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「夢」の為に頑張る物語は、「夢見がち」な展開から出てくる物なのか?,
2012/2/16
レビュー対象商品: 夢色パティシエール 10 (りぼんマスコットコミックス) (コミック)
※本レビューを書くにあたり、盛大なるネタバレを含みますので、本レビューを見る際はご注意ください。
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正直言う。完成度が低い。しかもクライマックスで。紛れもなく全10巻の中では最悪の出来だ。
かわいらしさもありながら夢を追い求めてひたむきに頑張る物語見たい一心で買ったのだが、それなだけに本当に残念な出来だった。どのように残念だったのかを、以下に記述する。
本巻は、『全ての精霊が諸事情でスイーツ王国へ強制送還されてしまうので取り戻す回』と、
『今まで不透明だった苺と真の恋がどのように実っていくのか』という回に、大きく分類される。
まず、『全ての精霊が諸事情でスイーツ王国へ強制送還されてしまうので取り戻す回』について。
前回の9巻目では全精霊が強制送還されるという急展開を迎えており、バニラの心情を含め巧く作中と織り交ぜていたので続きがすごく楽しみだったのだが、この間の最初の方でスイーツ王国と精霊達が出てきており拍子抜けしてしまった。^^;
戻す条件は「成績の振るわない日本校でも素晴らしいケーキを作ることが出来ることを示せ」という非常に大きな課題だ。見事苺はその課題を達成し、スイーツ精霊を返してもらえるようになるのだが・・・・え あれ?ちょっと待て待て^^;;
なんと、法を変えることをアッサリと「アラザン」に確認していた!! しかもアラザンOKしてた^^;;;;;;;;;;
まてや、法を変えることは女王でもアラザンでも出来ないって『2度も言ってた』はずなのに、何故アラザンOK1発で返すことになってんだ??? しかも法を動かせない理由は作中に全く説明が無い。
つまり、『アラザン思考』>『法』>>>(越えられない壁)>>>『女王初めスイーツ精霊全員』 という状態になってしまったのだ。ここが、私の感じたささやかな矛盾でありながら一番問題のある所である。しかもせっかくの起承転結の「転」の部分をたった1話で無理矢理解決させてしまっており、私としても「あの時のワクワクを返せ〜(笑)」という気持ちである^^;;
ちなみに、この話の評価点は、『9巻同様に苺を大切に思い続けているバニラの描写』を、スイーツ王国の「空」を見せてあげることによってより発展させて描写している点であろう。ここに関して"だけ"は、本当に良く出来ていた。
もう1つ、『今まで不透明だった苺と真の恋がどのように実っていくのか』という回だが、こちらにも問題がある。
いちご側では過去に何度もときめいたりする描写があり、9巻でその気持ちに遂に気付き、本回でも真と2人で一緒にケーキを作る際にそんな素振りを見せているのだが、なんと真側の方はいちごに対する恋愛感情が(過去巻含め)ラストの方になるまで一切無く、お互いに作ったケーキを重ね合わせてから口づけするまでの僅かなシーンでいきなり好意を見せつけている為、全くもって感情移入が出来ないものになっているのが原因である。無理に盛り込んだ「夢見がち」な展開というわけだ。本作の『夢』ってそんなもんじゃないと思ってたんだが・・・・・。 最後はフランスにわたってハッピー(?)エンド。
ちなみに、その後の番外編も小城三夜、アンリ先生、天王寺麻里の恋について触れているが、こちらも過去にはっきりとした描写が無いため感情移入は難しかった。三夜の心情描写も良く分からなかったし。アンリ&天王寺の回は割とドラマチックでそれなりに良かったと思う所もあるが。
あ、でも最後の「ベル君」の話は結構良かったかも。また最後の最後で彼がしゃべってくれるんですから^^
総評で言うと、今までと比べ物にならないくらいのガッカリという印象か。本作は、とにかくいろんな意味で10巻に無理矢理押しこんでいる感があり、とにかく全話にわたって性急さが伺える。少女漫画の大賞にしてはなんだかなぁというものだった。ホントに。
こう言った作風がもともと好きだったり元々高評価をつけている方々には、私のこういったカタクルシ〜&トンデモ辛辣(苦笑)レビューで少々申し訳ないとは思っている。^^;ただ、この作品の重きは『夢の為に頑張る物語』にある為、このような性急な上での夢見がちな展開で終わってしまった事には、今まで買ってきた漫画はなんだったのか、という空しさを感じるに等しいのだ。
『終わり良ければ全て良し』というわけではないが、せめてもう少し巻数を増やして掘り下げるか、苺たちの恋に関連した話をもう少し早い段階でやっておくべきだったのではなかっただろうか。
以上。
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