特集は、「誰もがすなる日記」。角田光代、川上弘美、山本文緒の鼎談はボリュームもかなりあり、読ませる。それぞれの日記に対する考えが違うようで似ているのが面白い。誰もがダークな部分を持っているんだろうが、この鼎談を読むと作家というものは、それを抱え、なお、日記にまで表現せずにはいられない生きものなんだと思わせる。
そのほかでは、いしいしんじと高山なおみの「ふたりの夏日記」も面白かった。
読み切り小説の中では、小野不由美の『落照の獄』が秀逸。十二国記ものだけど、物語中で凶悪犯罪を裁く司法が死刑の是非についての議論を交わす場面は、きわめてレベルが高い死刑廃止・賛成の議論になっている。
「人を殺した者に死をもって報いる、これは多分、理屈ではない。それと同時に、人を殺してはいけない、殺したくないという思いも、やはり理屈ではないのであろう。」
という文章を読んで、どちらかといえば死刑廃止論に与する自分は、なぜだか鳥肌が立った。