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レビュー対象商品: 怪獣ゴルゴ -ワイドスクリーン版- [DVD] (DVD)
アイルランド沖を航行中のサルベージ船の乗組員、ジョー(ビル・トラヴァース)とサム(ウィリアム・シルヴェスター)は、海底噴火に 遭遇し、近くのナラ島に逃げる。彼らは、島に住む自称考古学者 のマッカーティン(クリストファー・ローズ)と知り合い、近隣の海底 に、古代の財宝が眠っているらしいことに気付く。早速、ジョーと サムは、密かに海底へ潜り、財宝探しを始めるが、海中で巨大 な怪獣を発見してしまう…。 『【東宝特撮Blu-rayセレクション】 空の大怪獣 ラドン』の米国配 給・上映権を買ったキング兄弟がプロデューサーを担当し、『原子怪獣現わる [DVD]』 や『Giant Behemoth [DVD]』といった映画史上忘れ得ぬ怪獣 作品を作ったユージン・ローリーが監督した佳作。彼の他の怪 獣がモデル・アニメーションによるものだったのに対し、本作で は、日本的な着ぐるみを使用している。怪獣の親子という設定 が、後の『大巨獣 ガッパ [DVD]』に影響を与えたのは、あまり に有名な話。 キング兄弟、ローリーの巨大怪獣に対する愛情で出来上がって いる作品という感じだ。それも、当初、イギリスではなく、日本を 舞台に考えていたというように、あからさまに『【東宝特撮Blu-rayセレクション】 ゴジラ(昭和29年度作品)』 の影響を受け、日本の怪獣作品への敬意とあこがれから出来 上がっている。元々、『ゴジラ』が、ローリー監督の『原子怪獣現 わる』の直接的影響で作られたという映画史的事実を考えると、 巨大怪獣が取り持つ縁が、日本から本家へと一巡したという形 だ。まさに、世界の怪獣好きの映画人がつないだ輪。そんな巨 大怪獣に対する愛情の深いキングとローリーが組んだのだから、 作品は、定石ながらも実に端正。 ゴルゴの造形は、若干、大味で雑な感じもするが、ローリー監 督は、ゴルゴのスケール感を巧みに出し(親と子それぞれ)、破 壊のカタルシスを見せてくれる(トム・ハワードの特撮の醍醐味)。 夜の海から上陸し、ナラ島を襲う場面、赤い炎をバックに、ピカ デリー・サーカスを縦横無尽に動き回り、建造物を豪快に壊す 場面の雰囲気もいいし、パニックで逃げ惑う人々の描写(細か いショットの積み重ね)も迫真性がある。このあたりは、怪獣作 品のベテランならではの腕だ。さらに、自作の『The Giant Behemoth』を観たローリー監督の幼い娘が、怪獣が殺された ことに泣いたということで、本作では、ゴルゴ親子を殺すことせ ずに、彼らを見守るような少年を配し(ローリー監督の娘の分身 だろう)、やさしいタッチも織り交ぜられ、実に後味がいい。怪獣 作品の古典の1本に数えていいだろう。 本DVDは、2005年に、キングレコードから発売されたマスター (今回は、コメンタリー、特典映像は削除)とは違い、1.66:1 スク イーズ・マスター(2005年に発売された米VCI盤と同じ)を使った 再発売廉価盤。キング・ブラザース社の正規マスターを使って いるが、残念ながら、テレシネの元になった35mm素材の状 態が悪かったようで、黄色味が強い濁った色調で、ディテール も粗い画質。音声は、ノイズがある箇所もあるものの、概ね良 好。特典には、スタッフ&キャスト・プロフィール(テキスト)、フォ トギャラリー、予告編(4:3レターボックス)が収録。 こういった映画ファン向けの作品が、正規マスターを使用して、 廉価で発売されることは大歓迎だ。毎度ながら、本「Fantastic Cinema Collection」シリーズ(TCメディア発売)の丁寧な作りの パッケージ・ソフトに頭が下がる。 |
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