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手際よく調理された本格サスペンス・ミステリ,
2012/4/22
レビュー対象商品: ドラゴン・タトゥーの女 デラックス・コレクターズ・エディション(2枚組) [Blu-ray] (Blu-ray)
メガトン級の世界的ベストセラーをアメリカ映画界が放っておくはずもなく、その意味では出るべくして出たハリウッド版。
ただし、脚本(スティーブン・ザイリアン)も演出(デビッド・フィンチャー)も一流どころを揃えている辺りは本気がうかがえ、まずはお手並み拝見といったところ。
原作を読んだ身からすると「良くまとまった」感が強く、心配していたよりははるかに上出来。
というかほとんど原作を動かさず(若干の改変あれども)主人公たち(ミカエルとリスベット)が出会うのも全体の半分過ぎてからという辺りを踏襲している辺りは潔い。
うがった見方をすれば原作に忠実であるのは当然残り2作にも製作の余地を残すのが絶対条件であったことによるものとも思われます。
しかしそうはいってもやはり原作と比較すると端折り過ぎである感は否めません。
特に原作ではヴァンゲル家を巡る物語と同列に描かれる雑誌「ミレニアム」のジャーナリズムを通した戦いの側面が映画ではあくまで背景に落とし込まれている点は残念。
まぁ、映画としては無理ないかなとも思いますけどね。
その反面、原作通り、サスペンス・ミステリとしての事件の解決後のミカエルとリスベットの「その後」をきちんと掬い取っている点は偉い。
これも続編への布石ではあるんでしょうね。
過激なヴァイオレンスやエロチックな描写も原作に忠実ではあるのですが、この部分はやはり映像化されるとちょっと殺伐感が増しますねぇ。
ハリウッド製の洗練されたサスペンス映画を期待して劇場に来られた(原作を未読の)方は少々引き気味であったような気もしますけど。
フィンチャー監督としては「Se7en」以来の本格猟奇サスペンスだったと言う気もしますがさすがにその部分は魅せてくれました。
ハリエット消失の謎の解明に徐々に近づくミカエルとリスベットの前におぞましい連続猟奇殺人の闇がポッカリと浮かび上がってくるあたりの戦慄感。
雪と氷に閉ざされた北欧の島の白と黒のコントラスト。
常にだれもが凍えているかのような風景描写が心地よく緊迫感を高めていて舞台をスゥエーデンから(例えばカナダとかね)変更しなかったことは大正解でした。
さて、続編はGOサインが出るんでしょうか?
ただ、例えそうなったとしても監督は変更でしょうね。
原作もこの第一作は独立してますが2・3作は連続していると見るのが正しいでしょうが、ちょっと本作とはテイストが違いますから。
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