富山県を土台にした現実味溢れる舞台設定と綿密に描かれた風景描写に対して、現実とかけ離れた人物設定とのアンバランスさがやけに目立つ不思議なアニメ。原作のゲームを塵一つ残さず全て破壊し、お約束のストーリー展開をことごとく破壊していく様はまさにクラッシャーだ。造り酒屋の息子で絵本作家志望の主人公、不思議全開で行動が常軌を逸してる破天荒ヒロイン、主人公の家に同居中で家では暗く学校では明るいヒロイン、カレモチ系ヒロイン(彼氏持ちの略、勝手に命名)等、「何だよこの設定は」とツッコミを入れたくなる変わった設定が満載だ。そんな変な設定にリアルな舞台背景、丁寧に描かれた人物の仕草、精密な小道具の描写が物語に説得力を与えちゃってるもんだから妙に生々しい出来に仕上がってる。 主人公が絵本作家志望ということで、時折入ってくる絵本の中の様な幻想的心理描写、水彩画調の止め画、鼻につく程のインパクト大のセリフ、印象的な演出と脚本がこのアニメをよりアクの強い物にしてる。しかし奇抜な設定とは裏腹に作品の根底にあるのは、青春期特有の恋の悩みや葛藤等の普遍的なテーマだ。奇抜な設定は真面目なテーマをより魅力的に見せる一つの要素なのかもしれない。作品にノスタルジーを感じるのもこのテーマせいだからだと思う。少年少女達を真正面から描いた珍しいアニメだ。