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レビュー対象商品: リバー・ランズ・スルー・イット [Blu-ray] (Blu-ray)
☆じつに良識的でひたむきな作品である。オーソドックスで緩やかな作品である。上品で静粛な作品である。綺麗な言葉を並べるとキリがないが、上記の表現は本作にこそふさわしいと思う。俳優だけではなく、監督しても今や大ベテランの古株で『普通の人々』や『ミラグロ奇跡の地』、『クイズショウ』、『バガー・ヴァンスの伝説』、『モンタナの風に抱かれて』等々、アメリカ映画史に残る優秀な名作を連発しているロバート・レッドフォードが、フライフィッシングをモチーフに、失われてゆく大西武の自然と家族の姿を哀惜して綴られたノーマン・マクリーンのベストセラーを詩情ゆたかな映像美でアメリカの心を描いた忘れ得ぬ見事な秀作。主演は今やハリウッドを代表する大スターであるブラッド・ピット。彼はこの名編で一気に魅力的な才能が開花した。年老いたノーマン・マクリーン(アーノルド・リチャード)は故郷の川モンタナのビッグフット・リバーでフライフィッシングをしながら若き日を回想していた。酒とギャンブルにのめり込み、まだ20代の若さで殺された弟ポール(B・ピット)を想う。優等生のノーマン(クレーグ・シェーファー)とは対照的に、ポールは幼い頃からヤンチャで頑固。自己破壊的なところがあったが、誰もが愛さずにはいられない自由奔放な天性を魅力を兼ね備えていた。そして何より、父親のマクリーン牧師(トム・スケリット)が教えてくれたフライフィッシングにかけては天才だった。愛しあっているのにギクシャクしてしまう父と子…。という感動の物語で、自分がどうしてもかなわないモノを相手に見て、お互いひそかなコンプレックスを抱きあう兄と弟。けれどひとたび川に向かい、自然のリズムに身をまかせれば、男たちの心は1つになる事を釣りを通しながら、ソフトなタッチで教えてくれる。淡々と落ち着いた演出力を披露してくれるB・レッドフォードの真面目で清潔な人間性を感じさせるしみじみとした〈抒情的〉な映画である。アカデミー撮影賞を受賞したのも頷ける地方色たっぷりな自然風景と太陽の光と川のコントラストが絶妙なバランス感覚を醸成している釣りの風物詩的な描写も素晴らしい。どこか危険で悪の面影を秘めている、単純な男前ではないB・ピット君のルックスがチャーミングで素敵だ。その美しい魅力的な瞳には思わず引き込まれてしまう。そして何より、多方面でも語られているが、当時のB・ピット君が若き日のR・レッドフォードを彷彿とさせるのは偶然か、或いは因縁めいた産物であろうか。余談だが、近年流行のデジタルやらコンピュータグラフィックを駆使した内容空疎なCGや3D映画の全盛期とはいえ、こういう古き良き味わいの由緒正しきアメリカ映画が最近では滅多に製作されなくなってしまっている嘆かわしい現状にオールド・ファンの筆者としては寂しい限りであると私の率直な心情を付け加えたい。この『リバー・ランズ・スルー・イット』は誰もが忘れかけている〈家族の絆〉と〈優しい情愛〉を優美に描いた人間ドラマの最高峰です!☆。
コメント
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2012/05/18 5:28:26:JST
NiceGuyさんのコメント:
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