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レビュー対象商品: 錯覚の科学 (単行本)
人間の脳には限界がある。後から考えれば明らかな詐欺にひっかかってしまったり、論理的に考えれば間違っている言説を信じてしまったり。これは頭にいいよとか、ボケ防止になるよといった話に飛びついたり。僕たちは、本当かどうかよりもわかりやすい話に飛びつく傾向があるらしい。こうした現象はすべて脳の認知力に限界があるからだ。本書の原題である「見えないゴリラ」も人間の注意力には限界があることを示している(この本を読んでからビデオを見るとゴリラに気付いてしまうのが残念)。ぼくたちは間違いやすくできているのだ。これは社会が急速に複雑になったのに対して脳の進化がついていってないのかもしれない。本書を読むいちばんの意義は、このぼくたちの脳には限界があるということを知ることだ。それによって、ぼくたちは謙虚になれるだろうし、だまされにくくもなる。逆に、人をだましたり、セールスに応用したりといったことも上手くなるかもしれない。平易な文章で書かれ、ときにユーモラスであるけれど、とても奥の深い本である。本書をとくに読んでほしいのは裁判に関わる人だ。目撃証言や自白さえもきわめてあてにならないということは肝に銘じてほしい。物的証拠が何一つない裁判は、たとえ被告が自白していようとも行うべきではないと思う。真犯人を見逃すよりも冤罪を生み出さないことの方が重要だから。 |
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