶助で、「狩猟や、相互防衛や、または単に生活を楽しむために、諸種の共同生活が行われることが分かっている以上は、家族的結合のごときは今さらに顧みる要もなくなる(p.42)」とか、人類についても、「人類の祖先の原始的団結様式は、家族の形で始まったものではない(p.100)」、「人類の祖先の原始的団結様式は、家族ではなく、社会、団体、もしくは種族であった(p.101)」と説く。

     家族は考察の対象ではないとしても、個人はどうなのだろう。クロポトキンは個人主義を否定するが(p.302)、個人の自己肯定を相互扶助と共に進化の一要素とする(p.300)。「この自己肯定は、....部族や、村落共同体や都市や、国家などが個人に強要する、しかも必ず凝り固まってしまいやすい桎梏(しっこく)を打ち破らんとする作用の中にも現れる。(p.301)」とする。
     そして、「自らが個人の結合の唯一の縁になろうとした国家は、その目的を果たすことができなかった。(p.300)」とするところは、自由を求め国家を否定するアナキストの証である。

     本書は、現在は相互扶助が失われた悲劇的な状況なので、これを取り戻すべきだと訴えるのではなく、「この相互扶助が今日なお広く拡がっているということに、われわれ人類のさらに高尚な進化の最善の保障を見出すのである。(p.305)」という最後の言葉で結ばれる。革命家というより人生を導く聖人のようだ。彼は現実をいっただけなのに、未来を予言しているようにも見える。彼の写真を見ても、正に聖人クロポトキンである。
    15人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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  • 2017年7月18日に日本でレビュー済み
    最初読んだ時はあまり感銘も受けなかったのだが、いま読み返してみると心に染みた。若い時には、支え合い生かされるという相互扶助の精神が腹に落ちなかったのだろう。生物の本性としてある相互扶助の精神が、人類の歴史を通底し、氏族→村落共同体→自治都市→組合という流れの中で発展してきたことを概観できる。そして国家が民衆の中に占める重要度というものは低くかったことを思い起こさせる。

    俗流進化論の、生存競争を勝ち抜いた少数の生物が進化を導くという説に対し、闘争や飢餓による欠乏状態を少数の生物が生き抜くことなどあり得ず、相互扶助による集団の協力と競争の低減こそ、厳しい自然環境を生き抜く進化の源泉であることを説く。

    『人類は自然の一例外ではない。人類ともまた、生存の闘争においてもっとも善く互いに助け合うことを知っているものにもっとも善き生存の機会を与える、かの「相互扶助」の大原則に従うものである』

    また、各時代の相互扶助社会が、富と権力を独占させない工夫をしていた事例も載せられており、人類史は戦争と収奪の連続の中を生き抜く相互扶助の拡大と質の進化であることに、目を見開かせる。
    15人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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  • 2022年7月1日に日本でレビュー済み
    Amazonで購入
    著者の博物学者としての面と思想家としての視点、若い人も読み直すべき一冊だと思います
    4人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート
  • 2012年11月2日に日本でレビュー済み
     ダーウィンの進化論は弱い種が自然淘汰されること、そして種同士が協力(相互扶助)して自然環境に立ち向かっていることを示しました。しかし人間優位主義に蝕まれた西洋社会では自然淘汰のみが強調され相互扶助を無視される傾向にありました。クロポトキンを例外の一人に数えられます。
     クロポトキンは豊富な観察記録から自然は非常ではなく相互扶助で連帯していることを示しています。クロポトキン自身もシベリアを探検した経緯があり筆には生命への畏敬があふれています。そして晩年の『倫理学』をはじめ道徳科学構築の原動力となりました。
     最後の旧版との違いを述べておこうと思います。増補版と本文に違いはありませんが「3.11」を踏まえた解説がついています。私たちは「3.11」を通し自然の恐ろしさを思い出しました。そしてそれ以上に人々が連帯していることも再確認しました。そういった人々の感情やこれからの社会の在り方について『相互扶助論』から学ぶべき点は多いと考えます。
    37人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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  • 2021年10月29日に日本でレビュー済み
    Amazonで購入
    内容が無駄に長い。リン・マーギュリの共生進化論をネットで調べた方が解り易いと思うし短くまとまってると思うし言いたいことはほぼ同じですし、わざわざコレを買って読む必要は無いかなと
    あと細かいかもしれませんが昔、翻訳された部分は読みづらい文章でしたね。匹が旧字の疋くらいはまだいいですけど。相〇〇といった言葉なんかも現代の文章に直した方が良かったと思う(例:相集まる。相異なれる。とか)
    6人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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