スティービー・ワンダーの音楽というと、とかく70年代のInnerVisionsなどが取り上げられますし、かくいう私もその完成度の高さは認めざるを得ないところがあり、また大好きでもあるのですが、このアルバム Conversation Peace は彼がそうした黒人音楽(ファンク or ソウル)とは違う高みを目指した一成果といえるのではないでしょうか。その結果、このアルバムは、ファンクやソウルミュージックを超えた到達点に達していると思います。実際、ファンク or ソウルという点で言うと、一作前のサントラ Jungle Feverで非常に完成度の高いアルバムを作っており、この方向を続けることもできたはずです。70年代のアルバムと同じ雰囲気を求めるだけなら、かって損をするかもしれませんが、先入観なしで、聞いてみれば、聞けば聞くほど味が出てきて、彼の表現方法の深みを堪能できるすばらしいアルバムだと思います。